「めちゃくちゃ疲れた」
それが、ダラス・マーベリックスのルカ・ドンチッチの最初のリアクションだった。その若いキャリアにおける有数のパフォーマンスというだけでなく、NBAの歴史で最も独特なパフォーマンスのひとつを披露してのリアクションだ。
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12月27日(日本時間28日)、オーバータイムの末にマーベリックスがニューヨーク・ニックスに126-121で勝利したテキサス州ダラスのアメリカン・エアラインズ・センターでの一戦で、ドンチッチは偉大なパフォーマンスを見せた。60得点、21リバウンド、10アシスト、2スティール、1ブロックを記録したのだ。
- 60得点でダーク・ノビツキーを上回り、球団の1試合最多得点記録を更新
- 自己最多21リバウンドでリーグ史上初の60得点&20リバウンド超トリプルダブル達成
- 10アシストを記録し、自身通算52回目のトリプルダブルを達成
しかも何より、ドンチッチは第4クォーター残り26.8秒で9点のビハインドを背負っていたマーベリックスが、オーバータイムの末に勝利する奇跡的な逆転劇にも貢献した。
マーベリックスが3点を追っていた第4Q残り4.2秒、ドンチッチは2本のフリースローを獲得。1本目を沈めると、2本目を意図的に失敗する。マーベリックスの選手がリバウンドを拾い、スコアをタイにすることを願ってのことだ。
そしてそのリバウンドを拾ったのは、ほかならぬドンチッチ自身だった。
自らリバウンドを拾ってそのままショットを決めたドンチッチは、オーバータイムのマーベリックスの11得点中7得点をマーク。フィールドゴール31本中21本成功を記録した。
ノビツキーの21年にわたるキャリアを最前列で見てきたマーベリックスのオーナー、マーク・キューバンは「ドンチッチの偉大さを目にしている。こんなの見たことがない」と投稿している。
60得点をあげてのトリプルダブルは、2018年に当時ヒューストン・ロケッツに所属していたジェームズ・ハーデンの60得点、10リバウンド、11アシストに続き、NBA史上2人目の記録だ。
50得点をあげてのトリプルダブルでさえ、まれなことなのだ。これまでに達成したのは6選手のみ。そしてその中で20リバウンドも記録したのは、ウィルト・チェンバレン(2回)とエルジン・ベイラーしかいない。
ただ、この試合で最も印象的なスタッツは、ドンチッチの個人パフォーマンスと関係ないかもしれない。この日までの過去20シーズン、試合残り35秒を切って9点のビハインドを背負っていたチームの戦績は、0勝1万3884敗だったのだ。
原文:Mavericks star Luka Doncic posts historic triple-double in historic comeback(抄訳)