【ボクシング】井上尚弥vsタパレスのアンダーカード|メインイベント前に行われる前座試合|12.26 有明アリーナ

2023-12-25
読了時間 約5分
(Naoki Fukuda)

12月26日(火)、日本で新たな歴史が刻まれるかもしれない。井上尚弥とマーロン・タパレスがスーパーバンタム級4団体統一王座をかけて激突するのだ。この試合は米国内ではESPN+が、日本国内ではLemino(レミノ)が、それぞれ配信する。そのアンダーカード(前座試合)も世界戦を目指す日本勢のカードが揃った。

ここでは、メインイベント「井上 vs. タパレス」に花を添えるアンダーカードの出場者、階級、戦績などの情報を本誌格闘技部門エキスパートのダニエル・ヤノフスキーがまとめた。

2023年最後のビッグマッチ「井上vsタパレス」アンダーカードも注目

井上尚弥(25勝0敗)は4階級世界王者だ。2014年の初戴冠以来、一貫して世界王座に君臨し続けている。ライトフライ級、スーパーフライ級、バンタム級で世界王者になり、2022年にはポール・バトラーを破ってバンタム級のベルトを完全統一した。7月にはさらに階級を上げたスーバーバンタム級でスティーブン・フルトンを下してWBC/WBO同級王座を獲得した。現在『ザ・モンスター』は、男性ボクサーとしては史上2人目となる2階級4団体統一王者の称号を虎視眈々と狙っている。

「自分のモチベーションはかつてないほど高いです。技術が高く、何でもできるボクサーと対戦する準備を進めてきました。フルトン戦のときよりコンディションは上です。タパレスは番狂わせを狙ってくるでしょうから、自分も気を引き締めます」と、井上は共同通信に語った。

マーロン・タパレス(37勝3敗)もまた2階級世界王者である。2016年にWBO世界バンタム級王座を獲得したこともあり、現在4連勝だ。『ナイトメア』の異名を持ち、4月にはムロジョン・アフマダリエフを下してWBA/IBF世界スーパーバンタム級王者になった。31歳でここまで19回のノックアウト勝利を挙げている。井上が圧倒的有利との予想を覆す強烈な1発を狙っている。

そして、その前座試合となるアンダーカードでは、地元日本のボクサーたちがメインイベントに花を添える。井上のバンタム級4団体統一成功を記念して開催された『モンスタートーナメント』決勝戦(兼日本バンタム級王座戦)や、世界挑戦が待望される平岡アンディ、バンタム級転向の武居由樹、ネクスト・モンスター候補のひとりである坂間吐夢など注目のカードが揃った。

『Lemino』では、同イベントを第3試合から完全無料の生配信で中継する。見逃し配信はLeminoプレミアム登録が必要となる(対象番組視聴による2週間無料体験キャンペーン実施中)。

関連記事:【ボクシング】井上尚弥vsタパレスの日程・配信予定 Leminoで無料視聴|12.26 有明アリーナ

12.26 井上尚弥 vs. タパレスの全アンダーカードの情報は以下の通りだ。

12.26 井上尚弥 vs. タパレスのアンダーカード:

第6試合(セミファイナル):日本バンタム級タイトルマッチ/モンスタートーナメント決勝戦 堤聖也 vs. 穴口一輝

  • ラウンド数:10
  • 階級:バンタム級
  • 堤の戦績:9勝0敗2分け
  • 穴口の戦績:6勝0敗
  • 争われるベルト:日本バンタム級タイトル 

堤聖也(角海老宝石)が穴口一輝(真正)と対戦する。このテクニシャン同士の一戦は、井上尚弥のバンタム級4団体統一達成を記念して開催された、バンタム級日本最強を決める『モンスタートーナメント』の決勝戦として行われ、同時に堤が保持する日本同級タイトルが争われる。さらに勝者は優勝賞金は1000万円が授与される。

28歳の堤(9勝0敗2分け)は、2018年にプロデビューした。2020年に2つのドロー試合を経たのち、バンタム級の日本タイトルを獲得した。直近の試合は8月に増田陸から3-0判定勝ちを収めた。現役日本王者として、モンスタートーナメント制覇を狙う。

23歳の穴口(6勝0敗)は、2021年にプロデビュー。2023年は2連勝している。直近の試合は8月に梅津奨利から3-0判定勝ちを収めた。トーナメント優勝、ベルト、賞金のすべてを勝ち取れるか。
 


第5試合:平岡アンディ vs. セバスチャン・ディアス・マルドナド

  • ラウンド数:8
  • 階級:64.5kg契約(スーパーライト級寄り)
  • 平岡の戦績:22勝0敗
  • セバスチャンの戦績: 18勝6敗1分け
  • 争われるベルト: なし 

平岡アンディ(大橋) vs. セバスチャン・ディアス・マルドナド(メキシコ)も楽しみなカードだ。

平岡(22勝0敗)は2013年にプロデビューした。身上とする鋭いパンチから『Da Blade』の異名を持ち、2019年から8連続ノックアウト勝利を挙げている。直近の試合は2022年12月に誼敏虎からTKO勝ちを収めた。その後、WBOアジアパシフィックスーパーライト級王座を返上し、2023年内の世界戦を目指すも、来年に持ち越しとなっており、プロ入り11年目での悲願の世界戦を実現する上でも負けられない。

ディアス・マルドナド(18勝6敗1分け)は2013年にプロデビューした30歳。『El Verdugo』(死刑執行人)の異名を持つ。2022年5月にリー・リーブスとのNABFスーパーライト級タイトル戦で敗れた。その後は1勝1敗である。直近の試合は8月にエドゥアルド・ラミレスから敗北を喫した。やや不調にあえいでおり、平岡戦から浮上したい。

Scroll to Continue with Content

関連記事:【ボクシング】平岡アンディvsディアスの日程・配信予定 Leminoで無料視聴|12.26 有明アリーナ


第4試合:武居由樹 vs. マリオ・ディアス・マルドナド

  • ラウンド数:8
  • 階級:54.5kg契約(バンタム級寄り)
  • 武居の戦績: 7勝0敗
  • マリオの戦績:21勝6敗
  • 争われるベルト: なし 

武居由樹(大橋)がマリオ・ディアス・マルドナド(メキシコ)と対戦する。武居にとってはバンタム級転向のためのステップマッチとなる。マリオは平岡が対戦するセバスチャンの弟。

武居(7勝0敗)は、教育の一貫で2009年からキックボクシングを習い始め、2014年にはプロデビューすると、K-1でスーパーバンタム級王座を獲得し、同級GPを制覇。しかし、キックを続けるのが困難なケガの影響で、2021年にボクシングへ転向した。現在27歳で、これまでのすべての試合でノックアウト勝ちしている。直近の試合は7月にロニー・バルドナドからKO勝ちを収めた。バンタム級での世界戦を目指すため、OPBF東洋太平洋スーパーバンタム級王座を返上。

28歳のマリオ・ディアス・マルドナド(21勝6敗)は2014年にプロデビューした。2014年にデビュー3戦目で敗北を喫したあとは15連勝を挙げ、『El Triturador』(クラッシャー)の異名で呼ばれた。2018年にエリック・ルイスに敗れると連勝記録は途絶え、最近の5試合では2勝3敗である。直近の試合は6月にヘスス・アレシガ・バルデスからTKO負けを喫した。兄同様、この試合での浮上を狙っている。

関連記事:【ボクシング】武居由樹vsディアスの日程・配信予定 Leminoで無料視聴|12.26 有明アリーナ
 


第3試合:坂間叶夢 vs. ジョン・ポール・ガブニラス

  • ラウンド数:8
  • 階級:49.5kg契約(フライ級寄り)
  • 坂間の戦績:8勝0敗
  • ガブニラスの戦績:10勝2敗
  • 争われるベルト:なし 

坂間叶夢(ワールドスポーツ) vs. ジョン・ポール・ガブニラス(フィリピン)も見ごたえのあるカードだ。日本の『Lemino』ではこの試合から生配信がスタートする(12月26日16時開演予定)。

20歳の坂間(8勝0敗)は2021年にプロデビューし、翌年の高校3年時に全日本新人王に輝いた逸材。アマチュア時代から突出した才能で注目され、1試合を除いたすべての勝利はノックアウトによるものだ。直近の試合は、井上尚弥 vs. フルトン戦のアンダーカードで、堀川龍からTKO勝ちを収めて日本ユースライトフライ級王座を獲得した。

23歳のガブニラス(10勝2敗)は2019年にプロデビューした。8月のOPBFライトフライ級王座決定戦でミエル・ファハルドから敗北を喫するまでは8連勝していた。日本のスター候補生に勝ってタイトル挑戦のチャンスをつかみたい。


第2試合:石川優 vs. 植松風河

  • ラウンド数:4
  • 階級:フェザー級
  • 石川の戦績: 3勝5敗1分け
  • 植松の戦績: 1勝0敗
  • 争われるベルト: なし

石川優(大翔)が植松風河(駿河男児)と対戦する。

35歳の石川(3勝5敗1分け)は2019年にプロデビューした。勝ちと負けを繰り返し、直近5試合の戦績は1勝2敗1分けだ。直近の試合は5月に池崎創哉からTKO負けを喫した。

植松(1勝0敗)は9月にプロデビューしたばかりだ。高島裕樹からTKO勝ちを収めた。
 


第1試合:佐藤力也 vs. 遠藤圭介

  • ラウンド数:4
  • 階級: スーパーフェザー級
  • 佐藤の戦績: なし
  • 遠藤の戦績: 0勝2敗
  • 争われるベルト: なし

佐藤力也(八王子中屋)と遠藤圭介(DANGAN郡山)と対戦する。

18歳の佐藤はこれがプロデビュー戦となる。

遠藤(0勝2敗)は2021年にプロデビューした。直近の試合は2022年4月に高橋倫矢から敗北を喫した。
 


※本記事は国際版記事(著者: Daniel Yanofsky)を翻訳し、日本向けの情報を追加した編集記事となる。翻訳:角谷剛、編集:スポーティングニュース日本語版編集部 神宮泰暁