「春男」から落合超えへ。ロッテの新主砲・井上晴哉

2018-10-30
読了時間 約2分

5年目にしてようやく本領発揮

今季、ロッテの井上晴哉は充実したシーズンを送った。

井上は2013年のドラフトで5位指名を受け、日本生命からロッテへ入団。5年目の今季は打率.292、24本塁打、99打点と印象的な活躍でチームに大きく貢献した。4年目までの通算打率が.223で通算本塁打数は4本だったことを考えると、その飛躍ぶりがよくわかる。

5年目にしてようやく結果を掴んだ井上だが、これまで全く期待をされていなかったわけではない。それを象徴するのが、ファンが彼につけた「春男」というあだ名だ。

 

監督・コーチとの二人三脚で、「春男」を脱する

井上はこれまで春先に調子を上げて期待を集め、夏からは成績をがっくり落とす、ということを毎年のように繰り返していた。そこでファンからは「春男」と呼ばれるようになってしまったのだった。

ところが、今季の井上は違う。5月末の時点で打率.232と例年のように春に輝くことはできなかったものの、6月に入ると調子が上向いた。

象徴的だったのは6月23日の西武戦。降りしきる雨の中、先発のボルシンガーが初回に3点を失う。降雨コールドの気配も漂う3回裏、井上はロッテファンで埋まる右翼スタンドへの豪快な満塁弾で4対3と試合をひっくり返し、一気に重苦しいムードを断ち切ってみせた。最終的に5回に降雨コールドが宣告され、この一撃が決勝打となった。さらに、翌24日には二塁打が出ればサイクル安打となる場面で本塁打を放ち、“サイクル超え”を披露した。

こうした活躍で、6月は月間打率.386、6本塁打、17打点を記録。さらに、7月は打率4割を達成し、7本塁打、23打点と6月を上回り初の月間MVPにも輝いた。春先にしか活躍しない、と言われていた井上にとっては大きな意味のある受賞だった。

井上が「春男」から一皮向けたのには、今季より指揮を執った井口監督と、同じく今季入閣の金森打撃コーチの存在が大きかった。

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日米通算295本塁打を誇る井口監督の「バットがホームベースの上を通るときだけ力を込める」というアドバイスが本塁打の増加に繋がり、金森コーチと取り組んだ「ボディターン」を意識したバッティングで打率が改善した、と井上は明かしている。

 

落合博満氏以来の30本塁打超えなるか?

新体制の下、プロ入り5年目で初めて結果を残した井上にとって、勝負の年はこれからだ。

大活躍を見せた選手には、他球団からのマークが一層集まる。その中で、厳しい攻め方をされることも多くなるはずだ。そこをクリアしてこそ、大打者への道が拓ける。

もちろん、追い風となりそうなこともある。今シーズンオフにZOZOマリンスタジアムが改修され、フェンスが数メートル手前に移動する。井上のような長距離砲にとってはホームランを量産しやすい環境になる。今シーズンの24本塁打を超える活躍が期待できそうだ。

なお、ロッテの日本人選手で30本塁打を達成した選手は1986年の落合博満氏まで遡る。当時の本拠地は川﨑球場で、千葉に移転後は誰ひとりとして達成できていない。

今シーズン大きな飛躍を見せた男が、未だに誰も超えられていないレジェンドに挑んでいく。

※数字は2018年シーズン終了時点


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