マラソン日本代表選考の流れ
2024年パリ・オリンピックのマラソン日本代表の座をめぐる争いは、2023年10月16日に行われたMGC(マラソングランドチャンピオンシップ)にて男子が小山直城(Honda)、赤﨑暁(九電工)、女子が鈴木優花(第一生命グループ)、一山麻緒(資生堂)の各上位2名が代表に内定した。残る男女各1枠はMGCファイナルチャレンジ(以下、ファイナルC)として2023年12月から2024年3月にかけて行われる男子3、女子2の指定大会の結果を受けて決定する選考方法である。
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残り1枠の決め方は?
昨年10月のMGC終了時点では男子3位の大迫傑(Nike)、女子3位の細田あい(エディオン)が代表筆頭候補だったが、選考基準ではファイナルCにおいて日本陸連が設定したファイナルC設定記録(男子2時間05分50秒、女子2時間21分41秒)を上回る選手が出てくれば、その中で最速の選手が代表に内定することになっている。
そんななか、女子は1月28日に行われた大阪国際女子マラソンでMGC7位の前田穂南(天満屋)が19年ぶりの日本新記録樹立となる2時間18分59秒の快走を見せ、ファイナルC設定記録を上回り、細田に代わり、残り1枠の代表筆頭候補に。そして女子の最終選考レースとなった3月10日の名古屋ウィメンズマラソンでは前田の記録を上回る選手が出なかったため、前田が女子マラソン代表3人目に内定した。
男子は、昨年12月の福岡国際マラソン、2月25日の大阪マラソン、3月3日の東京マラソンでは、ファイナルC設定記録の2時間05分50秒を上回る選手が出なかったため、MGC3位の大迫傑(Nike)がパリ五輪代表内定となった。
前回の東京五輪マラソン代表選考においては、男子は大迫、女子は一山がファイナルCでファイナルC設定記録を上回った最速選手となり、代表に内定した(※大迫は前回MGCも3位で代表筆頭候補だったが、ファイナルC対象の東京マラソンに出場した)。
MGCファイナルチャレンジ大会日程
男子
- 2023年12月3日(日) 福岡国際マラソン 終了
- 2024年2月25日(日) 大阪マラソン 終了
- 2024年3月3月(日) 東京マラソン 終了
女子
- 2024年1月28日(日) 大阪国際女子マラソン 終了
- 2024年3月10日(日) 名古屋ウィメンズマラソン 終了
MGCファイナルチャレンジ設定記録
- 男子:2時間05分50秒
- 女子:2時間21分41秒(※2時間18分59秒)
MGC ファイナルチャレンジ設定記録はJMC(ジャパンマラソンチャンピオンシップ)シリーズ第2期(2022年4月1日~23年3月)の最高記録を基準に、それより1秒速い記録としている。以下は基準のもととなった選手と記録。
女子は2024年1月28日の大阪国際女子マラソンで前田穂南(天満屋)がファイナルC設定記録を上回ったため、ファイナルC残り1レース(名古屋ウィメンズマラソン)でのパリ五輪代表内定条件は、前田の日本記録となっていた。
- 男子:山下一貴(三菱重工)2時間05分51秒(東京マラソン:2023年3月5日)
- 女子:細田あい(エディオン)2時間21分42秒(ロンドンマラソン:2022年10月2日/女子単独*1)
*1 MGC ファイナルチャレンジ対象大会は女子単独レースとなるため、女子の設定記録は女子単独レースの記録を基準とした。
パリ五輪マラソン日本代表内定者
男子
小山直城(Honda) ※MGC1位
赤﨑暁(九電工) ※MGC2位
大迫傑(Nike) ※MGC3位
女子
鈴木優花(第一生命G) ※MGC1位
一山麻緒(資生堂) ※MGC2位
前田穂南(天満屋) ※ファイナルC設定記録突破の最速記録のため
MGC 2023 成績
男子(上位8名)
1位 小山直城(Honda)2時間08分57秒 パリ五輪代表内定
2位 赤﨑暁(九電工)2時間09分06秒 パリ五輪代表内定
3位 大迫傑(Nike)2時間09分11秒
4位 川内優輝(AD損保)2時間09分18秒
5位 作田直也(JR東日本)2時間09分42秒
6位 堀尾謙介(九電工)2時間09分53秒
7位 井上大仁(三菱重工)2時間09分55秒
8位 大塚祥平(九電工)2時間09分56秒
女子(上位8名)
1位 鈴木優花(第一生命G)2時間24分09秒 パリ五輪代表内定
2位 一山麻緒(資生堂)2時間24分43秒 パリ五輪代表内定
3位 細田あい(エディオン)2時間24分50秒
4位 加世田梨花(ダイハツ)2時間25分29秒
5位 松下菜摘(天満屋)2時間25分57秒
6位 谷本観月(天満屋)2時間26分40秒
7位 前田穂南(天満屋)2時間27分02秒
8位 池田千晴(日立)2時間27分14秒