ロサンゼルス・レイカーズは8月25日（日本時間26日）、ユタ・ジャズとのトレードで、テイレン・ホートン・タッカー、スタンリー・ジョンソンと引き換えに、パトリック・ベバリーを獲得したことを発表した。
ベバリーは昨季プレイオフに進出できなかったレイカーズを強化するだろう。ただ、このトレードは見た目以上の意義があるかもしれない。
レブロン・ジェームズと2023-24シーズンまでの延長契約を結んだのに続き、ベバリーを獲得したことは、落胆の一年を経て、ロスターを改善しつつ、大きな絵を描くことに集中しているということだ。
ウェストブルックをトレードするのか？
過去の様々な経緯から、ベバリーとラッセル・ウェストブルックは良好な関係にない。ロサンゼルスで彼らがチームメイトとして一緒にコートに立つのかどうかを疑問視するのは当然だ。
多くの人はベバリーの獲得で、レイカーズにおけるウェストブルックの日々が終わるのかと考えた。長年のいさかいに加え、ベバリーとウェストブルックはともにリードガードのポジションの選手だ。ケンドリック・ナンの復帰を考慮すれば、レイカーズはバックコートが人員過多となる。
この流れは、再びトレードが起きる可能性につながる。
2027年と2029年のドラフト1巡目指名権を保持しているレイカーズは、4700万ドル（約64億3900万円／1ドル＝137円換算）の契約最終年を迎えたウェストブルックと一緒に、2つの貴重なトレード材料を持つ。だが、どのチームが食いつくだろうか。
ブルックリン・ネッツが再びケビン・デュラント、カイリー・アービングと進んでいくことを決めただけに、ウェストブルックにとって最も論理的な行き先となるのは、インディアナ・ペイサーズだ。バディー・ヒールドとマイルズ・ターナーのセットは、レイカーズにとって重要なニーズを満たし、金銭的にもほぼ一致するはずだ。
ヒールドとターナーの新シーズンの合計サラリーは、ウェストブルック個人より780万ドル（約10億6860万円）少ない3920万ドル（約53億7040万円）。ならば、レイカーズは昨季55試合を欠場し、新シーズンのサラリーが810万ドル（約11億970万円）のTJ・マコーネルを獲得できるだろうか？
レイカーズの見返りが大きいように見えるかもしれないが、ペイサーズは将来に向けてのチームづくりを目指している。30歳のマコーネルを放出することは前進となるかもしれない上に、40歳を超えた頃のジェームズがいるレイカーズの指名権なら獲得する価値があるだろう。
レイカーズにおけるジェームズの将来への影響
ジェームズはレイカーズと2年の延長契約を結んだが、2024-25シーズンのプレイヤーオプションが含まれる。
このオプションは、ジェームズにとって、ロスター改善に動き続けるようにレイカーズに圧をかけ続けながら、柔軟性を保ち、報酬を最大化する機会となる。
ジェームズが移籍する可能性が脅威として続くため、ロブ・ペリンカGMとレイカーズのフロントはこの2年で再びタイトルを競うチームに戻るロスターをつくらなければならない。そのためには、機転を利かせたトレードと、フリーエージェントでお買い得な補強を実現させることが鍵となるだろう。
レイカーズの財政的柔軟性
『ESPN』が報じているように、この取引はレイカーズにとって将来的な資金面で大きい。
Trade recap
— Bobby Marks (@BobbyMarks42) August 25, 2022
To LAL: P. Beverley ($13M)
LAL opens up a roster spot and financial flexibility in 2023-24 (could have up to $34M in room)
To UTH: T. Horton-Tucker ($10.3M) and S. Johnson ($2.35M)
The Jazz create a $2.74M TE and have 15 guaranteed contracts.
ロスターの枠に空きが1つできるだけでなく、ベバリーの1300万ドルの契約は2022-23シーズンいっぱいのため、レイカーズは来年のオフシーズンでサラリーキャップに3400万ドル（約46億5800万円）の空きをつくることもできる。
今オフシーズンでレイカーズ加入が噂になったアービングは、2023年に無制限FAとなる。また、ギャリー・トレントJr.は2023-24シーズンのプレイヤーオプションを保持している。
そのほか、FAで注目株となる可能性がある選手には、ジョシュ・ハート（プレイヤーオプション）、カイル・クーズマ（プレイヤーオプション）、ラリー・ナンスJr.（無制限FA）、ディアンジェロ・ラッセル（無制限FA）と、元レイカーズの面々も含まれる。
レイカーズのロスター
| スターター | 2番手 | 3番手 | 4番手 | |
|---|---|---|---|---|
| PG | パトリック・ベバリー | ケンドリック・ナン | スコッティ・ピッペンJr.（2ウェイ契約） | |
| SG | ラッセル・ウェストブルック | ロニー・ウォーカー四世 | マックス・クリスティー | Javante McCoy |
| SF | レブロン・ジェームズ | オースティン・リーブス | フアン・トスカーノ・アンダーソン | |
| PF | アンソニー・デイビス | ウェニェン・ゲイブリエル | コール・スワイダー | Fabian White Jr. |
| C | トーマス・ブライアント | デイミアン・ジョーンズ | ジェイ・ハフ |
