セルティックスを優勝王手に導いたテイタム&ブラウンのプレイ:マーベリックスを苦しめた調整

2024-06-13
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Getty Images

NBAファイナル2024でボストン・セルティックスが3勝0敗とリードした大きな理由のひとつが、彼らのゲームプランだ。彼らはあえてルカ・ドンチッチを、そしてそれよりは少ないがカイリー・アービングを、それぞれアタックしている。そしてこの2選手は、1on1のマッチアップやヘルプであまりうまく耐えられていない。

第3戦の後半、セルティックスのジョー・マズーラ・ヘッドコーチは、何度も彼らに対して同じプレイを仕掛けることで、2人に最大限のプレッシャーをかけた。セルティックスは異なる5つの方法で得点をあげ、ドンチッチとアービングの守備のもろさを露呈させたのだ。マーベリックスの守り方を利用したハーフタイムの素晴らしい調整だった。そしてそれが試合の流れを変えたのである。

プレイ:コーナーを空けてテイタムとブラウンのピック&ロール

NBAでよく使われるアクションだ。攻撃の選手が誰もコーナーにいない状態でピック&ロールをするプレイである。

Steph Noh

セルティックスはジェイソン・テイタムがピック&ロールでスクリーンをかけるこのプレイで後半を始めた。マーベリックスがスクリーンでスイッチすることを知っていたから、テイタムとアービングのミスマッチをつくらせたのだ。

そしてデリック・ホワイトはジェイレン・ブラウンにパスを出す。これを受けたブラウンには、テイタムがイージーなレイアップを決められるようなパスを出す角度があった。

その後、セルティックスは4回連続で同じプレイをしている。アービングとドンチッチがテイタムとブラウンを守らなければいけなくなるようにしたのだ。そしてその都度、彼らは相手の弱点を見つけた。

重要性

第3戦でドンチッチは守備のまずさを大きく批判された。『ESPN』のブライアン・ウィンドホースト記者に「受け入れがたい。コート上の穴だ」とまで評されている。

この指摘は正しい。だが、それに至る前後関係もある。セルティックスがドンチッチに最大限のプレッシャーをかけるために、ハーフタイムに素晴らしい調整をしたということだ。ドンチッチは多くのプレイで守備を強いられ、疲弊させられ、最後は残り4分強でファウルアウトすることになった。

マズーラHCは昨季就任してから批判を浴びてきた。だが彼は、ウェスタン・カンファレンス・ファイナルでミネソタ・ティンバーウルブズが見つけられなかった、ドンチッチとアービングをアタックする賢い方法を見つけたのだ。攻撃でチーム最高の2選手が、マーベリックスの最大の弱点となる2選手を攻められるようにした手腕は、大きな賛辞に値するだろう。

コーナーを空けてのピック&ロールは、NBAファイナルにおける重要な調整となった。それがセルティックスに18回目の優勝をもたらすかもしれない。

原文:Jayson Tatum and Jaylen Brown targeted Luka Doncic and Kyrie Irving's defense over and over with this one play(抄訳)
翻訳:坂東実藍