ルーキーランキング、首位はシーズン通じて見事なジャ・モラントで変わらず

2020-07-24
読了時間 約4分

不確実なことばかりの今シーズンだが、ひとつ慰めとなるのは、新人王に関しては疑いがないということだ。

もちろん、開幕から44試合欠場したが、1月22日(日本時間23日)に復帰して以降、19試合で見事なバスケットボールを見せたニューオーリンズ・ペリカンズのザイオン・ウィリアムソンと主張することもできる。

ウィリアムソンは素晴らしかった。平均23.6得点と6.8リバウンドで1年目を終えようとしている。だがひとつ、大事なスタッツで最低に近い。出場試合数だ。

ウィリアムソンにとって、19試合は少なすぎる。たとえオーランドでの試合が投票に考慮されていたとしても、彼の立場を強められるほどではなかっただろう。

ザイオンがひざの負傷を治療している間に、メンフィス・グリズリーズのジャ・モラントは、全国の注目を集めていた。ドラフト全体2位で指名されたモラントは、しびれるようなプレイを見せつつ、冷静でもある。リーグ有数の第4クォーターのシューターとなり、とんでもないダンクや、エネルギッシュで自信あふれるプレイを見せてきた。

それも、彼はグリズリーズでプレイオフに出場しようとしながらそれらのすべてをやってきた。どんな新人も、モラントに触れることさえできないほどだ。

この不思議なシーズンで未知のことはたくさんあった。だが、ひとつ確かなのは、モラントが新人王ということだ。

23日(同24日)付のルーキーランキング、上位は以下のとおり。

1. ジャ・モラント(メンフィス・グリズリーズ/前回1位)

グリズリーズはウェスタン・カンファレンスの8位でシーズン再開を迎える。だが、最後のプレイオフの座を競うチームは多い。幸いにも、モラントはこのルーキーシーズンであらゆる挑戦を歓迎してきた。そして、彼が引き下がらないことを証明してきた。

開幕前はロッタリーチームになるとみられていたグリズリーズだが、それをモラントは変えた。59試合で平均17.6得点は新人2位。6.8アシストは首位だ。フィールドゴール成功率49.1%、3ポイントショット成功率36.7%を記録している。

だが、数字よりも、モラントはグリズリーズを変えた。彼の自信と恐れのなさ、特に第4Qでの大活躍は、街の息を吹き返させ、ファンを熱狂させ、彼をスターに変えた。ウェストで8位となれば、モラントの新人王にふさわしいシーズンを締めくくるのに完璧なかたちだ。

2. ケンドリック・ナン(マイアミ・ヒート/前回2位)

 

多くの人がザイオンを2位に投票するはずだが、ナンはそれ以上にふさわしい。62試合すべてに先発出場し、平均15.6得点、FG成功率44.8%(3P成功率36.2%)。ルーキー最大のサプライズのひとりだった。

2018年のドラフトで指名されず、NBA Gリーグで1シーズンを費やしたナンは、サマーリーグで力強さを見せ、33歳のゴラン・ドラギッチを先んじて手綱を託されてからもスローダウンせず。ヒートの新たな得点オプションとなり、41勝24敗のチームをけん引する助けとなった。

4月にナンは「みんな(モラントが)新人王だと言うだろうけど、僕は信じない」と話している。「最も価値あるのは勝利であるべき。僕らはともに先発ガードで、僕らはプレイオフのチームだ。新人王はケンドリック・ナンに投票さ」と。

モラントはグリズリーズをプレイオフへ導こうとしているだけに、そこまではできない。だが、その目を見開かせるようなルーキーシーズンを過ごしたナンは2位にふさわしい。

3. ザイオン・ウィリアムソン(ニューオーリンズ・ペリカンズ/前回3位)

 

Scroll to Continue with Content

シーズン全体を振り返られるようになり、ウィリアムソンの限定的なアクションが、あまりにも乗り越えるのが難しいハードルなのは明白だ。ナンのように62試合で先発出場した選手を上回るのに、出場19試合は不十分である。それでも、その19試合でザイオンがやったことは、トップ3に含めるには十分だ。

最初から圧倒的だったウィリアムソンは、シーズンが停止した時、良くなる一方の様子だった。彼は平均23.6得点、6.8リバウンド、FG成功率58.9%でシーズンを終える。ペリカンズを変え、彼らをウェストでプレイオフの最後の一枠を競う位置へと導いた。ザイオンの今後は明るい。彼の将来に武器はあるかもしれない。だが、今季ではないだろう。

4. コービー・ホワイト(シカゴ・ブルズ/前回4位)

 

浮き沈みのあるシーズンだったが、新人としてブレイクした今後最も有望なガードのひとりとなり、力強くシーズンを終えた。終盤の9試合のうち8試合で20得点超を記録。オールスター以降の平均24.7得点は、新人ではウィリアムソン(25.2得点)に次ぐ数字だ。FG成功率は46.8%(3P成功率40.7%)。シーズン全体ではFG成功率39.4%、3P成功率36.5%と心配な数字だが、彼はゲームチェンジャーとなった。ザック・ラビーンはこう話している。

「自分が見てきたなかで、新人として最高のトレーニングキャンプをした選手だ。多くの人に言ってきた。確かに浮き沈みがあったし、NBAで自分のプレイをすべて見せられない時もあった。でも、多くの選手が経験していることだと思う。だが、最後の15試合、そしてその前から、彼は何度も規格外なところを見せている。彼は生きる火炎放射器さ。ポテンシャルは制限がない。彼とのプレイはワクワクする。僕たちのバックコートは相手にとって問題になれると思うよ」。

5. RJ・バレット(ニューヨーク・ニックス/前回5位)

 

トップ5最後のひとりを選ぶのに、八村塁(負傷で23試合欠場)ではなくバレットにするのは難しい選択だった。だが、バレットは直近で成長の兆しを見せている。シーズン全体でバレットは新人4位の平均14.3得点、同5位の5.0リバウンドを記録。FG成功率は40%を上回り、3月は44.8%だ(3月は平均18.7得点)。

バレットとニックスにとってタフなシーズンだったが、ポテンシャルはある。彼の成長がファンの希望となるはずだ。


その他の注目選手

八村塁(ワシントン・ウィザーズ)
41試合出場、平均13.4得点、6.0リバウンド、1.7アシスト、FG成功率47.8%、3P成功率27.4%

タイラー・ヒーロー(マイアミ・ヒート)
47試合出場、平均12.9得点、4.0リバウンド、1.9アシスト、FG成功率41.4%、3P成功率39.1%

エリック・パスカル(ゴールデンステイト・ウォリアーズ)
60試合出場、平均14.0得点、5.0リバウンド、2.6アシスト、FG成功率49.7%、3P成功率28.7%

ブランドン・クラーク(メンフィス・グリズリーズ)
50試合出場、平均12.0得点、5.8リバウンド、1.4アシスト、FG成功率62.3%、3P成功率40.4%

ディアンドレ・ハンター(アトランタ・ホークス)
63試合出場、平均12.3得点、4.5リバウンド、1.8アシスト、FG成功率41.0%、3P成功率35.5%

原文:Kia Rookie Ladder: Season-long excellence nets Ja Morant our Kia ROY vote by Drew Packham/NBA.com(抄訳)​


NBA公式動画をチェック!