野球のダブルヘッダーとは|MLB・プロ野球での実施有無など解説

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Jul 2, 2024; Miami, Florida, USA; A bucket of baseball sits on the field before the game between the Boston Red Sox and the Miami Marlins at loanDepot Park. Mandatory Credit: Rhona Wise-USA TODAY Sports
Rhona Wise-USA TODAY Sports

メジャーリーグ中継を観ていると時より耳に入ってくる「ダブルヘッダー」という言葉がある。日本のプロ野球ではあまり馴染みのない言葉だが、どのような意味なのだろうか。ここでは野球におけるダブルヘッダーについて紹介する。


■ダブルヘッダーとは?

野球におけるダブルヘッダーとは、1つのチームが同じ日に2試合戦うことを指す。プロ野球や高校野球の公式戦などでは、通常、1チームが1日に行う試合数は1試合だ。しかし、天候や日程の都合などで2試合行わなければならない場合、ダブルヘッダーが行われる。

単純に2試合行うというだけでなく、選手の起用法や体力や戦術に与える影響も多く、ファンにとってもチームにとっても、いつもの試合とは異なる点が多くある。


■ダブルヘッダーのルールは?通常の試合との違いはある?

ダブルヘッダーを開催する際でも、野球のルールは通常の試合とは変わらない。ただし、リーグやカテゴリーによっては9イニング制のところを7イニング制にする場合もある。


■なぜダブルヘッダーを行うのか?

メジャーリーグでは試合が雨天中止になった場合にダブルヘッダーを採用することが多い。未消化の試合をなるべく持ち越さないよう、雨天中止になったら翌日やカードの最終戦などをダブルヘッダーとするのだ。

一方、日本のプロ野球では雨天中止になった場合、もともと設定されている予備日がない場合、シーズン終盤に再度試合日を設定することになることが多い。そのため球団によって消化した試合数の差が開くこともある。

かつては地方開催の日曜日などにダブルヘッダーが組まれることもあったが、近年はそういったケースもなくなっている。

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■なぜプロ野球ではダブルヘッダーがなくなったのか?

プロ野球で最後にダブルヘッダーが行われたのは、1998年10月のことだ。ダブルヘッダー自体が禁止になったわけではないが、行われなくなったのにはいくつか理由がある。

1980年代前半までは、地方開催の日曜日などに、初めからダブルヘッダーが組まれることもあった。しかし1980年に日本プロ野球選手会が設立され、選手の負担やコンディションなどから、1日1試合であるべきだという要望があった。チームとしても、選手のコンディションを維持したいという考えがあったという。

また交通網の発達や、ドーム球場ができたことなどから、それまでよりも日程をスムーズに消化することができるようになっていた。スポンサー契約や、年間シートやチケット収入(当時は1日通し券だった)などの興行的な面からも、1日1試合が望ましいという考えが浸透したようだ。

これらのことからダブルヘッダーは行われなくなっているが、雨天中止や新型コロナウイルスの影響で過密日程になった際に、ダブルヘッダー実施の可能性が浮上したこともある。


■過去に行われたダブルヘッダーについて

プロ野球で最後にダブルヘッダーが行われたのは、1998年10月10日の横浜対中日戦(横浜スタジアム)だった。この日は第1試合が14時開始で16時52分に終了、第2試合が18時開始で21時23分に終了した。この日は両チームで延べ14人の投手が登板し、遠藤政隆(中日)が唯一2試合に登板した。

さらに過去まで遡ると、1974年10月14日に行われた読売ジャイアンツ対中日ドラゴンズ(後楽園球場)のダブルヘッダー第2試合は、長嶋茂雄(巨人/現終身名誉監督)の引退試合だった。


■大谷翔平が見せたダブルヘッダーでの大活躍

メジャーリーグでのダブルヘッダーと言えば、2023年にロサンゼルス・エンゼルスに所属していた大谷翔平が見せた活躍が記憶に新しい。

2023年7月27日(日本時間28日)に行われたデトロイト・タイガース(コメリカ・パーク)のダブルヘッダー第1試合で、大谷はメジャー初完投を1安打完封で飾る快投を披露。第2試合では37号2ラン、38号ソロの2本塁打を放った。

ダブルヘッダーの1つの試合で完封し、別の試合で2本塁打を放ったのは、MLB史上初の記録だった。

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フリーランスのライター、エディター。子供の頃から野球が好きで、プロ野球、高校野球、大学野球など幅広く応援・観戦。学生時代には新聞社のアルバイトで高校野球の紙面作りに携わる。大学卒業後は一般企業を経て、スポーツメディア業界に転職、独立。
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