不完全燃焼の銅メダルだった。
7月29日、卓球女子シングルス3位決定戦で、世界ランキング2位の伊藤美誠が、シンガポールのユー・モンユ(同47位)と対戦した。同日昼に行われた準決勝では、中国の孫穎莎にはストレート負けした伊藤だが、混合ダブルスに続く、今大会2個目のメダルを懸け勝負に臨んだ。ユーは石川佳純を4回戦で破っていたが、準決勝で負傷していた。
第1ゲームはユーが11-6で先取。怪我の影響を感じさせることなく着実にポイントを重ねていく。だが、伊藤も第2ゲームを取り返すと、続く第3、第4ゲームを連取する。そして、勝利が懸かった第5ゲームでも11-6と危なげなくユーを撃破。混合ダブルスでの金メダルに続く銅メダルを獲得した。また、同時にシングルスの女子卓球選手として日本初のメダル獲得という快挙を成し遂げた。
【ハイライト動画】#卓球 日本女子シングルス初のメダル#伊藤美誠 選手
— NHKスポーツ (@nhk_sports) July 29, 2021
混合ダブルスの #金メダル に続き#銅メダル 獲得です 🏓
3位決定戦をハイライト動画でどうぞhttps://t.co/Nyt1wzovf4 https://t.co/QiTTY2hZOM
ただ、歴史的快挙を前にも本人は「決勝戦では負けてもすべてを出し切りたかった。3位決定戦もいい準備はできていなかった」と不完全燃焼を吐露。「すべてを出しきれないときには、実力差も凄くでてきてしまう。100%出せないと勝てない。今日は本当に20~30%だったんじゃないかな。本当に悔しいです」
伊藤を支える松崎太佑コーチも「優勝を目指してやってきた。銅メダルを獲った嬉しさは30%、優勝できなかった悔しさが70%」と悔しさを隠さなかった。ただ、その悔しさも目指すゴールが高いからこそ。
8月1日から始まる団体戦では、伊藤はシングルスを担当する。3つ目のメダル、そして何より金メダル獲得に向け「団体戦では私が全勝してチームにいい流れを持っていきたい」と完全燃焼を誓った。