現地時間7月31日、FIA(国際自動車連盟)F1世界選手権の第13戦ハンガリーGP決勝が同国モジョロードにあるハンガロリンク(4.381km、70周)で行われ、10番手発進のマックス・フェルスタッペン(レッドブル)が逆転のV8を決めた。2位はルイス・ハミルトン、キャリア初ポールポジションのジョージ・ラッセルは3位と、2大会連続でメルセデス勢が揃って表彰台入りした。
ラッセルを追うフェラーリ勢の失策、フェルスタッペンの逆転劇
カレンダー中、最高速が最も低く、オーバーテイクが難しいハンガロリンク。サーキット周辺の天気は予選の土曜日から崩れ、ラッセルがキャリア初のポールポジションを奪うというアップセットが起きていた。日曜の決勝でも曇り空のなか、気温は19℃、路面温度は27℃強とやや低め。スタート時点では雨はなかったものの、レース途中で雨が降り、タイヤ温度の上がり難い、グリップ不足が顕著なコンディションだった。
タイヤ戦略が分かれ目となり、3番手から優勝を狙うシャルル・ルクレールは戦略を見誤り、フェルスタッペンは戦略見直しで逆転勝利につなぐことになった。
レース開始からポールのラッセル、2番手カルロス・サインツ、3番手シャルル・ルクレールのフェラーリ勢が首位争いを演じる展開が中盤まで続いた。レッドブル勢は予選におけるパフォーマンス不足が目立ち、セルジオ・ペレスはQ2で脱落、フェルスタッペンはQ3でエンジントラブルを見舞われ、ともにパワーユニットを各基交換せざるを得なかったが、ペレスは11番手から、フェルスタッペンは10番手から徐々に順位をあげていった。
とくにフェルスタッペンは、当初ハードタイヤでスタート予定だったが、グリッドに向かう各車のグリップ不足を訴える反応から方針転換。直前にソフトに履き替えたことが功を奏した。
一方、レースが35周目を越える時点で雨が路面を濡らしていたが、ファラーリは40周目、ルクレールのマシンにハードを履かせる選択を採った。案の定、タイヤ温度はあがらず、フェルスタッペンが45周目でオーバーテイクし3番手に浮上。一時は単独スピンで危うい場面もあったが、ソフト、ミディアム、ミディアムでつないで55周目にトップに立ったフェルスタッペンが、今季8勝目を手にした。
ルクレールはソフトに履き替えるはめとなり、6着に終わった。サインツも首位に立った瞬間はあったものの、メルセデス勢の猛追をかわし切れず、4位となった。2位のハミルトンはミディアム、ミディアム、ソフトのタイヤ戦略で最速ラップを刻み続け、絶対王者らしい走りをみせた。ポールシッターだった僚友ラッセルも好調のハミルトンにはかなわなかった。レッドブルのペレスは5位に食い込んだ。
16番スタートの角田裕毅(アルファタウリ)は、一時は14番手まであがるも、その後はズルズルと後退。リタイアとなったバルテリ・ボッタスを抜けば完走者では最下位となる19位だった。
フェルスタッペンとルクレールの間に80点差
ハンガリーGP決勝終了後のドライバーズランキングは、1位のフェルスタッペンが258点、2位ルクレールは178点で80点差に広がった。3位ペレスが173点で5点差で追っている。そしてラッセルが2点差ながら(158点)サインツ(156点)を抜いて4位に浮上。6位ハミルトンも146点となった。角田は得点なしで16位(11点)だった。
コンストラクターズランキングは、1位レッドブルは431点で独走状態は変わらず。2位フェラーリの334点に対し、3位メルセデスは304点で、さらに点差を縮めた。
F1は夏休み、次戦は8月末のベルギーGP
F1は3週間の夏休みに入り、次戦の第14戦ベルギーGPは、日本時間8月26日(金)24:00からのFP1で開幕する。予選は同27日(土)23:00、決勝は同28日(日)22:00スタートとなる。