渡邊雄太「完全に僕のための、僕にシュートを打たすためのプレイ」|ニックス戦後一問一答(11月27日/現地26日)

2023-11-27
読了時間 約3分
(Getty Images)

フェニックス・サンズの渡邊雄太が11月27日(現地26日)にマディソン・スクエア・ガーデン(ニューヨーク州ニューヨーク)で行われたニューヨーク・ニックス戦後にメディアの取材に応じた。

この試合で渡邊は14分52秒間のプレイで3ポイントショット4本中2本成功、フリースロー2本中1本成功の7得点をマーク。試合はサンズがデビン・ブッカーの劇的な決勝点で116-113で勝利した。

以下、渡邊の試合後の一問一答(すべて日本語での質疑応答。質問は要約)。

今日本当にプレイできて良かった

――5試合ぶりの出場でチームの勝利に貢献した。試合勘などはどうだったか。

渡邊:試合勘は別に1週間くらいなので。ケガしないのに越したことはないですけれど、1週間は休むにはちょうど良いくらいの期間です。今日もあとは自分の痛み次第と言われ、痛み自体は全部取れているわけではないですけれど、プレイはできるかなと思ったので出場しました。実際プレイをしてみて感触は良かったですし、チームもこういう感じで勝てたので、今日本当にプレイできて良かったです。

――シュートは4本を打ち、1、2本目を成功させた。

渡邊:1本目に関しては完全にワイドオープンだったのであれは決めるべきシュート。
2本目はタイムアウト明けで、僕のためにコーチが用意してくれたプレイだったので、しっかり決め切れて良かったです。

3、4本目はコンテストが激し目に来ていましたが、それでもシュートタッチ自体は良かったですし、2本のうち1本は決めたかったなという感じですかね。

――ケビン・デュラントが不在でも連勝を継続できた。

渡邊:シーズン始まってからずっと言っていたのですが、1回連勝し出せば波に乗れていけるのは分かっていました。負けている時は負けパターンに入るというか、最近だったら4クォーターに逆転されてという場面が多くありました。

今はチームとして勝ち方が分かっているというか、そういう感覚を持っていると思います。今日もKDだけじゃなく、ブラッド(ブラッドリー・ビール)はずっと休みですけれど、グレイソン(・アレン)もいないなかで、メンバー的にはいつも得点してくれるメンバーがいないので大変ではあったのですが、全員がそれぞれの仕事をこなせたかなという感じです。

――フランク・ボーゲル・ヘッドコーチは渡邊選手のディフェンス面のIQを称えていた。自身の守備の手応えは。

渡邊:オフボールのヘルプの感覚だったりとか、どのタイミングでどこにいなきゃいけ
ないとかは身体に染みついているというか、昔から徹底されていて、本当に考えなくても身体が勝手に動く感じです。オンボールのディフェンスもちょっとずつ良くはなってきています。

もともと自分はめちゃくちゃ下手だとは思っていないけれど、このレベルで相手のエースに対してつけきれるほどのレベルはまだないので、そういう部分で次は信頼を勝ち取れるようにしたいと思います。

完全に僕のための、僕にシュートを打たすためのプレイ

――自身のためにプレイがデザインされてのシュート。そういうところにもチームからの信頼を感じるか。

渡邊:そうですね。去年のブルックリン(・ネッツ)でもファーストオプションで別の人が攻め、無理だったらユウタがコーナーにいるからそこにパスとか、そういうプレイはあったんですけど、完全に僕のための、僕にシュートを打たすためのプレイっていうのは今までの5年間、僕の記憶では1回もなかったです。

――今回が初めてだったのか。

渡邊:いや、プレシーズンでやってくれたりとか、あとは今シーズンを通して何回か、タイムアウト明けに僕のためのプレイをやってくれたりしました。そこでしっかり決め切れれば次また、やってあげようという気持ちになるのでしょう。

実際に後半、同じプレイをもう1回、コーチがコールしてくれたんですが、さすがに相手に読まれ、そのプレイではボールももらえませんでした。でもそれによって別の選手が空いたりもします。しかも(2本目の3Pの)ああいうランニングの形っていうのは自分が課題にしていた部分なので、しっかり決め切れてよかったと思います。

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――ブッカーの最後のショットはどう思ったか。

渡邊:あれはクレイジーでしたね。彼が同じチームで嬉しいです。素晴らしいショットでした。ゲームを通じて、彼だけでなく、みんなが貢献したチーム全体の勝利でした。ただ、ブックの最後のショットはクレイジーでした。

――最後、ブッカーが決めたポゼッションでもコートに入ったが、あそこは何を意識していたのか。

渡邊:基本的に時間がないあの場面で、ああいう選手がパスするという選択肢はほとんどありません。ダブルチームに来られようが、最後は自分で打ってくれた方がチームのためにもなります。

僕の役割としては、僕がいることでスペースを広げるということ。そこでもしパスが来るんだったら、しっかりそれに向けての準備はもちろんしますけど、だいたいああいう時はKDだったり、ブックだったり、ブラッドが帰ってきたらブラッドだったりが、最後までしっかり打ち切るんで、僕が入ったのはスペースを広げるという意図だと思います。

去年ブルックリンで12連勝したが、それは超えたい

――去年のネッツ時代と似た流れで、序盤苦しむも連勝開始。良くなっているのはディフェンスか、慣れか、ケミストリーか。

渡邊:一番大きいのはやはりブックが帰ってきたこと。あとはそうですね、ケミストリーの部分。今までは一緒にプレイしたことがないメンバーばかりでしたが、17試合が終わって、それぞれの得意、不得意だったりとか、チームのコンセプト、スキームみたいなものを全員がそれぞれ理解してきていると思います。

小さなことが少しずつよくなっていった結果が連勝につながっています。去年、ブルックリンで12連勝とかした時期があったと思うんですけど、それは超えたいですね。

――戦力が整ってくるとチーム内の競争も激しくなるが、離脱中に焦りはなかったか。

渡邊:別に焦る必要もないのかな、と。自分がプレイタイムをもらえるからとかではなく、長いシーズンを通して、何かしらのケガは絶対あります。仮にケガをしてなくても、例えばこの間のユタ・ジャズとの試合で、後半は使ってもらえなかったこともありました。その日の調子によっていろんな選手を試し、その選手が良ければ、しばらくローテーションで使って、みたいなことになるのでしょう。

これだけ良い選手がそろってるなかで、プレイタイムの上下っていうのは絶対にあるので、そこに関してはもう自分がコントロールできることじゃないというか、気にしてもしょうがないのかなっていう部分です。仮にプレイタイムがなくても自分が使えないからではないと思いますし、その時のチームの状況に応じて色々変わると思うので、そこに関してはあんまり考えてないです。

――チームメイトの膝が当たった故障発生時、これほど長く休むことになると思ったか。

渡邊:少なくとも1週間はかかるとすぐにわかりました。直後は本当に痛かったですし、筋肉の奥深くまで達していたので、時間がかかると思っていました。

――誰の膝を浴びたのか。

渡邊:それは言いません(笑)。いや、メジー(チメジー・メトゥ)ですが、故意にやったわけではないですから。オフの日に、僕たちは(ピックアップゲームで)競い合っていました。(18日の)ユタでの1戦目、自分は10分しかプレーしなかったので、ゲームに参加すべきだと思ったんです。僕が彼をガードしていて、彼がリムにアタックしたときに起こりました。あれもバスケットボールの一部。何も悪いことはしていないし、僕もしていません。

――ニューヨークに来たのはいつ以来か。

渡邊:5月以来ですね。結局引越しも僕はここに来ずに、業者と知り合いに任せた形になったんで、(ネッツのプレイオフで)最後の試合に負けて以来です。特に本当に奥さんがニューヨークが大好きだったんで、今回も遠征についてきてくれて、本当にいろんなところに昨日からめちゃくちゃ歩き回ってますね。

取材・一問一答構成:杉浦大介


サンズは次戦、30日午前9時30分(現地29日)にオンタリオ州トロント(カナダ)のスコシアバンク・アリーナでトロント・ラプターズと対戦する。