トレードのアービングがネッツに言及 「見下されることがあった」

2023-02-08
読了時間 約2分
(NBA Entertainment)

ブルックリン・ネッツからダラス・マーベリックスにトレードされたカイリー・アービングが2月7日(日本時間8日)、南カリフォルニア大学でマーベリックスとの初練習に臨んだ。

練習後、アービングは「自分が許されるだけでなく、称賛してもらえる場所に行くのだと分かっている」と話した。

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「ブルックリンにいる時、このプロセスを通じて、本当に見下されることがあった」

なぜ、見下されたと感じたのだろうか?

アービングは「詳細はまた別の日に話せるだろう。僕は本当に、名前を出し、誰かに隠れて、メディアにいろいろとリークするような人間じゃないんだ」と述べた。

「特にこのエンターテインメントビジネスの中で、僕には健全な境界線が必要なんだ。フロントオフィスの誰に対しても個人的な反発はない。とにかく自分が受け入れたいということだ」

プレイオフ進出3回で2度のファーストラウンド敗退に終わったブルックリンでの3シーズン強は、様々な出来事が影を落とした。1年目の2019-2020シーズンは度重なるケガで出場わずか20試合。2020-2021シーズンは2度の離脱、2021-2022シーズンはニューヨーク市のCOVID-19(新型コロナウイルス)ワクチンの接種義務を拒み、ホームゲームの大半に出場できなかった。そして最後に、2022-2023シーズンは反ユダヤの映画を宣伝したことで8試合の出場停止処分を科された。

インスタグラムでの謝罪につながった直近の出来事を含め、関係破たんに至った自身の行動のいずれに対しても、アービングは後悔の念を示さなかった。反ユダヤの映画を宣伝した投稿はその後削除されている。

アービングは「削除はいつもしていることだ。コミュニティの誰に対しても敬意を欠いていない。僕は自分の人生を生きているだけだ」と話した。

「僕は自分らしくあるだけで、だから謝罪をした。自分の家族のことを大切に思っているからだ。僕の親族には、僕のことをとても大切に思ってくれるユダヤの人間がいる」

ネッツはオフシーズンにアービングのトレード要求を拒んだが、延長契約の合意に至らず、直近のトレード要求に応じた。スペンサー・ディンウィディー、ドリアン・フィニー・スミス、2029年のドラフト1巡目指名権(保護条件なし)、2つのドラフト2巡目指名権と引き換えに、アービングとマーキーフ・モリスをマーベリックスにトレードしたのだ。ネッツのスター選手であるケビン・デュラントは「違う結果を望んでいた」と話したが、アービングは両者が「ブラザー(兄弟)のまま」だと強調した。

マーベリックスでの初練習を終え、「すごく疲れている」と話したアービングだが、8日(同9日)のロサンゼルス・クリッパーズ戦でデビューを飾る計画だ。マーベリックスはルカ・ドンチッチがチームに合流するものの、右足かかとの打撲で直近の2試合を欠場した同選手はクリッパーズ戦も欠場予定とジェイソン・キッド・ヘッドコーチが話している。

キッドHCはドンチッチとアービングについて、「時間はかかるだろうが、ほかの選手たちほどではないと思う」と述べた。また、指揮官は「ルカのチームだと我々は理解している」と、オールスター選手同士の序列は明確としている。

「ルカのチームとなるだろう」

キッドHCは、レブロン・ジェームズ(クリーブランド・キャバリアーズ)、デュラント(ネッツ)、ジェームズ・ハーデン(ネッツ)といったスター選手たちとうまくかみ合ってきたアービングが、ドンチッチとも共存できるとの見解を示した。

指揮官は「カイリーにはカイリーらしくいてほしい」と述べている。

「コートに立ち、我々みんなが彼にできると知っているレベルのプレイをしてほしい。ルカはパーティーに加わるだろう。彼はそれだけ良い選手だ。彼が目立つか心配する必要はない。彼がステージを愛していることは、我々みんなが知っている」

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アービングはドンチッチと短いメールのやり取りしかしていないと明かした。だが、直接会えばより深くつながることができる見ている。まだ練習や試合で一緒になっていないが、アービングはドンチッチとのフィットに関して強気なようだ。

アービングは「共存やまとまりへの心配はない」と話した。

「僕は歴代有数の選手たち、史上最高の部類に入る選手たちとプレイしてきた。オリンピックやワールドカップで最高のチームたちと一緒だった。今回は初めて、ヨーロッパのすごいやつが支配するのを近くで見ることができる」

NBA有数のポイントガードだったキッドHCはアービングが憧れた存在だ。ゼネラルマネージャーのニコ・ハリソンとは、同GMがナイキ社にいたころからの強力な関係にある。こういった関係性がさらなる成長につながるだろうか?

アービングは「今の自分が思っている以上に後押ししてくれるだろう」と話した。

「人生のこの局面で、そういったメンターシップや導きが必要だと感じている。僕はもう、NBAを夢見る子どもじゃない。この空間で夢を見たくはないんだ。僕は勝ちたい。毎日偉大さの手本となる人たちと一緒に勝ちたいのさ。コート上のことだけじゃない。彼らのプロ意識や他人との接し方や関係だ。それは本物なんだよ」

マーベリックスは昨季、ウェスタン・カンファレンス・ファイナルでゴールデンステイト・ウォリアーズにスウィープ(4連勝)を許した。アービング加入は優勝争いに向けた次なる一歩として役立つのだろうか。2016年にキャバリアーズで優勝に貢献したアービングだが、以降はNBAファイナルにたどり着いていない。

アービングは「もちろん、優勝に向けて働くことが期待される」と話した。

「僕が優勝すると言うことはない。ただの言葉でしかないからね。それよりも、とにかくやって、どういう結果でも受け入れる」

ネッツとの延長契約交渉が行き詰まってトレードに至ったアービングは、夏のフリーエージェントで自分を残すことについて、マーベリックスと優先的に話すのか。再タッグに向けて後押したロサンゼルス・レイカーズのジェームズに感謝したアービングは、マーベリックスを長期的なパートナーと見ているのだろうか。

アービングは「焦らない。とにかく我慢だ。それらはなるようになり、それを受け入れる」と述べた。

「僕は平静を保ち、自分にコントロールできることをコントロールする。毎日コートで努力し、そういう姿勢をもたらす。そのことに集中するよ。ビジネス的な側面は無情だ。だから、気をそらされたくない。今のことに集中したい」

そういった流れが自分の成功、あるいは失敗に影響し得るということを、アービングはネッツでの日々で実際に経験したのだ。

2019年のオフシーズンにデュラントとネッツに加わったアービングは、「FAでネッツと契約したことの最大の教訓は、組織の背後にいる人たちを知ることができればよかったということだ」と話した。

「あそこに行った時の自分は、KD(デュラント)と一緒に夢を抱いていた子どもだった」

「僕たちは若い球団を優勝させたかった。僕はニュージャージー・ネッツのファンとして育ったんだ。彼らを応援している。でも、事態が変わり始め、フロントオフィスや周囲の人たちから透明性がなくなったら、そういう環境で人が快適でいられるものか、分からないな」

原文:Kyrie Irving: I was 'really disrespected' by Brooklyn Nets(抄訳)

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