ウォリアーズのレブロン・ジェームズ獲得は可能か カリーとのコンビ実現の必要条件や障害は?

2024-02-15
読了時間 約3分
(NBAE via Getty Images)

NBAのどのチームも、レブロン・ジェームズをロスターに加えることに関心があるだろう。だが、ゴールデンステイト・ウォリアーズが興味を抱いていることは公になった。『ESPN』のエイドリアン・ウォジナロウスキー記者とラモーナ・シェルバーン記者が、ウォリアーズがジェームズのトレードに動いたことを報じたのだ。

オファーはすぐにジェームズとレイカーズに断られた。だが、NBAの世界は常に変わっていくものだ。ジェームズは夏に5140万ドル(約77億6140万円/1ドル=151円換算)のプレイヤーオプションを行使するか決めることになる。その夏にウォリアーズが再び彼の獲得を試みた場合、ステフィン・カリーとのコンビが実現する可能性はどれくらいだろうか。

ウォリアーズはロスターが高齢かつ高額で、財政的に不安定な立場にある。リーグの新労使協定と複雑なセカンドエプロンで、より厳しくなった一連の規則もある。それでも、本人が関心を抱くなら、ジェームズのウォリアーズ移籍は実現するかもしれない。ジェームズは以前、『The Shop』で、息子ブロニーの次に一緒にプレイしたいのはカリーだと言っている。

ここでは、そのコンビが実現する可能性を見ていこう。

どうやってウォリアーズはレブロン・ジェームズを獲得できるか

レブロンがオプトインしてウォリアーズにトレード

ジェームズがオプションを行使し、ウォリアーズへのトレードを要求する可能性はある。その場合、5140万ドルの年俸に加え、レイカーズの協力を得るために、取引に資産を含めなければならないのは明らかだ。

おそらくウォリアーズは来季のクリス・ポールの年俸3000万ドル(約45億3000万円)を保証する必要があるだろう。レイカーズが関心を抱くなら、アンドリュー・ウィギンズの2630万ドル(約39億7130万円)が代わりになるかもしれない。ケボン・ルーニーの無保証の年俸800万ドル(約12億800万円)も、より小さい規模の満了を迎える契約として使えるかもしれない。

フリーエージェントになるクレイ・トンプソンをこういった取引に含めることはできない。セカンドエプロンのために、ウォリアーズはサイン&トレードを用いるができないからだ。

また、ウォリアーズはドラフト指名権か若手選手も加えなければならないだろう。ジョナサン・クミンガ、モーゼス・ムーディー、ブランディン・ポジェムスキー、トレイス・ジャクソン・デイビスなど、若手有望株には事欠かない。

現在ウォリアーズがトレードに使えるドラフト1巡目指名権は、2028年のひとつだけだ。ドラフト後は2026年のもうひとつの指名権も可能となる。また、2027年、2028年、2029年、2030年の指名権交換権も提示できる。

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契約満了を迎える選手たちを含めるのに考え得る条件は、ポール、ルーニー、ギャリー・ペイトン二世だ。ペイトン二世については、プレイヤーオプションをオプトインする必要がある。直近のウォリアーズでチーム2番手のクミンガ、そしてドラフト指名権をレイカーズが求めることはほぼ確かだ。

レブロンが大幅な減俸を受け入れ

契約最終年をオプトアウトした場合、ジェームズは無制限FAとなる。この場合、彼と契約する道はもっとはるかに実現可能性が低くなりそうだ。

ウォリアーズには、夏にビッグネームと契約するためのサラリーキャップの空きがない。新たなセカンドエプロンのルールにより、タックスペイヤー・ミッドレベル例外条項もない。ジェームズとの契約は、せいぜい年俸300万ドル(約4億5300万円)強となる。

ジェームズはNBAドラフト2024にエントリーするかもしれない息子ブロニーと一緒にプレイするために、このオフシーズンは減俸もいとわないとの憶測がある。多くのキャリア終盤のベテランのように、優勝リングを目指して減俸する可能性はある。しかし、ウォリアーズでプレイするために約5000万ドル(約75億5000万円)の減俸というのは、やや現実的ではないかもしれない。

最低限の契約でジェームズを獲得する道がさらに困難なのは、彼にとって一番の理由となるのがブロニーとチームメイトになることだからだ。ウォリアーズにはNBAドラフト2024で1巡目指名権も2巡目指名権もない。ブロニーを指名するにはトレードしなければならないのだ。

ウォリアーズがレブロン・ジェームズを獲得する最も現実的な道

これまでのシナリオはいずれも、ジェームズがウォリアーズに加わる上で最も重要な条件を考慮していない。本人が望むかどうかということだ。実現させるには、ウォリアーズが優勝可能であることを示し、レイカーズに希望がないように見える必要がある。

ウォリアーズのファンにとって朗報は、チームがそれを実践していることだ。ドレイモンド・グリーンがラインナップに復帰してから、ウォリアーズは2月14日(日本時間15日)のロサンゼルス・クリッパーズ戦の前まで、8試合で7勝をあげている。ただ、レイカーズも6試合で5勝と悪くない。

彼らはどちらもプレイオフで危険なチームだ。プレイオフでうまくやったチームが、来年ジェームズをロスターに置く可能性を大きく高めるだろう。

原文:LeBron James to Warriors pathways and obstacles: How Golden State can acquire Lakers star in 2024 offseason(抄訳)
翻訳:坂東実藍