ルクレール自滅でフェルスタッペンが今季V7、メルセデス勢も2-3位で復活手応え|F1第12戦フランスGP決勝

Author Photo
Max Verstappen (L) and Lewis Hamilton celebrate after finishing first and second at the French Grand Prix
REMKO DE WAAL/ANP via Getty Images

現地時間7月24日、FIA(国際自動車連盟)F1世界選手権の第12戦フランスGP(ル・キャステレ村、ポール・リカール・サーキット)の決勝が行われ、シャルル・ルクレール(フェラーリ)の自滅により、レッドブルのマックス・フェルスタッペンが独走し、今季7勝目をあげた。一方、2位にルイス・ハミルトン、3位にはジョージ・ラッセルが続き、メルセデス勢がシーズン折り返し初戦で弾みをつけた。

今季後半戦開幕、運も味方につけたフェルスタッペンが2位に10秒差つけてV7

前節オーストリアGP(決勝7月10日)での久々の勝利を得たルクレールは、ドライバーズランキング首位のフェルスタッペンとの差をさらに縮めるべく、そのライバルを抑えてポールポジションを奪ったことで連勝のお膳立ては揃ったかに見えた。

現在記録的な熱波に襲われているフランスだが、決勝当日15時前後のポール・リカール・サーキットの気温は30℃ほど。しかし、路面温度は51℃を越えており、タイヤの消耗には十分な注意が必要なコンディションとなった。多くがミディアムでスタートを切ると、ルクレールはフェルスタッペンに追われながらもテイクオーバーは許さず首位を快走した。

ところが、勝負の分かれ目となったのが17周目。ルクレールがそのまま先行したのに対して、フェルスタッペンがピットインし、ハードに履き替えた。18周目、ルクレールは同コースの名物コーナーのターン10『シーニュ』を抜けた先のターン11でリヤのコントロールを失い、スピンしながらバリケードにクラッシュ。クラッシュ直後の無線では前節でもあったスロット異常を口にしていたルクレールだが、レース後、自身のミスだったことを認めた。

この周では日本人ドライバーの角田裕毅(アルファタウリ)も、序盤にエステバン・オコン(ルノー)から接触を受けた際の車体左側面のダメージが大きく、ピットに入ったままコースに戻ることはなかった。

一旦順位を落としたフェルスタッペンだが、19周目でハミルトンを抜き去ると一時は約13秒差をつける独走状態へ。53周完走時点でも2位ハミルトンに10.587秒差をつける圧勝劇で今季7勝目をあげた。

ハミルトンは2位となったが、ラッセルも残り3周でセルジオ・ペレス(レッドブル)とのバトルを制して3位に入賞。メルセデス勢としてともに表彰台入りを決めた。フェラーリのカルロス・サインツは、パワーユニット周りの規定数超過ペナルティ消化のため最後尾スタートながら、5位に入賞したことに加え、51周目で最速ラップを記録するなどやはり安定した実力をみせた。

首位フェルスタッペンがさらに点差を拡大

フランスGP決勝終了後のドライバーズランキングは、1位のフェルスタッペンが233点、リタイアのルクレールは加算点0で170点となり、その差は63点に。レース後のインタビューでルクレールは「こんなミスを冒していたら、チャンピオンにはなれない」と猛省したが、3位のペレスも163点で7点差に迫っており、あとがない状況に追い込まれた。

4位サインツ(144点)、5位ラッセル(143点)は1点差、6位のハミルトンは127点となり、メルセデス勢がフェラーリ勢の牙城を崩す寸前まで来ている。角田は予選で得点圏内の8番手に入り、チームからの期待値も高かったが、リタイアにより変わらずの16位(11点)だった。

コンストラクターズランキングでは、1位レッドブルは396点、2位フェラーリは314点、3位メルセデスは270点でトップ3は変わらずとなったが、こちらもメルセデスがフェラーリに迫っており、順位変動の兆しが見え始めている。

次戦は予選が重要な東欧ハンガリーGP

次戦の第13戦ハンガリーGPは休みなしの連戦となり、日本時間7月29日(金)21:00からのFP1で開幕する。カレンダーで最も最高速度が低い一方で、高度なドライビング技術が求められるハンガロリンクは、オーバーテイクが難しく、同30日23時の予選順位が結果に直結する。決勝は同31日(日)22時スタートとなる。

▶F1を観るならDAZNで。スマホやTVでスポーツをいつでも楽しもう

著者
Author Photo
日本編集部所属。ボクシング・格闘技担当編集者。
LATEST VIDEOS