日本時間11月18日夜、今季2022年F1最終戦アブダビGP(グランプリ)のFP1が始まる。2009年以来、アラブ首長国連邦の首都ドバイのヤス・マリーナ・サーキットで14回目を迎えるレースの歴代優勝者について、本誌スペイン語記者マウロ・マリアーニ(Mauro Mariani)が伝える。
初開催の2009年からF1(Formula 1)カレンダーに登場したアブダビGPは、2009年から2010年および、2014年以降、最終戦の舞台になって以来(2011〜2013年のみ最終戦よりひとつかふたつ前で実施)、シーズンフィナーレを飾る花火があがってきた。
▶全問正解できたら本物のファン。サッカーにまつわるクイズに挑戦しよう
それでも多くの年の年間王座争いにおいては、すでに決着済みのシーズンを完了するためだけの場所だったが、2021年のように、最終戦に相応しいギリギリの戦いのドラマがみられることもある。ヤス・マリーナ・サーキットは、そうしたレースにスピードと魅力を等しく提供する。
ヤス・マリーナは名匠ヘルマン・ティルケが設計したサーキットのひとつだが、かつてはオーバーテイクが難しいレイアウトであることが知られていた。2021年にオーバーテイク機会の創出を目的に初の改修が行われ、旧11〜14コーナーがひとつの高速コーナーに変化するなど、全体的に低速のコーナーを削減したことによってペースアップされ、より激しいバトルが展開されることになった。
以下、 アブダビGPの歴代優勝者を紹介する。
F1アブダビGPで最も多く優勝したドライバー、チームは?
アブダビGPについて考えると、コース改修の影響もあってか、フェルスタッペン(レッドブル)がルイス・ハミルトン(メルセデス)から最後の1秒で勝利を奪い、彼のキャリアで初めてF1年間チャンピオンになった2021年末の凄絶なレースを思い出すのではないだろうか。
しかし、ヤス・マリーナの「キング」と呼べるのはハミルトンである。旧レイアウトの特性を誰よりも理解していたこの元世界王者は、過去最多の5度の優勝を数える。2011年、2014年、2016年、2018年、2019年を制した。
メルセデスはハミルトンの功績以外にも、2015年のニコ・ロズベルグ、2017年のバルテリ・ボッタスにより計7度の優勝を誇り、2009年から2021年までの13大会の半分以上を制していることになる。
チームとしてはレッドブルも多くの結果を残している。セバスチャン・ベッテルは開催初期(2009年と2010年)と2013年にレッドブルのドライバーとして優勝。現在のレッドブルのファーストドライバーであるフェルスタッペンは、前述の2021年のレースとそれ以前の2020年にアブダビを制している。
メルセデスとレッドブル以外では、2012年のロータスだけとつけいる隙きがない。2022年は、フェルスタッペンが3連覇を果たし、レッドブルがレッドブルが6度目を制すか。それとも、ハミルトンが2019年以来6度目の優勝で、メルセデスが8度目のアブダビの栄冠をつかむのか。
もっとも昨季とは違い、今季の年間王者争いは、第18戦日本GPでマックス・フェルスタッペンがドライバーズチャンピオン、第19戦アメリカGPでレッドブルがコンストラクターズチャンピオンを制し、すでに決着済みだ。
レッドブル勢はマシンの不調に加えて、フェルスタッペンと僚友セルジオ・ペレスの間で順位禅譲を巡る軋轢も起きており、チームとしては不安を抱えている。F1ラストランとなるベッテルの存在や、前節ブラジルGPでのジョージ・ラッセルのF1キャリア初優勝のような、シーズンフィナーレを飾る驚きのドラマが起こるかもしれない。
F1アブダビGPの歴代優勝者
年 |
ドライバー |
チーム |
---|---|---|
2009年 |
セバスチャン・ベッテル |
レッドブル |
2010年 |
セバスチャン・ベッテル |
レッドブル |
2011年 |
ルイス・ハミルトン |
メルセデス |
2012年 |
キミ・ライコネン |
ロータス |
2013年 |
セバスチャン・ベッテル Scroll to Continue with Content
|
レッドブル |
2014年 |
ルイス・ハミルトン |
メルセデス |
2015年 |
ニコ・ロズベルグ |
メルセデス |
2016年 |
ルイス・ハミルトン |
メルセデス |
2017年 |
バルテリ・ボッタス |
メルセデス |
2018年 |
ルイス・ハミルトン |
メルセデス |
2019年 |
ルイス・ハミルトン |
メルセデス |
2020年 |
マックス・フェルスタッペン |
レッドブル |
2021年 |
マックス・フェルスタッペン |
レッドブル |
2022年 |
開催前 |
- |