ウシクはジョシュアにとって脅威なのか? ライバルのフューリー、ワイルダーがそれぞれ私見

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WBAスーパー・WBO・IBF世界ヘビー級統一王者アンソニー・ジョシュア(英国)とのタイトルマッチ(9月中、トットナム・ホットスパー・スタジアム)に臨むWBO指名挑戦者オレクサンドル・ウシク(ウクライナ)について、現WBC同級王者のタイソン・フューリー(英国)と同前王者のデオンテイ・ワイルダー(米国)がそれぞれ私見を披露した。英国スポーツ専門メディア『Sky Sports』などが伝えた。

WBC同級王者フューリーは、ウシクがジョシュアの脅威になるかについて、「そうは思わんね。オレの意見では、ウシクはデレク・チゾラに負けていた。デレクの全盛期は10年前なんだぜ」とバッサリ。その発言は、ウシクがヘビー級転向2戦目となった、2020年10月のWBOインターコンチネンタル・ヘビー級タイトルマッチで、"全盛期を過ぎたチゾラをKO出来なかった"というのが根拠だろう(12回判定勝ちで王座獲得)。

「ヤツ(ウシク)は1ラウンドでワイルダーにKOされるようなクルーザー野郎さ」とこき下ろしている。

一方のワイルダーは、ウシクについて「実際に何かが証明されるまでは、誰もが脅威になる。(ボクシングの)すべての戦いが危険なんだ。何が起こるかわからないね」と暗喩的に話した。記者会見同様、多くを語らないワイルダーの言葉を次いで、ヘッドトレーナーであるマリク・スコット氏がより具体的にウシクについて語っている。

ウシクがクルーザー級で王者となり、4団体統一を果たした実績を挙げ、「(ウシクとの対戦は)誰にとっても危険な戦いになる。ウシクと戦いたがる人間は多くないでしょう」と評価。ヘビー級転向3戦目となるジョシュア戦は大きなジャンプアップになるだろうとした。

試合面についても「ウシクがジョシュアの(身体の)サイズと技術にどう対応するかは興味深い。対してジョシュアがサウスポーであるウシクのスピードにどう応じるかだ」と分析した。

ジョシュアは現在、トーマス・カーティ(アイルランド)というキャリア9年目プロ戦績27勝24敗のサウスポーをスパーリングパートナーに、ウシク対策に取り組む。フットワークの軽いサウスポーとの慣れない対戦に向け、ジョシュア自身も「(これまでの相手と)まったく異なるスタイルの相手」と語るなど、警戒の色を強めている。

ジョシュアとの4団体統一戦実現を目指すフューリーはウシクを脅威と見なさない一方、ワイルダー側はウシクを評価する対照的な意見だった。

ウシクは2018年のワールド・ボクシング・スーパーシリーズ(WBSS)のクルーザー級トーナメントに優勝し、同級の4団体統一王者となった。2019年にヘビー級転向を表明。転向初戦を迎える前に、WBOから指名挑戦者に選定された。10月のチェズ・ウィザスプーン戦を7回TKOで勝利し、ヘビー級デビュー。2020年10月に前述のチゾラを12回判定勝ちで破り、WBOインターコンチネンタル王者となっている。

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著者
Sporting News Editorial Team
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