現地時間4月24日、FIA(国際自動車連盟)F1世界選手権の第4戦エミリア・ロマーニャGPが、イタリアのイモラ・サーキットで行われ、マックス・フェルスタッペン(レッドブル)がポールトゥウィンを決めた。全周リード、ファステストラップをあげてグランドスラムでの完勝を飾った。同僚のセルジオ・ペレスも2位となりレッドブルがワンツーで制した。
フェルスタッペンがイモラ・サーキットで完勝を果たした。過去3戦中、2戦でリタイアを喫し、ドライバーズランキングで6位と大きく出遅れていたが、同22日の予選ではポールポジションを獲得、同23日には今季3度予定される第1回目のスプリントレースを制し、満を持しての決勝に臨んだ。当初、ライバルのフェラーリ、メルセデスに倣って、大幅アップグレードを後ろ倒しにするとしていたレッドブルだが、結局、リスクを承知でマシンの各所に手を施し、これが功を奏すことになった。
前年度は雨の影響で荒れたレース展開となったが、今年も午後になってから降り出し、ウェットコンディションを強いられた。レース冒頭でカルロス・サインツ(フェラーリ)が、スピンでリタイアするなど各チームが慎重になるなか、18~19周目前後で各車はミディアムに履き替え始め、レースのペースもあがり始めた。トップを独走するフェルスタッペンに対し、シャルル・ルクレール(フェラーリ)はペレスとの2位争いから抜け出せず、53周目に縁石に乗り上げてバリアに接触。リタイアは免れたものの、9位まで順位をさげた。
路面が乾きつつあるレース中盤、DRS有効条件が整ったものの、イモラにはゾーンが1箇所しかないこともあって各車狙い所が同じになるため、とくに中間グループで様子をうかがう状況となったルイス・ハミルトン(メルセデス)やピエール・ガスリー(アルファタウリ)らは"DRSトレイン"にハマり、順位をあげることができなかった。
もともとオーバーテイクが難しいサーキットとあって、強豪勢が軒並み苦戦するなか、ブレーキ性能や空力性能があがったマシンを駆るフェルスタッペンはファステストラップを刻み続け、63周を走破しポールトゥウィン。冷静にタイヤマネジメントしながら、全周リードのグランドスラムを達成した。ルクレールは6位に終わり、ハミルトンに至っては得点圏外の13位に沈んだ。
「最高の日曜日だった」と振り返ったフェルスタッペンは、23日のスプリントレース優勝の8点も加え、ドライバーズポイントは計59点となり、54点の同僚ペレスを抜いてランキング2位に浮上。ランキング首位のルクレール(86点)に27点差に迫った。積み増しゼロのハミルトンは7番手に後退し、今季制覇は絶望的となった。
日本人ドライバーの角田裕毅は、地元イモラ・サーキットで会心の走りをみせ、16番グリッドでのスタートながら、ハミルトンやセバスチャン・ベッテルを抑えての7位でフィニッシュ。6点を得て、ドライバーズランキングは12位となった。アルファタウリも積極的なアップデートで安定性を向上させていた。
コンストラクターズランキングでも、レッドブルが113点で2位となり、124点の首位フェラーリに肉薄するなど、早くも2強の争いになりつつある今季だが、次戦は初開催となるマイアミGP(米国フロリダ州、マイアミ・インターナショナル・オートドローム)で、現地時間5月6日(日本時間7日)に開幕する。開催間際になって地元住民グループから騒音を理由にした中止要求の訴訟を起こされていたが、地元裁判所は訴えを棄却しており、今年の開催については支障はなくなった。決勝は同8日(日本時間9日)に行われる。