現地時間5月8日午後、今季から初開催となるFIA(国際自動車連盟)F1世界選手権の第5戦マイアミGP(米フロリダ州マイアミ、マイアミ・インターナショナル・オートドローム)の決勝が行われ、3番手スタートのマックス・フェルスタッペン(レッドブル)がシャルル・ルクレール、カルロス・サインツらフェラーリ勢をおさえ、前節エミリア・ロマーニャに続いて2連勝をあげた。9番手発進の角田裕毅(アルファタウリ)は12位に終わった。
初日のフリープラクティスでは2回ともマシントラブルでまともに走れず、初走行サーキットでの予選結果が伸びず3番グリッドとなったフェルスタッペンだが、決勝本番では底力を見せる圧巻の走りで逆転優勝をつかんだ。
今季から10年契約で開催されるマイアミGPは、米国内ではアメリカGPに並ぶ2つ目のGPで、サーキットとなる新規敷設のマイアミ・インターナショナル・オートドロームはドライバーの忍耐力と才能を引き出すためのチャレンジングな設計がなされた。決勝当日、気温32度前後、にわか雨が何度か降ったことで路面温度は38~42度だった。スタートの15:30は晴れたが、予選時よりは低い温度のコンディション的に多くがミディアムをスタートタイヤに選んだ。アストンマーチン勢は燃料温度が規定まで上がらないトラブルでピットレーンスタートとなり、18台がグリッドスタートした。
3番手スタートのフェルスタッペンは、2番手のサインツを早々にオーバーテイクすると、ポールポジションのルクレールとの攻防戦に突入。9周目にルクレールを抜き去ったフェルスタッペンは、そこから順調にレースを進めた。ルクレールは24周目でハードに履き替えたが、フェルスタッペンはプラス2周粘り、途中、約7秒差をつけて先行した。サインツ(フェラーリ)とセルジオ・ペレス(レッドブル)による3番手争いも熾烈な戦いとなり、2強の争いがレースを牽引した。
レース全体としては、40周目にピエール・ガスリー(アルファタウリ)がランド・ノリス(マクラーレン)が接触し、ぶつけたガスリーは左フロント、そのままリタイアしたノリスは右リヤを破損した。路面確認のためVSC(バーチャルセーフティカー)が投入されたが、パーツの破片改修に時間がかかり、結局セーフティカーに切り替わった。中盤グループの一部はこのタイミングでピットインし、仕切り直しを図ったが、しばらく走ったガスリーはピットインした45周時点でリタイアとなった。ガスリーは39周目時点でフェルナンド・アロンソ(アルピーヌ)と接触、操縦困難な状態に陥っていたようだ。
47周目にレース再開となると、フェルスタッペンは追いすがるルクレールを押さえ切り、エミリア・ロマーニャGPに続いて2連勝を決めた。終盤54周目には1分31秒361のファステストラップを叩き出し、しっかりポイントも回収してマイアミGP初代王者となった。逃げ切られたルクレールは悔しい結果となったが、FP2でのクラッシュで負った首痛を抱えていたサインツはペレスを振り切り、フェラーリ勢で2位3位を手堅く固めた。競り合いに敗れたペレスは4位だった。
メルセデス勢はポーパシング現象改善を主眼にしたアップデートを導入したが、ルイス・ハミルトンやジョージ・ラッセルらドライバーの感触としては大きな効果が得られず、2強に食い込むことは叶わなかった。日本人ドライバーの角田裕毅は、9番手スタートの好位置につけていたものの、徐々に順位を落とし、最終的に12位でレースを終えた。得点圏内でスタートしたはずのアルファタウリ勢はガスリーがリタイアも重なり、散々な結果となった。
ドライバーズランキング争いは、26点を獲得したフェルスタッペンが85点となり、104点の首位ルクレールに19点差まで迫ってきた。3位のペレスが66点、4位のラッセルが59点、5位のサインツが53点、ハミルトンが36点で6位となっている。コンストラクターズランキングは首位フェラーリが157点、2位レッドブルが151点で肉薄状態に。3位は95点のメルセデスとなった。
第6戦となる次戦スペインGPは現地時間5月20日にカタロニア・サーキットで開幕する。決勝は22日15:00、日本時間では22:00開始となる。