MLBから今季から導入したユニフォームをめぐるトラブルに、ようやく解決の糸口が見え始めた。が、完全決着までにはまだまだ時間がかかりそうだ。
選手、ファンから多くの苦情が寄せられていた新ユニフォームについて、MLBはついに改善に取り組む意向を示した。今季から採用された新しいユニフォームはナイキ社がデザイン、ファナティクス社が製造を請け負っている。
このユニフォームを巡っては、すでに2024年シーズン開幕前から問題が指摘されていた。昨年2023年のオールスターで初お目見えした時から、ユニフォームが透ける、汗のシミが目立つ、背中に入る名前のサイズが小さいといった苦情が、着用した選手、購入したファンから数多く寄せられていた。
こうした苦情を受け、ついにMLBは問題解決へ向けた新たな取り組みを進めることとした。では、どんな変更が加えられるのか? ここではこれまで確認されている点についてまとめる。
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新ユニフォームに対する変更点は?
MLB選手会は4月28日(日)の夜、現在のユニフォームに変更が加えられる旨のメモを選手たちに展開した、と米スポーツ専門ケーブル局『ESPN』のジェフ・パッサン記者が報じた。
パッサン記者によれば、最大の変更点は「ユニフォームの背中に入っている文字のサイズを大きなものに戻すこと、グレーの色味がユニフォームの上下でマッチしていないのを修正すること、ナイキの新ユニフォームの汗を吸収しやすいという問題点を解決すること」であり、「透けるということでこの春に大きな批判を受けたパンツの改善も含まれる」という。
またパッサン記者は、修正作業はすでに始まっているものの、実際にユニフォームが新しくなるのは遅ければ2025年シーズンからとなる可能性がある、と報じている。
選手会はこのメモの中で、不評となった変更点の責任はファナティクス社ではなく、ナイキ社にあるとしている。ナイキは今回『ヴェイパープレミアユニフォーム』と呼ばれるユニフォームを新たに導入したが、これが選手には受け入れられなかった。
選手に宛てたメモには、「今回の一件は完全にナイキの問題だ」と書かれている。
「問題の火種になったのは、ナイキが革新の必要がないものを革新してしまったということだ」
メモの中で、選手会は今回の変更にどんな問題があるかをナイキに対して警告しており、MLBに対してもユニフォームへの不満を何度となく伝えてきたとされている。
また、メモの中には「2022年のプレビュー段階で、我々はナイキに対して幾つかの変更点、特にパンツについて反対意見を出していた」とも書かれている。
「MLBはこれまでも、そして今も、我々の懸念について承知している。ただ残念ながらここ最近まで、ナイキのスタンスは『気にすることはない。選手がアジャストすればいいんだ』というものだった」
ナイキ社、ファナティクス社ともにESPNの取材に対しては回答せず、MLBとMLB選手会も今回の件についてのコメントを辞退した。
MLBの新ユニフォームをめぐる騒動
選手、ファンは2024年シーズンの始まる前の段階で、新しいユニフォームがどのようなものになるのかあらかじめ分かっており、その時点ですでにネガティブな反応は聞こえていた。しかし、実際に登場したユニフォームはさらに酷いものだった。
Last year vs this year’s replica jersey offerings from the fine folks at MLB, Nike & Fanatics. Last year’s being on the left and this year’s on the right.
— Bobby Mullins (@TheBobbyMullins) February 11, 2024
I have a lot to say, so bear with me here.
Let’s just rip the bandaid off right away with this year’s new jersey offerings pic.twitter.com/3IShhlj0nL
「去年と今年のレプリカユニフォームはどちらもMLBとナイキ、ファナティクスによるもので、左が去年のもの、右が今年のもの。言いたいことがたくさんあるので、我慢して聞いてほしい。ここで今年のユニフォームにきっぱりケリをつけよう」
This is what the back of the white jerseys look like with the new template. Players are pretty unhappy. Miles Mikolas says they also don’t fit right; pants are no longer as customized, and the fabric is a very different consistency.
— Jeff Jones (@jmjones) February 13, 2024
“They look cheap,” another player said. pic.twitter.com/UoH4vVHTfd
「今年の白のユニフォームの背中部分、名前はこんな感じになっている。選手たちはなかり不満に思っている。マイルズ・マイコラスは着心地がフィットしないと言う。パンツについてはカスタマイズもされていないし、生地には違うものが使われている。『安物に見えるよね』と他の選手は言っている」
The new look to the workout whites and home #stlcards jerseys. No chain stitching of the name on the jersey tail, either. Color red looks a new shade.
— Derrick Goold (@dgoold) February 13, 2024
“I don’t like them,” says a veteran pitcher.
They’re different for sure. pic.twitter.com/VFcEx5kANN
「カージナルスの新しい白のワークアウトとホームユニフォームジャージー。裾にあったネームのチェーンステッチもなくなっている。赤の色味も変わっている。あるベテラン投手は『好きじゃない』と言っている。これまでと別物なのは間違いない」
「安物に見える」と開幕前に言っていたのはあるカージナルスの投手だ。
他のカージナルスの選手からは「好きじゃないな」という声も聞かれた。
「(新しいユニフォームを)みんな嫌っているのは知ってるよ」と、トレイ・ターナー(フィラデルフィア・フィリーズ)はAP通信の取材に答えている。
実際に試合で使用されるようになって、問題はさらに大きくなっていった。パンツが透けること、汗を吸ったユニフォームには大きなシミがはっきりと見えること、背中の文字が小さくなったことは特に不評だった。
原文:MLB jersey changes: League to modify Nike uniforms after negative feedback from players, fans
翻訳:石山修二(スポーティングニュース日本版)