11/1決戦!寺地拳四朗 vs. 京口紘人プレビュー|日本人世界王者対決は4団体統一戦への扉を開くか

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Kenshiro Teraji v Hiroto Kyoguchi
Getty Images

WBC世界ライトフライ級王者・寺地拳四朗 vs. WBA同級王者・京口紘人による日本人同士の世界統一戦が11月1日(火)、さいたまスーパーアリーナで行われる。WBO同級王者ジョナサン・ゴンサレスのタイトル戦も同時に行われることから、同大会は3団体統一戦、ひいては4団体統一戦への道を開く可能性がある。重要なビッグマッチの展望を占う。

放送予定:11/1(火) 寺地拳四朗 vs. 京口紘人 世界統一戦日本人対決|放送予定・配信先・無料視聴・予定対戦カード

寺地拳四朗vs京口紘人:予定対戦カード

今大会はメインイベントの寺地 vs. 京口戦を含む全4試合の発表となっており、配信はWBOアジアパシフィック級タイトルマッチの吉野 vs. 中谷戦からスタートする。

  • メイン:WBC・WBA世界ライトフライ級王座統一戦
    • 寺地拳四朗(BMB)vs. 京口紘人(ワタナベ)
  • セミ:WBO世界ライトフライ級タイトルマッチ
    • ジョナサン・ ゴンサレス(プエルトリコ)vs. 岩田翔吉(帝拳)
  • スーパーフライ級10回戦
    • 中谷潤人(M. T)vs. フランシスコ・ロドリゲス・ジュニア(メキシコ)
  • WBOアジアパシフィックライト級タイトルマッチ
    • 吉野修一郎(三迫) vs. 中谷正義(帝拳)

寺地拳四朗vs京口紘人 マッチプレビュー:10年ぶりの日本人世界王者対決

日本人同士の世界戦自体が少ないなか、WBC世界ライトフライ級王者・寺地拳四朗 vs. WBA同級王者・京口紘人戦は、日本人世界王者同士の統一戦としては、WBC世界ミニマム級王者・井岡一翔がWBA王者・八重樫東を判定でくだした、2012年6月20日の統一戦以来、約10年ぶり2度目となる。

30歳の寺地と28歳の京口は、お互いに大学卒業後からプロ入りするなど似た経緯もあるが、京口がミニマム級からライトフライ級に転向する以前のアマチュア時代からライバル視される関係だ。

世界王座初獲得は両者ともに2017年。寺地が2017年5月20日のガニガン・ロペス(メキシコ)を破ってWBC世界ライトフライ級を獲得。京口はプロデビュー戦のライトフライ級からミニマム級に落とし、2017年7月23日、IBF世界ミニマム級王者ホセ・アルグメド(メキシコ)に勝利して、プロ8戦目で世界王者となった。

寺地はWBC王者として8連続防衛を記録。矢吹正道との防衛戦はまさかの敗戦となったが、リマッチでしっかり王座を奪還した。京口は2度の防衛後、本来の適正階級とみられるライトフライ級に転向。2018年12月31日にヘッキー・ブドラー(南アフリカ)を10回TKOで撃破し、WBA世界ライトフライ級タイトル獲得で2階級制覇を遂げた。4度の防衛戦ではアメリカやメキシコで戦うなど、大きな舞台を経験している。

待望のライバル対決、近距離の京口、遠距離の寺地

京口のライトフライ級復帰によって両者の対決が待ち望まれるようになったが、それでも実現には時間がかかった。そして、両者の対決が約10年ぶりの日本人同士の世界統一戦として発表されたのが2022年9月14日だった。

寺地は発表会見で「自分のほうがすべてで勝っている」と自信を述べたが、これまで村田諒太のビッグマッチなどでセミファイナルで試合をすることが多かったこともあり、長年ライバルと目されてきた京口との対戦でメインを張る喜びと期待感を思わせる笑みを浮かべた。一方で京口は緊張感を漂わせ、ファンが期待に応える試合で勝つと宣言。海外での防衛戦をこなした自分のほうが「キャリアは上」と言い放ち、強い気持ちをみせた。

戦績においては、2年デビューが早い寺地は19勝1敗、京口は16勝無敗だ。KO勝ちはともに11となっており、試合数の関係で京口のほうがKO率は高いが、いずれにせよお互いにKOを狙えるハードパンチャーであることは確かだろう。近距離で猛打を決めたい京口に対し、寺地は経験則として距離をうまく利用する戦術をとるのか。プロになってからは2018年に公開スパーリングで手合わせしており、それぞれが持ち味の距離で勢いをみせた。今回もお互いの得意距離に持ち込めるかが勝負の分かれ目になりそうだ。

寺地拳四朗と京口紘人の戦績・経歴比較

寺地拳四朗
(てらじ・けんしろう)
名前 京口紘人
(きょうぐち・ひろと)
The Amazing Boy ニックネーム Mad Boy
京都府城陽市 出身地 大阪府和泉市
1992年1月6日(30歳) 生年月日 1993年11月27日(28歳)
165cm 身長 162cm
163cm リーチ 163cm
オーソドックス スタンス オーソドックス
20戦19勝1敗 プロ戦績 16戦16勝0敗
55%(19勝中11KO) KO率 68.75%(16勝中11KO)

WBCユースライトフライ級王座(防衛0)
日本ライトフライ級王座(防衛2)
OPBF東洋太平洋ライトフライ級王座(防衛1)
WBC世界ライトフライ級王座
(1期=防衛8/2期=防衛戦前)

タイトル歴

OPBF東洋太平洋ミニマム級王座(防衛1)
IBF世界ミニマム級王座(防衛2)
WBA世界ライトフライ級スーパー王座(防衛4)
リングマガジン世界ライトフライ級王座

ゴンサレス vs. 岩田のWBO王座戦も注目

また、セミファイナルではダブル世界戦として、WBO世界ライトフライ級王者ジョナサン・ゴンサレス(プエルトリコ)が岩田翔吉を挑戦者に迎えて防衛戦に臨む。

挑戦者の岩田翔吉は中学生時代にムエタイで活躍後、アマチュアボクシングに転向し、高校総体で優勝すると、2018年にロサンゼルスでプロデビュー。26歳の現在9勝0敗(6KO)、7月2日には日本王者として、OPBF東洋太平洋王者の堀川謙一に判定勝ち。同王座と空位だったWBOアジアパシフィックを獲得し、ライトフライ級アジア三冠王者となった。コロナ禍もあって世界戦挑戦までに時間を要したが、帝拳ジムの期待の星だ。

王者ゴンサレスは、26勝3敗1分で14KOとKO率も高いファイター。2019年8月に当時のWBO世界フライ級王者の田中恒成に7回TKO負けを喫したが、2021年10月にエルウィン・ソト(メキシコ)を判定で破り、悲願のWBOタイトル獲得を実現した。今年6月には安定した実力で初防衛に成功している。

下馬評では経験値的にもゴンサレス優位だが、フィジカル面では王者が157cm、挑戦者が163cmとなり、岩田が優っている。ゴンサレスはWBC・WBA王者との統一戦を見据えており、勝利に余念はないが、挑戦者の岩田が勝てば、日本人同士の3団体統一戦の期待も膨らむだけに、こちらも見逃せない試合になる。

3団体統一戦、そして4団体統一戦への期待

近年、中量級から重量級において4団体統一戦が実現しているが、タイトルが分散している軽量級ではなかなか実現の芽もなかった。だが、この大会でWBCとWBAを統一した王者が、将来的にWBO王者と統一戦を戦う流れが生まれれば、4団体統一戦も夢ではなくなる。帝拳ジムとともにプロモートを担う英大手マッチルーム社が、今回あえてライトフライ級のダブル世界戦としたことにはそうした意図があるものとして考えていいだろう。

寺地が2019年末に統一戦で対戦するはずだったフェリックス・アルバラード(ニカラグア)が返上したIBF同級王座は、現在はシベナティ・ノンティンガ(南アフリカ)が保持している。今後、3団体統一戦が決まれば、おのずとしてライトフライ級初の「比類なき」4団体統一戦へと進む可能性も高まるはずだ。

寺地 vs. 京口戦は、歴史を開くかもしれないビッグマッチとして目撃すべき一戦となる。

Amazon Prime Videoが勝敗予想キャンペーンを実施中

今回のビッグマッチを配信するAmazon Prime Videoは、「#どうなる日本人同士の世界王座統一戦」と題した勝敗予想キャンペーンを実施しており、予想的中者は抽選で3名に寺地、京口両選手のサイン入りグローブが当たる。締め切りは試合前日の10月31日までとなっている。

寺地拳四朗vs京口紘人:概要・日程・Amazon Prime Video配信予定

  • 大会名称Prime Video Presents Live Boxing 第3弾
  • 試合会場:さいたまスーパーアリーナ(埼玉県さいたま市中央区)
  • 開催日程:2022年11月1日(火)16:00開場/17:00イベント開始
  • 配信日時:2022年11月1日(火)17:30~寺地vs京口戦の開始時間:20:45前後)
  • 配信媒体:Amazon Prime Video(アマゾンプライムビデオ)
  • 視聴料金:Prime(プライム)会員なら誰でも視聴可能
    ※配信時間は当日の試合進行次第で変更される可能性がある

Amazon Prime Videoでの独占ライブ配信となり、Amazonの『プライム会員(月額税込500円)』であれば、寺地 vs. 京口のライブ中継を追加料金なしで誰でも視聴が可能。ライブ配信後、見逃し(アーカイブ)配信もいつでも視聴できる。

放送予定:11/1(火) 寺地拳四朗 vs. 京口紘人 世界統一戦日本人対決|放送予定・配信先・無料視聴・予定対戦カード

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日本編集部所属。ボクシング・格闘技担当編集者。
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