ついにボクシング史に残るであろう偉業が成された。オレクサンドル・ウシクがタイソン・フューリーを下し、史上初の4団体統一王者となったからだ。
ヘビー級史の分岐点となるであろうウシクvsフューリー戦を終えた今、スポーティングニュース選出ヘビー級トップ12ボクサー(2024年5月末付)の順位はどのように変動したかを紹介しよう。
何年もの準備期間を経て、史上初の主要4団体ヘビー級アンディスピューテッド・チャンピオンとして、ボクシング界の最も華やかな階級で名実ともに頂点に立ったのは、オレクサンドル・ウシク(ウクライナ)だ。
先の5月18日、サウジアラビアのリヤドにおいて、3団体&リング誌統一王者ウシク(22勝0敗、14KO)は、タイソン・フューリーにプロキャリア初の黒星を味あわせ、ヘビー級の最後のトロフィーをコレクションに加えた。そのWBCタイトルを獲得したウシクは、主要3団体時代最後のアンディスピューテッド王者レノックス・ルイス以来、約24年ぶりにこの階級の絶対的チャンピオンとなった。
ヘビー級における歴史的マイルストーンと言える試合を終えて、ウシクとフューリーは、スポーティングニュース選出の同級ランキングでそれぞれの順位を維持しているが、少なくとも今のところは、このウクライナの偉大な左利きボクサーが世界最高のヘビー級ボクサーとして頭ひとつ抜けた存在だ。それはパウンド・フォー・パウンド・ランキングでもトップに躍り出たことでも証明されている。
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また、リヤドのアンダーカードでは、アギット・カバエルがこれまで無敗だったフランク・サンチェスを7回KOする番狂わせを演じた。カバエルは4つ順位を上げて7位となり、サンチェスは9位から12位に下がった。
ヘビー級ランキング:スポーティングニュース選出Top 12
順位 | 選手名 | 保持タイトル | 戦績 | 順位変動(5月22日策定) |
1 | オレクサンドル・ウシク |
WBA/WBC/IBF/WBO/リング誌 |
22-0 (14KO) |
- |
2 | タイソン・フューリー | 34-1-1 (24 KO) |
- | |
3 | アンソニー・ジョシュア | 28-3 (24 KO) |
- | |
4 | ジョセフ・パーカー | WBO暫定 | 35-3 (22 KO) |
+1 |
5 | 張志雷(チャン・ジーレイ) | 26-2-1 (21 KO) |
-1 | |
6 | フィリップ・フルゴビッチ | IBF指名挑戦者 | 17-0 (14KO) |
- |
7 | アギット・カバエル | WBC指名挑戦者 | 25-0 (16KO) |
+4 |
8 | デオンテイ・ワイルダー | 43-3-1 (42 KO) |
-1 | |
9 | ジョー・ジョイス | 16-2 (15 KO) |
-1 | |
10 | マーティン・バコレ | 20-1 (15 KO) |
- | |
11 | ジャレッド・アンダーソン | 17-0 (15KO) |
1 | |
12 | フランク・サンチェス | 24-1 (17 KO) |
-3 |
世界ヘビー級最高ボクサー:オレクサンドル・ウシク
ウクライナの魔術師オレクサンドル・ウシクがクルーザー級で躍進を続けていた頃、この無敗のチャンピオンはヘビー級でも大活躍すると目されていた。実際、その期待を裏切らず、アンソニー・ジョシュアから3本のベルトを奪い取り、2つの印象的なポイント勝利を収めた。
ロシアとウクライナの紛争もあって、ウシクはしばらく選手活動を休止していた。37歳のテクニシャンは昨年8月に復帰し、イギリスのダニエル・デュボアを9ラウンドで打ち負かすと、件の通り、ヘビー級史上初の主要4団体王座統一という絶対的な栄光を目指した。
ウシクのタイソン・フューリーに対する勝利は、殿堂入り確実の彼のキャリアの中でも最高の功績になるだろう。卓越した技術を持ちながらも、国を背負う兵士のような勇気を持つウシクは、今やこの競技における史上最高の選手として確固たる地位を築いている。
原文:Top 12 best heavyweights in boxing: Rankings for weight class starring Fury, Usyk, Joshua, Wilder
翻訳/編集:スポーティングニュース日本版編集部 神宮泰暁