サインツがキャリア初優勝、2位ペレスに惜しくも敗れるも、ハミルトンが地元で復活の走り|F1第10戦イギリスGP決勝

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現地時間7月3日、FIA(国際自動車連盟)F1世界選手権の第10戦イギリスGP(英国ノーサンプトンシャー、シルバーストン・サーキット)の決勝が行われ、ポールシッターのカルロス・サインツ(フェラーリ)が2位のセルジオ・ペレス(レッドブル)から逃げ切り、キャリア150戦目にして初の優勝を遂げた。3位にはルイス・ハミルトン(メルセデス)が食い込み、王者復活の走りをみせた。

前日の予選では、断続的な雨により各車がタイヤマネジメントに苦労したが、決勝当日は曇り模様ながら雨の影響はなかった。多くがミディアムを履いたが、2番手のフェルスタッペンはソフトで勝負をかけ、ポールのサインツをホールショットで抜き去った。地元のハミルトンも好位置につけた。

しかし、その後方では、ピエール・ガスリー(アルファタウリ)がジョージ・ラッセル(メルセデス)の左リヤに接触。スピンしたラッセル機が周冠宇(アルファロメオ)のマシンの右側面にヒットしたことで、周のマシンは逆さま状態で滑り続け、タイヤバリケードを乗り越えてようやくストップした。さらに後方では、セバスチャン・ベッテル(アストンマーチン)がアレクサンダー・アルボン(ウィリアムズ)のリヤにぶつかり、そのあおりをうけた角田裕毅(アルファタウリ)、エステバン・オコン(アルピーヌ)が巻き込まれる多重クラッシュとなった。

このクラッシュで周やアルボンの安否が心配されたが、無事であることがチームから発表されている。

3周目から再開したレースだが、ペレスがルクレールに接触され、フロントウイングを破損。交換でレース復帰するも最下位に転落した。快走していたフェルスタッペンも12周目に失速し、無線でパンクを訴える事態に。マシンパフォーマンス低下の原因はレース中は不明だったが、11周目のタイミングで起きた、ガスリーと角田の同士討ちクラッシュによる破片がフロア下に食い込み、ダウンフォースを失った状態に陥っていた。

レッドブル勢の不運に救われる形となったサインツは、中盤にペースが上がらず、一時はルクレールに首位を譲る指示を受け入れるも、残り10周で再びトップへ。結果的にルクレールがハミルトンと最下位から這い上がってきたペレスとの熾烈なバトルを強いられたこともあり、サインツはチェッカーフラッグを浴びた。サインツは初ポールポジション、初ポールトゥウィンでの初勝利となった。

サインツに逃げ切られたものの、ペレスは最下位から徐々に順位をあげ、40周目のセイフティカー(SC)投入を上手く利用して2位に這い上がる粘りの走りで実力をみせた。一方でルクレールは、そのペレスや3位に食い込んだハミルトンとの激しい競り合いで、ピットインを避けたことが裏目にでて4位に終わった。ハミルトンはファステストラップ(1:30.510)を刻むなど、文字通り王者復活の走りをみせた。フェルスタッペンは7位に入り、わずか6点ながらポイント無しは回避した。

6台がリタイアする大荒れのレースとなったが、ドライバーズランキングは、フェルスタッペンが181点で1位。2位のペレスは147点で、3位ルクレールは138点で9点差に。優勝のサインツは127点で4位に浮上した。5位はラッセル(111点)、6位はハミルトン(93点)のメルセデス勢となった。コンストラクターズランキングは、1位レッドブルが328点、2位フェラーリが228点、3位メルセデスが204点。

次戦の第11戦オーストリアGPは、レッドブルのホームでもある高地サーキット「レッドブル・リンク」で、日本時間7月8日20:30のFP1から開幕する。

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日本編集部所属。ボクシング・格闘技担当編集者。
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