明治安田生命J1リーグは7月7日から7月8日にかけて第20節を行う。ここでは、名古屋グランパス対横浜F・マリノス、ガンバ大阪対京都サンガF.C.の2試合について、オッズをもとに考察してみる。
■両試合の下馬評をチェック
まずは両試合の下馬評をチェックしよう。『遊雅堂』が発表しているオッズによると、名古屋vs横浜FMのカードはほぼ互角の数字となっている。ホームの名古屋がやや低い2.37倍、横浜FMの勝利は2.70倍、ドローに終わる場合は3.60倍というオッズになっている。
もう一方の関西ダービーはG大阪が優位のオッズとなった。G大阪の勝利は1.95倍、京都の勝利は3.60倍、ドローの場合は3.60倍だ。
両チームの状況を整理して、オッズの背景を考えてみよう。
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■激戦必至の首位攻防戦
2位につける名古屋と、首位を走る横浜FMの対戦。優勝争いを占う首位攻防戦だけに、激しく、またレベルの高い試合となりそうだ。
まずはホームの名古屋について。11勝3敗5分けの勝点38で、暫定ながら2位という状況だ。3位のヴィッセル神戸は勝点37、かつ1試合未消化のため、試合数が揃えば順位は入れ替わる可能性もある。
特筆すべきは、失点の少なさだろう。ここまでの総失点数はリーグ3位の16。1試合平均1失点以下に抑えられる、守備の固いチームだと言える。GKのランゲラックは元オーストラリア代表。ボルシア・ドルトムントでプレーした経験もある、リーグ屈指の守護神だ。日本代表経験を持つ藤井陽也、中谷進之介らを擁するディフェンスラインもハイレベルで、強固な守備ブロックを構築している。
安定した守備をベースに、素早く攻撃につなげるのが名古屋のスタイル。マテウス・カストロ、永井謙佑、キャスパー・ユンカーの3人が織りなすスピーディーなカウンターアタックの切れ味は非常に高い。特にユンカーは10得点と2ケタに乗せ、大きな存在感を放っている。総得点数27は横浜FMの42、神戸の37と比較すると少なく見えるが、それはチーム設計の違いによるもの。攻撃力で押し切るのではなく、あくまでも守備をベースに、蜂の一刺しで勝利を重ねるチームとなっている。
今シーズンは開幕から好調で、一時は9戦負けなしの期間もあった。5月から6月にかけては4連勝を達成。6月24日の第18節FC東京戦は0-2の完敗を喫したが、続く7月1日の第19節川崎フロンターレ戦は2-0で会心の勝利を収めた。川崎F戦はボール支配率36パーセントながら効率的にシュートまでつなげており、攻撃力のある横浜FM戦に向けても好材料の試合となっただろう。
横浜FMの戦績は13勝3敗3分け。リーグトップの総得点数が示すように、攻撃力が最大の売りというチームだ。ただし、総失点数21もリーグ6位タイと上位で、得失点差21はリーグ2位。攻撃に目がいくものの、攻守にバランスの取れたチームでもある。
迫力満点のアタッキングフットボールを牽引するのが、得点ランキングでトップを独走しているアンデルソン・ロペス。ここまで15ゴールを挙げて、2位の大迫勇也に3点差をつけている。スピード、パワー、テクニックのどれをとっても高次元で、シュートパターンも豊富。さらに直近5試合で8得点と、今まさに絶好調の選手だ。前節の湘南ベルマーレ戦でも2ゴールを決めている。
ロペス以外にも、アタッカーの質はリーグでも随一だ。エウベル、ヤン・マテウスはドリブル突破はもちろん、チャンスメイクや自ら得点を取ることも可能。さらにベンチには水沼宏太や宮市亮、マルコス・ジュニオールが控えており、ほかのクラブが羨むほどの陣容を揃えている。対戦相手に合わせて、幅の広い選手起用ができるのも横浜FMの強さだ。
チームとしても6連勝中と絶好調だ。この間、1得点に終わったのは6月24日の第18節サンフレッチェ広島戦のみで、それ以外はいずれも2ゴール以上を決めている。直近となる7月2日の第19節湘南戦では今シーズン4回目の4得点以上も達成した。今、最もノッているチームだ。
ともに好調同士で、勝敗を予想するのは難しい。名古屋優位のオッズとなっているのは、ホームアドバンテージを考慮しているからだろうか。名古屋は今シーズン、一度もホームで敗れていない。他方、横浜FMが喫した黒星はいずれもアウェイでのもの。この点に関して、わずかに名古屋優位の予想は妥当と言えるだろう。
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■同勝点で迎える関西ダービー
ともに勝点20、15位と14位で迎える関西ダービー。両者の成績はほぼ同様のものだが、オッズはG大阪優位を示している。どのような背景があるか、考えてみたい。
G大阪の戦績は5勝9敗5分け。総得点数は23、総失点数は34というスタッツだ。総失点数はリーグでもワースト3位で、守備面に不安を抱えているチームだと考えられる。実際に、無失点で終えた試合は19試合中わずか2試合のみ。さらに2失点以上を喫した試合が10試合あった。
しかし、直近に絞ると守備面の改善は顕著だ。現在は5試合連続で無敗を継続中。その中には4連勝も含んでいる。この間、失点はいずれも1点以下にとどめている。攻撃面の歯車も噛み合ってきたようで、これまで3試合しかなかった複数得点を、この5戦のうち4試合で達成した。前節は16位に沈む横浜FCを打ち崩せず、無得点に終わった。それでも、クリーンシートを達成し無敗を継続させている。
前半戦では5連敗、7試合勝ちなしといったどん底も味わったが、現在は間違いなく上昇傾向にある。直近5試合で負けていないチームは、G大阪のほかに横浜FMと浦和レッズしかいない。リーグで最も好調なチームの一つと言っても問題ないだろう。
そのG大阪と相対する京都も、現在の調子は決して悪くない。戦績は6勝11敗2分けで、総得点数は22、総失点数は29。G大阪と比較すると、総得点数はほぼ互角で、総失点数は京都のほうが上だ。2分けはリーグ最少タイで、11敗はリーグワーストの数字となっている。
京都もG大阪と同じように、前半戦で6連敗を含む8試合勝ち星なしという状況だった。しかし、第17節のアルビレックス新潟戦で3-1の勝利を挙げると、続く第18節横浜FC戦を2-1として連勝。第19節では鹿島アントラーズに0-0の引き分けに終わったが、現在3試合連続無敗と調子を上げてきている。
ここ3試合で特筆すべきは、パトリックの活躍だろう。新潟戦では交代出場から勝ち越しとなるチーム2点目、さらにPKで勝負を決める3点目をマーク。横浜FC戦は77分の投入から10分で、決勝ゴールをヘディングで叩き込んだ。勝負強さの光るストライカーにとって、対戦相手のG大阪は古巣でもある。特に注目の選手となるだろう。
ここまで見てきたように、どちらも下位グループにいるものの、最近の調子や内容は決して悪くない。その中で、5試合連続無敗と絶好調で、かつホームアドバンテージを持つという観点から、G大阪優位のオッズになったと考えられる。なお、両者の対戦はカップ戦を合わせてこれが今シーズン4回目。成績は京都から見て2勝1敗となっており、この点からは京都優位の傾向が感じられる。
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