ゴベア獲得でウルブズはどこまでいけるのか?

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Rudy Gobert
(Getty Images)

ユーロバスケット2022に参戦中のルディ・ゴベアは、大会後からNBAでの新チームのことに集中していく。チームは新しくなったが、目標は変わらない。

今夏の大型トレードでゴベアを獲得したのは、ミネソタ・ティンバーウルブズだ。トレードをまとめるべく、ウルブズは複数の選手や将来のドラフト指名権をユタ・ジャズに譲った。年間最優秀守備選手賞を3度受賞したゴベアのために、大変なコストを支払ったのである。ウルブズのフロントが、ウェスタン・カンファレンスにおける真の脅威となる用意をチームが整えたと信じていることの表れだ。

だが、ウルブズの選択は正しかったのだろうか。成功か失敗かを考える上で必要なのが、いくつかの鍵となる疑問だ。

ゴベアはウルブズをどこまで引き上げる?

昨季のウルブズは守備を大きく改善させた。ディフェンシブレーティングは28位から13位に跳ね上がっている。ゴベアの存在だけで、ウルブズの守備はトップ10入りするはずだ。

ゴベアはウルブズになかったリムプロテクションをもたらす。ルーキーシーズンを除き、各シーズンで平均2.0ブロック超を達成してきた選手だ(ルーキーシーズンは平均出場9.6分間)。

プレイから外れていると思われる時ですら、ゴベアは突然現れて相手のショットを阻む。そして忘れてはならないのが、ゴベアは事前に脅威を排除するということ。相手は直接ゴベアに挑むより、彼を見てキックアウトするのだ。それにより、ウルブズは多くの失点を減らせるだろう。

もちろん、ゴベアが引き上げるレベルには限界があるという意見もある。プレイオフで対戦したチームたちは、複数のシューターでフロアを広げ、より頻繁にゴベアがペリメーターで守らなければならなくようにして、ゴベアの影響力を抑えてきた。ゴベアが在籍していた間、ジャズはカンファレンス・セミファイナルを一度も突破していない。ゴベアの攻撃面のスキルセットも問題となり得る。

それでも、ゴベアの周りにいるタレントたちが、ゴベアの限界を隠し、彼の長所を強調させられるだろう。

タウンズやエドワーズらとの調和は?

カール・アンソニー・タウンズは昨季、平均24.6得点、フィールドゴール成功率52.9%、3ポイントショット成功率41.0%を記録し、オールスターに選出された。自身を「歴代最高のビッグマンシューター」と称している。それは大胆な主張だが、見事な数字を残していることは間違いない。

昨季の向上を受け、3年目のアンソニー・エドワーズはブレイクする準備を整えているようだ。最優秀躍進選手賞の候補になってもおかしくない。新シーズンからオールスター候補と論じられてもショッキングではないだろう。

彼らを土台とし、さらにディアンジェロ・ラッセルが補完的にサポートするウルブズは、昨季のオフェンシブレーティングがリーグ7位だった。ゴベアはこれまでもユーセージ率が高い選手ではなかったため、得意とすることに集中できるだろう。スクリーンやロール、そしてリムへのフィニッシュだ。

エドワーズがゴベアとのピック&ロールから鋭くアタックするなか、外でタウンズやラッセルがいつでも3Pを打てるように待機しているのを想像してみて欲しい。ディフェンダーたちは、シューターを離してロールマンを守るヘルプに行くべきか、フリーでのアリウープを許してしまう可能性がありながらも自分が担当する選手を守ったままでいるべきか、決断に迷うはずだ。

一方、ゴベアが新たなチームメイトたちとプレイする上で、厄介となるかもしれない場面もある。ゴベアがペイント外で脅威ではないため、守備側が内部をふさごうとするかもしれないのだ。その場合、昨季のポストアップポゼッションがトップ15入りしたタウンズや、平均10ドライブ超を記録したエドワーズにとっては問題となり得る。

30歳のゴベアがこれからミドルレンジジャンパーや3Pをレパートリーに加えることはないだろう。ウルブズは獲得時にそれを分かっていた。それでもゴベア、タウンズ、エドワーズが解決策を見つけ、球団を新時代に導くはずだと信頼しているのだ。

ウルブズは西地区で何位に?

ウルブズがプレイオフ・ファーストラウンドを突破したのは、1989年の創設以降で、カンファレンス・ファイナルまで勝ち進んだ2004年の1度しかない。だが、ゴベアの取引は、堂々とタイトルを競えるようなチームになりつつあると感じた時に経営陣が踏み切る類のものだ。

入団会見で、ゴベアは「目標は優勝だ」と話した。

「僕はそのために来た。ただの良いチームになるためにここに来たんじゃない。このチームを(NBAファイナルに)連れていくのを目指すべく、それを達成するために来たんだ」

ウルブズは西地区のトップ6を競うチームとなるはずだ。それでも、同地区のトップチームより一段落ちると思われる。昨季のメンフィス・グリズリーズ相手の敗退は、最大の舞台での勝ち方をまだ学ぶ必要があることを示した。

彼らにとって幸いなのは、ゴベア、タウンズ、エドワーズに、一緒にケミストリーを高めていくための時間があるということだ。ゴベアの契約は短くても2024-25シーズンまでであり、タウンズのスーパーマックス延長契約は2027-28シーズンまで。エドワーズには可能になり次第、延長契約を結ぶはずだ。

ただ、コート上での話と同様に、ウルブズのギャンブルには表裏がある。ゴベアが言ったように、「勝利への窓はいつも大きいわけではない」ことだ。ウルブズは、残されたゴベアの全盛期を生かす必要がある。

トレードは、ウルブズの明白な主張だった。彼らは「今すぐ勝つ」というモードにある。

原文:Timberwolves' risky Rudy Gobert trade presents Minnesota with three burning questions ahead of pivotal 2022-23 season(抄訳)

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Jordan Greer is an NBA content producer for The Sporting News.
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