NBA記者の戦力分析:新たな方向に進んだウィザーズ|NBA 2023-2024シーズン

Author Photo
Kyle Kuzma Washington Wizards
(NBA Entertainment)

ワシントン・ウィザーズはこの夏、生え抜きのブラッドリー・ビールらを放出した。一方で、ゴールデンステイト・ウォリアーズからジョーダン・プールを獲得している。

ウィザーズの2023-2024シーズンの戦力について、『NBA.com』のショーン・パウエル記者が分析する。

[AD] スポーツ得点王:試合結果を予想して豪華賞品をゲット!

主な新戦力

  • ジョーダン・プール(ガード/トレード)
  • タイアス・ジョーンズ(ガード/トレード)
  • ビラル・クリバリー(フォワード/ドラフト)
  • ランドリー・シャメット(ガード/トレード)

主な退団選手

  • ブラッドリー・ビール(ガード)
  • クリスタプス・ポルジンギス(フォワード)
  • モンテ・モリス(ガード)

[AD] スコア遊ライブ:野球・サッカー・バスケほか注目スポーツの試合結果を超速報!


昨シーズン

昨季のウィザーズは冬に13戦12敗を喫してからぬかるみにはまり、そこから抜け出せなかった。ビールが32試合を欠場し、守備がふるわず、リーグの強豪たちと競うことができなかった。結果、再びウィザーズはプレイオフに進出できず。本当の意味での進歩の兆しを見せられなかった。

ビールは健康だった時も平均23.2得点とそこそこの数字で、数年前に平均30得点超をあげて恐れられていたスコアラーからはほど遠かった。そしていずれにしても、フランチャイズプレイヤーではなかった。さらに、ウィザーズのファンもビールが残留しようが退団しようが気にせず、彼に対して複雑な感情を抱いていたようだった。

一方で、カイル・クーズマは全般的に向上し、ビール不在時により大きな役割を担って、そのほとんどで活躍した。ただ、ウィザーズにおける真の発見だったのは、ポルジンギスだ。2017年以来となる65試合出場とようやく健康を取り戻したセンターは、コート上でウィザーズ最高の選手ということがしばしばだった。

ローテーションのその他の選手たちは、よく言っても半々の出来だった。八村塁がトレード(実質的に次に向けて何も見返りを得ずに放出)されたのは、ドラフト時のステータスに見合わなかったからだ。そしてウィザーズのドラフト戦略は、ほかの選手に関しても同じようになっている。デニ・アブディヤ、コーリー・キスパート、そして特に昨季の新人ジョニー・デイビスのことだ。ルーキーシーズンの一時期を彼はGリーグで過ごすことになった。

ウィザーズは特に大きな変化のために夏を迎えた。ただ、それは以前にもあったことだ。

[AD] 注目試合の結果を徹底予想&分析【Free Yuugado Sports】


夏の総括

ウィザーズのファンが待ち望んできた瞬間が訪れたのは、オーナーのテッド・レオンシスが解体は必要と判断した時だ。あまりに長く、ウィザーズはビールを中心にとどめようとしてきた。それがうまくいかず、ウィザーズは中堅以上になることがなかった。

そこで、レオンシスはマイケル・ウィンガー(元ロサンゼルス・クリッパーズ)を社長、ウィル・ドーキンズ(元オクラホマシティ・サンダー)をゼネラルマネジャーに据え、体制を新しくした。干渉せずに必要なことは何でもやってよいとウィンガーに保証しなければ、実現していなかっただろう。

[AD] 楽天モバイル『Rakuten最強プラン』でNBA全試合見放題! 詳細&申し込みはこちらから

そして、予想されていたとおりのことが起きた。ビール放出だ。ただ、簡単ではなかった。前年の夏、ビールにマックス延長契約とともになぜかトレード拒否条項を与えていたからだ。ウィザーズはフェニックス・サンズという引き取り手を見つけたが、そのトレード拒否条項のために、以前なら望めたはずの見返りを得ることができなかった。

そして、ビール放出だけにはとどまらない。ウィザーズは三角トレードでポルジンギスも放出し、その取引でジョーンズをメンフィス・グリズリーズから獲得した。グリズリーズではリーグ有数の控えポイントガードだった選手だ。ジョーンズはウィザーズでスターターを務めるだろう。

だが、ウィンガーはすべてを手放したわけではない。クーズマとは年俸2550万ドル(約37億7400万円/1ドル=148円換算)で4年の延長契約を結んだ。ロサンゼルス・レイカーズで何年も中心になれなかったが、頼もしいリードスコアラーになった選手に対する条件としては妥当な金額だ。

クーズマがコンビを組むのは、平均20得点をあげられるもうひとりの選手だ。ウォリアーズで落胆のシーズンとなったプールにとって、ウィザーズはソフトランディングする場となった。2シーズン前にブレイクし、ウォリアーズの優勝に貢献したプールは、なかなかの選手だが、欠点もある。ウィザーズは、移籍が彼にとって良い影響を及ぼすことを願っているだろう。

ウィザーズはドラフト全体1位指名権を得られず、そのためビクター・ウェンバンヤマを手に入れることはできなかった。だが、少なくともウェンバンヤマのフランスのチームメイトをドラフトで指名している。クリバリーは攻守両面で有望な若手で、出場時間を巡る競争がそれほど激しくならないと予想されるからだとしても、ローテーションに食い込んでいくかもしれない。

2023年夏、ウィザーズは新たな方向性を打ち出した。それで前進できることを彼らは願っている。

原文:30 teams in 30 days: Wizards take new direction with reshaped roster(抄訳)

[AD] スポーツ観るならDAZNで。スマホやTVでスポーツをいつでも楽しもう

著者
LATEST VIDEOS