オリンピック招致が決まった2013年、よもやこんなことになろうとは思いもよらなかった。スタジアム建設問題、ロゴ盗作、新型コロナウイルス、関係者の不祥事による相次ぐ辞任…問題をあげればきりが無く、よくぞ開催に漕ぎ着けたものだと思うが、7月21日、とにかく東京オリンピックがついに始まった。
この日すでに、ソフトボールが福島県でスタートしていたが、東京都内で行われた最初の記念すべきイベントは女子サッカー。一次ラウンドG組、スウェーデン対米国の試合だ。
共に女子サッカーでは強豪国。米国は今大会で5度目の金メダルを狙い、一方のスウェーデンは、2016年に開催されたリオ五輪準々決勝でPK戦のすえ米国に勝利。米国のメダル獲得を史上初めて阻止している。
米国は、長らくエースとして米国を牽引してきたアレックス・モーガン(32)が前線に入った。また、ミーガン・ラピノー(36)はベンチスタートとなった。
静寂に包まれた無観客の東京スタジアム。本来であればいたはずの5万人近くの観衆はゼロ。今でもJリーグの試合が行われれば、コロナ禍でも観衆は動員されているが、この日見守ったのは関係者、報道陣のみ。異様な雰囲気のなかで、試合はキックオフした。
序盤からペースを握ったのはスウェーデン。ソフィア・ヤコブソン、コソバレ・アスラニ、スティナ・ブラックステニウスを中心にチャンスを掴むと、前半25分に先制する。右サイドで再三フリーになっていたヤコブソンがドリブルを仕掛けクロスを上げると、ニアに走り込んできたカロリン・セゲルが頭で合わせた。
1-0で前半を折り返すと、54分にはスウェーデンが追加点をあげる。CKの流れからポストに跳ね返ったところをブラックステニウスが詰めてリードを広げた。
追いつきたい米国は65分にラピノーを投入するも、逆にスウェーデンに3点目を決められ万事休す。73分、ハンナ・グラスの右クロスを、中央で待ち構えていたリナ・フルティグが頭で合わせてネットを揺らした。
その後、米国も幾度かチャンスを迎えるもスウェーデンが守り切り試合はこのまま終了。グループGの初戦はスウェーデンが3-0で米国に勝利した。米国は次戦、24日にニュージーランド、スウェーデンはオーストラリアと対戦する。