女子サッカー最強国である米国代表チームがオーストラリアとニュージーランドで開催中のFIFA女子ワールドカップ2023で大会3連覇に挑んでいる。
世界中の強豪代表チームが米国を王座から引きずり落とすべく、虎視眈々と背後に迫っている。
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いくつかの国は米国との激戦の歴史を持つ。そして過去に米国から大きな勝利を挙げた経験もある。
決勝トーナメントで米国にとって最大の脅威になると予想される国トップ5を、歴史的経緯、現在のレベル、そしてFIFA女子ワールドカップを制する可能性から判断してみた。
FIFA女子W杯2023で米国代表チームの最大のライバルは?
かつての強敵だった中国とノルウェーは最近実力を落とし、今回のリストには入らない。今年の大会で優勝するチャンスが現実的であると思われる国に限ってランキングした。
5. 日本(FIFAランキング11位)
- 米国の対戦成績:30勝8分1敗
対戦成績からはそう見えないが、米国と日本のライバル関係は女子ワールドカップの歴史で大きな位置を占めている。引き分けとなった8試合のなかには女子サッカー史上最大の試合のひとつが含まれるのだ。2011年の女子ワールドカップ決勝戦、1-1の同点の後にPK戦で日本が米国を下した試合だ。PK戦の前に両チームが挙げた1点はどちらも延長戦に入ってからのものだった。
日本と米国はその後も僅差の試合をいくつも戦った。ワールドカップの翌年、アルガルヴェ・カップ2012では日本は米国から唯一のレギュレーション時間内での勝利を挙げた。その後の11試合中3試合で引き分け、米国が8勝している。
4. スペイン(FIFAランキング7位)
- 米国の対戦成績:3勝1敗
スペインのFIFAランクは7位に留まっているが、これほど多くの女子サッカー界のスーパースターを代表チームに集めた国を他に見つけることは難しい。
バロンドールを2度受賞したアレクシア・プテジャスがチームの中心となるが、彼女以外にも実力者がひしめくスペインは非常に危険なチームだ。現在のスター選手層からすると、スペインが米国の前に立ちはだかる可能性は大きく、両者の試合は壮大な見物になるだろう。
3. ドイツ(FIFAランキング2位)
- 米国の対戦成績:23勝7分5敗
合計の戦績では、米国はドイツに対して優勢な位置を占めてきた。しかし、米国はこのヨーロッパ強豪国から史上最も手痛い敗戦のひとつを喫したことがある。2003年のワールドカップ準決勝で、米国はドイツに3-0で惨敗したのだ。2015年大会準決勝では米国は2-0で勝利し、12年ぶりの雪辱を果たした。
米国とドイツは2022年11月に2度対戦している。5年ぶりの対戦であったが、スコアは合計で2-1、初戦はドイツが勝利し、3日後には米国が勝利した。
ドイツは2022年UEFA欧州選手権で惜しくも準優勝に終わり、現在のFIFAランクは2位である。その実力は折り紙付きで、ワールドカップ優勝の有力候補だ。決勝トーナメントで米国と対戦する可能性は極めて大きい。
2. イングランド(FIFAランキング4位)
- 米国の対戦成績:12勝2分5敗
イングランドは米国を倒すために必要なすべてを手にしている。米国と10試合以上を戦った国のなかでは、ノルウェー(29勝5分19敗)に次いで2番目に対戦成績が良い。イングランドは米国との試合のうち31.6%で敗戦を免れており、ノルウェーは40%だ。
もちろん、地政学上の要素も絡んでくる。米国とイングランドは友好国同士であるが、多くの局面でライバルでもあるからだ。
米国とイングランドが最後に対戦したのは2022年の親善試合で、そのときはイングランドが2-1で米国を下した。しかし、2019年のワールドカップ準決勝戦では米国がイングランドを倒している。互いの手の内を知りつくしている両チームの実力は拮抗している。
1. カナダ(FIFAランキング6位)
- 米国の対戦成績:53勝7分4敗
米国とカナダは特別な関係だ。同じ北中米カリブ海サッカー連盟(CONCACAF)に属する隣国同士であり、最近のワールドカップでもカナダは最強国である米国と好試合を展開し、ライバル関係は過熱している。米国が最も多くの試合を行った国はカナダだ。かつてのカナダは弱小国であったため、合計の戦績では米国が圧倒しているが、現在はその差はほとんどない。
カナダは現在のFIFAランクで6位につけている。ワールドカップ優勝を狙う資格は十分だ。
東京オリンピックでは米国はカナダに敗れ、この北米大陸の隣国が金メダルを獲得するところを見る羽目になった。今回のトーナメントで両チームが対戦すれば、米国はリベンジに燃えるだろう。
原文:Who is US women soccer team's biggest rival? USWNT top challengers for World Cup title
翻訳:角谷剛