過去20年のドラフト、各年のベストプレイヤー

Cleveland Cavaliers LeBron James

展望が示していたように物事が進むかは、誰にも確実には分からない。あらゆるドラフトも、適切な評価をするまでには時間が必要だ。

まもなく、NBAドラフト2020が開催される。今世紀のドラフトを振り返り、最も素晴らしい選手たちを特定するには良いタイミングだろう。

※カッコ内は指名チームと指名順位。

2019年 ジャ・モラント(メンフィス・グリズリーズ/2位)

新人王に選ばれたモラントは、平均得点(17.8)とアシスト(7.3)でグリズリーズをけん引。多くの人が想像していた以上に競争的だったチームで、1年目とは思えないプレイを披露した。将来、ニューオーリンズ・ペリカンズの怪物ザイオン・ウィリアムソンがモラントと競うのは確実だが、現時点ではモラントだ。

その他: ザイオン・ウィリアムソン(ニューオーリンズ・ペリカンズ/1位)、タイラー・ヒーロー(マイアミ・ヒート/13位)、ブランドン・クラーク(オクラホマシティ・サンダー/21位)

2018年 ルカ・ドンチッチ(アトランタ・ホークス/3位)

ホークスに指名された直後にトレイ・ヤングとのトレードでダラス・マーベリックスへ。新人王を受賞したセンセーショナルなシーズンに続き、2年目もMVP級の奮闘。サイズ、得点能力やトリプルダブルなど、レギュラーシーズンとプレイオフ合計でまだ139試合出場ながらエリートレベルとなった。

その他: トレイ・ヤング(ダラス・マーベリックス/5位)、ジャレン・ジャクソンJr.(メンフィス・グリズリーズ/4位)、シェイ・ギルジャス・アレクサンダー(シャーロット・ホーネッツ/11位)

2017年 ジェイソン・テイタム(ボストン・セルティックス/3位)

ダニー・エインジは初めから正しく理解していた。上位指名が一致しなかった奇妙な2017年のドラフトで、彼が選んだのはテイタムだった。テイタムはエリートスコアラーであり、ペリメーターで強く、そのサイズと多才ぶりで、リズムに乗ったら抑えることが不可能だ。プレッシャーが最高レベルとなるポストシーズンには、大事な時間帯に活躍できる選手であることも示した。

その他: ディアロン・フォックス(サクラメント・キングス/5位)、ドノバン・ミッチェル(デンバー・ナゲッツ/13位)、バム・アデバヨ(マイアミ・ヒート/14位)

2016年 ベン・シモンズ(フィラデルフィア・76ers/1位)

そのシュート力の物足りなさに不満を言う人は多いが、シモンズがリーグ有数の独特な肉体を持つ選手なのは変わらない。まだ得点能力を開花させていないが、オールNBAのパフォーマンスを見せ、最優秀守備選手賞の候補となった。健康を保ち、76ersのドック・リバース新ヘッドコーチが次のレベルに導ければ、シモンズは近いうちに正統なMVP候補になり得る。

その他: ブランドン・イングラム(ロサンゼルス・レイカーズ/2位)、ジェイレン・ブラウン(ボストン・セルティックス/3位)、ジャマール・マレー(デンバー・ナゲッツ/7位)、パスカル・シアカム(トロント・ラプターズ/27位)

2015年 デビン・ブッカー(フェニックス・サンズ/13位)

伝統重視派は、カール・アンソニー・タウンズではないかと主張するだろう。だが、これまでにブッカーが伸ばしてきたオールラウンドな才能を否定することは難しい。すでにエリートスコアラーで、プレイメイクと守備に磨きをかけており、モンティ・ウィリアムズHCの下でリーダーシップも身につけてきている。サンズがウェスタン・カンファレンスでプレイオフ進出を競うようになったのは、リーグ有数のシューティングガードとして進化を続けたブッカーの強みによる。

その他: カール/アンソニー・タウンズ(ミネソタ・ティンバーウルブズ/1位)、ディアンジェロ・ラッセル(ロサンゼルス・レイカーズ/2位)、クリスタプス・ポルジンギス(ニューヨーク・ニックス/4位)

2014年 ニコラ・ヨキッチ(デンバー・ナゲッツ/41位)

ナゲッツの才能を見いだし、成長させる力がはっきりと見えるのがヨキッチだ。魅力的なプロジェクトは、バスケットボール界最高のビッグマンとなった。ポイントガードのスキルセットを持ち、あらゆるところからシュートを決める器用さも兼ね備え、同じセンターの選手たちがカバーするのは不可能だ。オーランドのバブルでの働きは、そのプレイを次のレベルに高められるという以上のものだった。ドラフト全体41位指名でフランチャイズプレイヤーを見つけるのは、どの球団にとってもまれなことだ。

その他: ジョエル・エンビード(フィラデルフィア・76ers/3位)、ザック・ラビーン(ミネソタ・ティンバーウルブズ/13位)、ユスフ・ヌルキッチ(シカゴ・ブルズ/16位)

2013年: ヤニス・アデトクンボ(ミルウォーキー・バックス/15位)

2年連続のMVPと、最優秀守備選手賞を受賞したアデトクンボで決まりだ。最優秀守備選手賞に2度輝いたルディ・ゴベアも含め、この年の他を寄せ付けない。今後アデトクンボが何をできるか、それはリーグの他チームたちにとって最大の脅威だ。

その他: CJ・マッカラム(ポートランド・トレイルブレイザーズ/10位)、スティーブン・アダムズ(オクラホマシティ・サンダー/12位)、ルディ・ゴベア(デンバー・ナゲッツ/27位)

2012年 アンソニー・デイビス(ニューオーリンズ・ホーネッツ/1位)

ずっとこの年で最も才能ある選手だったが、それに伴う快挙に至っていなかった。(もちろんレブロン・ジェームズとのパートナーシップに助けられ)初優勝を果たした今こそ、本当の彼の攻撃が始まる。デイビスには歴代最高のパワーフォワードのひとりとなるチャンスがあるのだ。攻守両面でキャリア全盛期を迎えるのに必要な条件がそろっている。

その他: ブラッドリー・ビール(ワシントン・ウィザーズ/3位)、デイミアン・リラード(ポートランド・トレイルブレイザーズ/6位)、ドレイモンド・グリーン(ゴールデンステイト・ウォリアーズ/2巡目35位)

2011年 カワイ・レナード(インディアナ・ペイサーズ/15位)

2度の優勝と2度のファイナルMVPに加え、2度の最優秀守備選手賞も受賞した。確かにオーランドのバブルでは、クリッパーズと優勝することができなかった。だが、ティム・ダンカン、トニー・パーカー、マヌ・ジノビリがいたサンアントニオ・スパーズで守備のストッパー、ロールプレイヤーとしてキャリアを始めたレナードが、あらゆる期待を上回ったのは事実だ。

その他: カイリー・アービング(クリーブランド・キャバリアーズ/1位)、クレイ・トンプソン(ゴールデンステイト・ウォリアーズ/11位)、ジミー・バトラー(シカゴ・ブルズ/30位)

2010年 ポール・ジョージ(インディアナ・ペイサーズ/10位)

新進気鋭のスターだった2014年8月、アメリカ代表でプレイした時に悲惨な足の重傷を負ったが、ジョージはより良い選手となって戻り、リーグ有数のエリートクラスの2ウェイプレイヤーとなった。安定してオールスターに出場し、オールNBAやオールディフェンシブチームのパフォーマンスを披露している。それも、ペイサーズ、サンダー、そして今はクリッパーズと、異なる球団で、だ。この4シーズンで彼はこの年のトップに浮上した。

その他: ジョン・ウォール(ワシントン・ウィザーズ/1位)、デマーカス・カズンズ(サクラメント・キングス/5位)、ゴードン・ヘイワード(ユタ・ジャズ/9位)

2009年 ステフィン・カリー(ゴールデンステイト・ウォリアーズ/7位)

MVP受賞2回で優勝を3回経験したカリーは、リーグ最高のシューターとして、(「スプラッシュ・ブラザーズ」の相棒トンプソンとともに)歴代最高のバックコートシューターとして、すでに広く認められている。彼がNBAレベルのポイントガードとしてプレイできないと考えた評論家たちは全員、それまでのシューターにはできなかった形でフロアを広げる能力で彼がポジションの定義やバスケットボールを変えるとは分かっていなかった。

その他: ブレイク・グリフィン(ロサンゼルス・クリッパーズ/1位)、ジェームズ・ハーデン(オクラホマシティ・サンダー/3位)、ドリュー・ホリデー(フィラデルフィア・76ers/17位)

2008年 ラッセル・ウェストブルック(シアトル・スーパーソニックス/4位)

ウェストブルックがそのキャリアで成し遂げてきたことやインパクトを考えれば、議論するのは難しい。2017年のMVPやオールスター出場9回、オールスターMVP受賞2回、金メダル獲得2回(2010年世界選手権と2013年オリンピック)、各2回の得点王とアシスト王と、彼のトロフィーケースはあふれんばかりだ。そして、3シーズン連続で平均トリプルダブルを達成したことも忘れてはいけない。

その他: デリック・ローズ(シカゴ・ブルズ/1位)、ケビン・ラブ(メンフィス・グリズリーズ/5位)、サージ・イバカ(シアトル・スーパーソニックス/24位)

2007年 ケビン・デュラント(シアトル・スーパーソニックス/2位)

バスケットボールの歴史で最も偉大なスコアラーのひとりであるデュラントは、優勝2回を経験。ファイナルMVPを2度受賞した。現在は3つ目のチーム、ブルックリン・ネッツをファイナルに導こうと取り組んでいる(サンダーとウォリアーズでは実現)。2014年のMVP受賞者で、得点王に4回輝き、オリンピックでは金メダルを2つ獲得(2012年と2016年)。世界選手権でも2010年に金メダルを手にした。2年連続でレブロン・ジェームズをファイナルで上回り、本当にずば抜けたタレントの世代のひとりとして地位を確立した。

その他: アル・ホーフォード(アトランタ・ホークス/3位)、マイク・コンリー(メンフィス・グリズリーズ/4位)、ジョアキム・ノア(シカゴ・ブルズ/9位)、マルク・ガソル(ロサンゼルス・レイカーズ/2巡目48位)

2006年 カイル・ラウリー(メンフィス・グリズリーズ/24位)

3、4年目のラウリーがこのリストに入ることはなかっただろう。いうなれば、その後の活躍の功績だ。ラウリーが適所を見つけるまでにはしばらく時間を要した。グリズリーズやロケッツでは、ラプターズで球団のアイコンとなったような結果を生み出すことができなかった。だが、ラプターズでラウリーのキャリアは始まり、オールスター出場6回に加え、2019年に優勝を遂げている。2016年のオリンピックで金メダルも獲得し、同時代で最も粘り強い選手のひとりとしてレガシー(遺産)を確かにした。

その他: ラマーカス・オルドリッジ(シカゴ・ブルズ/2位)、ブランドン・ロイ(ミネソタ・ティンバーウルブズ/6位)、ラジョン・ロンド(フェニックス・サンズ/21位)

2005年 クリス・ポール(ニューオーリンズ・ホーネッツ/4位)

殿堂入りが確実で、NBA史上最も偉大なポイントガードのひとりであるポールは、同世代を含むあらゆる世代で最も競争的な選手、最も気骨のある選手のひとりとして評価を確かにしていった。オールスター出場10回、オールNBA選出9回に加え、オールディフェンシブチーム選出も9回。2013年にはオールスターMVPも受賞した。スティール王は6回、アシスト王は4回。2008年と2012年のオリンピックで金メダルを獲得しており、ポールのレガシーはすでに確実だ。

その他: デロン・ウィリアムズ(ユタ・ジャズ/3位)、ダニー・グレンジャー(インディアナ・ペイサーズ/17位)、デイビッド・リー(ニューヨーク・ニックス/30位)

2004年 ドワイト・ハワード(オーランド・マジック/1位)

キャリアの前半は、バスケットボール界最高のビッグマンという称号を争った。ルーキーシーズンから2013-14シーズンまでの功績だけでも、この年のベストプレイヤーとして簡単な選択肢だ。オールスター出場8回、オールNBA選出8回、最優秀守備選手賞受賞3回、オールディフェンシブチーム選出5回、リバウンド王5回。2008年に金メダルも獲得し、殿堂入りのスタッツだ。レイカーズでの先日の優勝は、さらなる添え物でしかない。

その他: ルオル・デン(フェニックス・サンズ/7位)、アンドレ・イグダーラ(フィラデルフィア・76ers/9位)、トニー・アレン(ボストン・セルティックス/25位)

2003年 レブロン・ジェームズ(クリーブランド・キャバリアーズ/1位)

優勝4回、ファイナルMVP4回、MVP4回。ジェームズは常にこの年のドラフト組を先んじた。事実、17シーズンを通じて彼が負い求めたのは、それよりももっと大きなことだ。レイカーズで4度目のタイトルを手にした今ほど、史上最高選手への挑戦が強まったことはない。過去20年のドラフトで最も偉大な選手であることは議論の余地なしだ。そしてマイケル・ジョーダン、カリーム・アブドゥル・ジャバーとともに、史上最高選手を巡る議論に定着した。

その他: カーメロ・アンソニー(デンバー・ナゲッツ/3位)、クリス・ボッシュ(トロント・ラプターズ/4位)、ドウェイン・ウェイド(マイアミ・ヒート/5位)

2002年 ヤオ・ミン(ヒューストン・ロケッツ/1位)

過去20年のドラフトにおいて、トップを争うレースが最も接戦だった年を制したのがヤオ・ミンだ。彼は真のゲームチェンジャーだった。シャキール・オニールに真のフィジカル勝負を挑むなど、当時規格外のビッグマンにしかできなかった方法で、NBAをグローバルなものとした。ヤオ・ミンと僅差だったのは、アマレ・スタウダマイアー。健康だった全盛期はリング付近で誰よりも高く、プレイオフでティム・ダンカンのような選手たちに対抗できた。

その他: アマレ・スタウダマイアー(フェニックス・サンズ/9位)、カロン・バトラー(マイアミ・ヒート/10位)、テイショーン・プリンス(デトロイト・ピストンズ/23位)

2001年 トニー・パーカー(サンアントニオ・スパーズ/28位)

同じように複数回優勝を経験したインターナショナルプレイヤーであるパウ・ガソルもいるが、2007年にファイナルMVPを受賞し、スパーズで4回優勝したパーカー以外はあり得ない。スパーズ王朝の主軸で、リーグで最も過小評価されていた選手として簡単に挙げられる。オールスター出場6回、オールNBA選出4回。9番はすでに永久欠番で、殿堂入りが確実だ。

その他: パウ・ガソル(アトランタ・ホークス/3位)、ジョー・ジョンソン(ボストン・セルティックス/10位)、ザック・ランドルフ(ポートランド・トレイルブレイザーズ/19位)、ギルバート・アリーナス(ゴールデンステイト・ウォリアーズ/2巡目31位)

2000年 ケニオン・マーティン(ニュージャージー・ネッツ/1位)

2000年の新人王を受賞したのは、マイク・ミラーだ。この年のドラフト組で最も長く現役生活を送ったのは、ジャマール・クロフォードだ。しかし、最高のオールラウンドプレイヤーだったのはマーティンである。2年連続でファイナルに進出したネッツを支え、2009年のウェストのファイナルでコービー・ブライアント率いるレイカーズに敗れたナゲッツの守備の屋台骨でもあった。2004年にオールスターに出場。ネッツ、ナゲッツ、クリッパーズ、ニックス、バックスでの15シーズンで、平均12.3得点、6.8リバウンド、1.9アシスト、1.2スティール、1.1ブロックを記録した。

その他: ジャマール・クロフォード(シカゴ・ブルズ/8位)、マイク・ミラー(オーランド・マジック/5位)、ヒドゥ・ターコルー(サクラメント・キングス/16位)

原文:Best player from last 20 NBA Drafts by Sekou Smith/NBA.com(抄訳)


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