スー・バード引退 20年にわたりWNBAを支配した偉大な軌跡

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スー・バードの支配力を表現するのに、何から始めればよいだろう。

WNBAプレイオフ2022でシアトル・ストームが敗退し、感極まった様子で最後にコートを後にしたバードが、バスケットボールとシアトルの街にとって何を意味するかを表現するのに用いられたのは、「将来殿堂入りが確実」や「GOAT(史上最高)」といったフレーズだ。それらの表現は強いものではあるが、バードの偉大さを要約したものでしかない。

WNBAドラフトで全体1位指名されてから20年。バードはバスケットボール史上最も偉大なひとりとして引退する。

彼女は、最も偉大なポイントガードのひとりだ。

彼女は、最も偉大なリーダーのひとりだ。

彼女は、最も偉大な勝者のひとりだ。

まずは勝利という観点から見ていこう。バードはあらゆるレベルで勝利を収めてきた。WNBAがまだ始まったばかりで、マイケル・ジョーダンがまだシカゴ・ブルズに在籍していた1998年、彼女はクライスト・ザ・キング高校の全米優勝に貢献した。

コネティカット大学での新入生シーズンは大半を欠場したが、2000年には全米優勝に貢献した。4年生の時の2002年には、39勝無敗というシーズンをバードにとって大学で2度目の優勝で締めくくっている。彼女ほどの勝者にふさわしい締めくくりだ。

バードは21歳までに3つの全米タイトルを手にし、多くの個人賞も受賞した。続くドラフトで全体1位指名となったのは当然だったのだ。

1年目のシーズン、新人王にはなれなかったが、バードはオールスターに選出され、ルーキーながらオールWNBAファーストチームに選ばれた。

2002年のオールWNBAチームに選出された選手で、2016年以降もプレイした選手はバード以外にいない。そしてバードは2016年に自身5度目となるオールWNBAファーストチーム選出を果たしている。

14シーズン目でオールWNBAファーストチーム選出5回は、キャリアの終盤を通じてバードが高いレベルでのパフォーマンスを続けていたことを示している。バードはWNBAで4回優勝したが、そのうちの2回はキャリア最後の4シーズンで成し遂げたものだ。

バードとストームは2004年、2010年、2018年、そして2020年に優勝した。2000年代、2010年代、2020年代と、3つの異なるディケイドでタイトルを手にしたのだ。それ以前のタイトルも含めれば、4つの異なるディケイドで彼女は偉大な経歴を残したのである。

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(NBAE via Getty Images)

キャリア晩年も、バードはただいるだけではなかった。640試合とWNBAキャリアのすべてで先発出場し、卓越したレベルを維持したのだ。

それだけ卓越性を保てば、いつか破られることがあったとしても、それまでに時間を要すると思われる記録を残すものだ。バードは複数のカテゴリーでWNBA史上最多記録を樹立している。

  • 出場シーズン(20)
  • レギュラーシーズン出場試合(580)
  • アシスト(3,234)
  • 出場時間(18,080)
  • オールスター出場(13)

そして2021年開催の東京オリンピックで、バードは大学でチームメイトだったダイアナ・タラーシとともに、バスケットボール史上9人しかいないオリンピック5大会出場を果たした。そして、彼女たちはそのすべてで金メダルを獲得している。これもまた、破られることがないかもしれない記録だ。

バードのラストイヤーに、ストームはタイトルを獲得することができなかった。だが、これだけの記録を残し、バードはまだトップのまま引退する。

原文:Two decades of Sue Bird dominance: Celebrating the defining moments and stats as four-time WNBA champion retires from Seattle Storm(抄訳)

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Gilbert McGregor is an NBA content producer for The Sporting News.
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