2020年オフシーズンにフリーエージェントになる注目ディフェンシブプレイヤー

2020-11-08
読了時間 約3分

ファンがフリーエージェントになる選手を評価する場合、まずオフェンスのスキルについて考えることが多い。

3ポイントショットと守備に優れる3&Dプレイヤーが重宝され、オフェンスの総合力が重視されている現代だからこそ、今年のオフにFAになる選手の守備力に注目したい。

いつからFA選手との交渉が解禁されるかは未定だが、そう遠くはないだろう。今年FAになる選手の中で、特に守備に優れる選手を紹介したい。

リムプロテクター

サージ・イバカ(トロント・ラプターズ)

今年のFA市場で注目される選手の一人は、31歳ながらラプターズで再び評価を上げたイバカだ。

オクラホマシティ・サンダー時代からショットブロッカーとして活躍しているイバカは、得意な分野で徐々にスタッツを落としている。昨季のブロック率は3.0で、1試合平均0.8ブロックだった。イバカが1試合平均1.0ブロックをした回ったのはキャリアで初めてだった。

ボックススコアでは多少の落ち込みがあったとしても、『NBA.com』によれば、イバカはリムから6フィート(約1.8m)以内で対戦相手のフィールドゴール成功率を51.5%に抑えている。まだまだペイント内で違いをもたらせる存在だ。

ドワイト・ハワード(ロサンゼルス・レイカーズ)

複数のチームを渡り歩き、もう復活は見込めないと言われたドワイト・ハワードが、NBAのチャンピオンになった。

レイカーズではチームメイトにとって模範的な存在になり、まだリーグでやれるだけの力を示した。キャリア序盤は先発出場が当たり前だった彼も、レイカーズではシーズンの大半をベンチから出場し、1試合平均18分程度のプレイタイムだった。それでも守備で違いを生み出し、伝統的なビッグマンを擁するチームとの対戦では効果的だった。

昨季は1試合平均1.1ブロックで、ブロック率は2010年以降ベストの5.4を記録した。もうオールスターレベルではなくても、仮にレイカーズと再契約を結ばなければ、優勝を狙えるチームで重要な役割を担える。

ハッサン・ホワイトサイド(ポートランド・トレイルブレイザーズ)

ハッサン・ホワイトサイドの選手としての価値は、いかほどだろうか?

マイアミ・ヒート時代に大型契約を勝ち取りながら、チームに悪い影響を及ぼす選手というレッテルを貼られてしまった。ただ、しっかりプレイにかかわる場合、守備で違いをもたらすことができる。

昨季はリムから6フィート以内で対戦相手のフィールドゴール成功率を49.5%に抑えた。これは、ユタ・ジャズのルディ・ゴベアよりわずか1.1%多い数字だ。

ナーレンズ・ノエル(オクラホマシティ・サンダー)

『Basketball-Reference』は、彼に『The Eraser』、『Nerlen Wall』というニックネームを付けている。

これは彼の守備力の高さに関係している愛称で、2013年のドラフト全体6位で指名された当時の期待には応えられなかったものの、サンダーではベンチからチームにエネルギーを与えられるビッグマンとして活躍した。

昨季は平均2.3ブロックを記録したノエルは、相手のトランジションオフェンスをブロック、あるいはボールの軌道を変えることで防げる。今年FAになる選手の中で注目度は低いかもしれないが、関心を持つチームは現れるはずだ。

ウィング

ジェイ・クラウダー(マイアミ・ヒート)

ポストシーズンで快進撃を見せたヒートにおいて、クラウダーは3Pを決め続けた。しかし、彼の最大の長所はディフェンスだ。サイズ、パワー、身体能力のコンビネーションにより、守備で強力な武器になれる。

プレイオフでは、ヤニス・アデトクンボ、ジェイソン・テイタム、レブロン・ジェームズという3人のオールスターと対峙し、優勝を狙えるチームに何をもたらせるかを証明した。

2月のトレードデッドライン前に加入後即インパクトを残したことで、ヒートも再契約を希望しているだろう。それが実現するかどうかは、コスト次第だ。

ジャマイケル・グリーン(ロサンゼルス・クリッパーズ/プレイヤーオプション)

ジャマイケル・グリーンは、クリッパーズでは過小評価された選手の一人だ。

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1試合平均20分近くプレイしたとしても、カワイ・レナード、ポール・ジョージ、モントレズ・ハレルが試合の大半を通して彼が好むポジションでプレイすれば、おのずと評価も下がってしまう。

203cm、103kgもの体躯があれば、自分より大柄な選手あるいは小柄な選手とマッチアップしても守備とリバウンドで対応できる。昨季は出場した時間の91%をパワーフォワードのポジションでプレイし、残りはスモールボール時のセンターで起用された。

2021年は480万ドル(約4億9000万円)のプレイヤーオプションを保持しているため、レナードとジョージが中心の2年目に残るかどうか、まもなくわかる。

ウェスリー・マシューズ(ミルウォーキー・バックス/プレイヤーオプション)

退団したマルコム・ブログドンの代わりに先発に起用されたマシューズは、ウィングでのストッパーとして重宝された。オフェンスでチームに勢いを与える役割を担う必要がなく、マイク・ブーデンホルザー・ヘッドコーチは、彼をジェームズ・ハーデン、カワイ・レナード、レブロン・ジェームズらスーパースターとマッチアップさせた。

34歳とはいえ、マシューズは来季の260万ドル(約2億7000万円)というプレイヤーオプション以上の価値がある。ただ、財政的に厳しいシーズンになるため、これ以上の金額を用意できるチームが現れるかどうかはわからない。

ガード

エイブリー・ブラッドリー(ロサンゼルス・レイカーズ)

チームメイトのラジョン・ロンドの存在もこのリストに加えるべきと考えたものの、レギュラーシーズンの試合があったことを忘れてはいけない。

ブラッドリーは再開後のシーズンに個人的な理由で参加しなかったが、それまではレイカーズのローテーションで重要な役割を担っていた。

昨季出場した49試合中44試合で先発に起用され、ペリメーター内での守備で貢献。『NBA.com』によれば、リムから15フィート(約4.5m)以内、あるいはそれ以上離れた位置で対戦相手のFG成功率を30.5%に押さえ込んだ。

フレッド・バンブリート(トロント・ラプターズ)

今年のオフは、ラプターズの動向に注目が集まるだろう。前述したイバカに加えて、球団初優勝に貢献したマルク・ガソルとフレッド・バンブリートも退団する可能性があるからだ。

2019年のプレイオフで評価を高めたバンブリートは、昨季も2ウェイガードとして高く評価された。このオフには高額な契約を結ぶのに値する力を見せつけたが、ラプターズが好条件を提示するかどうかはわからない。

もし来季もカイル・ラウリーとバンブリートのバックコートで戦えるのなら、ラプターズはイースタン・カンファレンスのトップ4を狙える。もし後者が退団すれば、イーストの上位争いからは脱落するかもしれない。

クリス・ダン(シカゴ・ブルズ)

苦しむチーム内で、クリス・ダンは去就が注目されているFA選手の一人だ。

オフェンスに関しては課題が多いとはいえ、守備での貢献は数字を見れば明らかだ。

ダンがプレイしている時間帯の100ポゼッションあたりの平均失点は103.6。これに対して同選手が出場していない時間帯の100ポゼッションあたりの平均失点は110.4。

トニー・スネル(デトロイト・ピストンズ)

ミルウォーキー・バックス時代に高額な契約を結んだトニー・スネルは、198cmながらもシューティングガードからパワーフォワードまで守れるリーチを誇っている。

あまり評価はされていないとはいえ、2021年の優勝候補のローテーションでプレイしていても不思議ではない。

原文:Who are the best defensive players in the 2020 free agency class? by Kane Pitman/NBA Canada(抄訳)


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