JJ・レディックのレイカーズ新指揮官就任を評価:レブロンらを指導するのに適任か?

2024-06-21
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(NBA Getty Images)

『ESPN』のエイドリアン・ウォジナロウスキー記者によると、ロサンゼルス・レイカーズが新ヘッドコーチにJJ・レディックを招へいした。

レディックはプロで初の指導となる。NBAで指揮をとった経験はない。それでも、レディックはバスケットボール界で最も尊敬されている識者のひとりとなった。現役時代にNBAで15年プレイしたレディックは、ESPNのNBAアナリストになり、ポッドキャスト『The Old Man and the Three』と『Mind the Game』を通じてゲームの知識を磨いてきた。後者はレブロン・ジェームズと共同ホストで行っているポッドキャストだ。

レディックはレイカーズのヘッドコーチとして適任なのか。『スポーティングニュース』が評価する。

JJ・レディックのレイカーズ新ヘッドコーチ就任を評価

レディックは当初からレイカーズの主なターゲットとうわさされていた。

報道によると、レイカーズはレディックが「パット・ライリーのような」指揮官になるポテンシャルを持つと考えている。『The Athletic』のシャムズ・シャラニア記者とヨバン・ブーハ記者によれば、当面は39歳のレディックが率いていくことを期待しているとのことだ。

現在と未来を考慮した上で、レディックの招へいはレイカーズにとって大きく理にかなっている。

まずは現在を見てみよう。オフシーズン最大のポイントは、支柱であるジェームズの去就だ。来季の契約は年俸5140万ドル(約81億7260万円/1ドル=159円換算)のプレイヤーオプション。無制限フリーエージェントになる可能性もある。すべての兆候はジェームズが残留すると示しているが、友人であり、ポッドキャストの共同ホストであるレディックの招へいは、ジェームズとの契約をスムーズにさせる役に立つだろう。

ジェームズがレディックと個人的な関係を深め、非常に敬意を払っていることは明らかだ。何かしらのかたちでジェームズが認めていなければ、レイカーズがレディックを候補として進めることはなかったはずだ。

NBAで指導した経験を持たない1年目の指揮官に懸念があるのは当然だ。実際にチームを率い、人材を管理し、ローテーションを操り、ゲームプランをつくるのは、テレビやポッドキャストでそういったことを語るのとは違う。

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その点が、レディックにとって最も厳しい試練のひとつとなる。だが、レイカーズは、現役時代の経験からシームレスな移行となることを願わなければならない。

(Getty Images)

一方、将来に関しては、レディックは現在のNBAとリーグの方向性を深く理解している。レディックの番組や分析から、リーグで使われている攻守の戦略や、人材の強みと弱みを把握しているのは明らかだ。

また、レディックの適応力は、ボストン・セルティックスのジョー・マズーラやオクラホマシティ・サンダーのマーク・デイグノートのような、NBAで尊敬されている若手コーチたちと同じように、ジェームズ&デイビスの時代以降もレイカーズを前進させるのに役立つだろう。

レディックにとって最も大きな挑戦となるのが、レイカーズの指揮官としてジェームズを指導することへの大きな重圧に耐えられるかどうかだ。これ以上注目されるところはない。ジェームズの引退までの時間は少なくなっており、レイカーズはタイトル獲得か、終わりに向かうかが見込まれる。

現役時代にMVPを2回受賞し、歴代最高級の司令塔だったスティーブ・ナッシュも似た経験をしている。ブルックリン・ネッツで初めて指揮をとり、将来殿堂入りする大物選手3人を指導することの大変さを学んだ。優勝やNBAファイナル進出に届かなければ、それだけで仕事を失うかもしれない。

その上で、レイカーズはレディックが準備を整えており、球団を変える可能性があると感じていなければならない。

レイカーズは2011年にフィル・ジャクソンが引退して以降、13年で7人の指揮官が入れ替わってきた。彼らは、それを止める候補を手に入れたと考えている。

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原文:Grading Lakers hiring JJ Redick: Is former NBA player the right coach for LeBron James, Anthony Davis?(抄訳)
翻訳:坂東実藍