ネッツでの2年目に臨むブレイク・グリフィン「チームの共通の目標は優勝のみ」

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Blake Griffin Brooklyn Nets

ブルックリン・ネッツがオーバータイムの末にミルウォーキー・バックスに111-115で敗れた昨季のイースタン・カンファレンス・セミファイナル第7戦で、ブレイク・グリフィンがファウルアウトになり、バークレイズ・センターの観客から拍手で見送られながらコートを後にしたのは、残り1分25秒のことだった。

この試合でグリフィンは17得点、11リバウンドとダブルダブルを達成したが、その活躍はボックススコアに記される以上のものだった。40分にわたってヤニス・アデトクンボとぶつかり合ったこの夜、そしてシーズン半ばにネッツに加入して以降の約3か月にわたり、グリフィンはフロアで尽力してきた。

グリフィンは「街を歩いていて、みんなの声を聞き、得点やダンクだけでなく、ハードにプレイしたことを認めてもらえると、いつもありがたく思った。このチームにとって埋める必要のある穴だったんだと感じたんだ。それを埋めるのが自分の役割だと思った」と話している。

デトロイト・ピストンズで1か月ほど試合に出られず、ネッツで出られるようになった移行期のシーズン、グリフィンが「とても長くて奇妙」と評したシーズンは、その夜に終わった。

直後、グリフィンは少しの間、試合から遠ざかった。しばらくは、プレイオフのその後も見なかった。ショーン・マークスGMとランチし、ロサンゼルスに戻って家族とくつろぎ、将来についてもしばらくは後回しとした。

ほかの選択肢や他チームの話を聞くことも考えたが、彼はすでに自分がネッツに戻ることを望んでいると分かっていた。そして、グリフィンはもっと安定したシーズンを目指し、より腰を据えてシーズンに備え始めた。

グリフィンは「状況に慣れ親しむようになれば、さらに自信を感じられる。ほかのことに関してリラックスできて、バスケットボールだけに集中できるんだ。それは大切なことなんだよ」と話している。

「それが、僕にとっては常に良いことなんだ」。

グリフィンはもう少しリーダーシップを発揮する役割を担うとも言っている。NBAで12年目のシーズンを迎える彼に不足はない。オールNBA選出は5回、オールスター選出は6回。キャリア通算で平均20.9得点は現役選手で13位の数字だ。フィールドゴール成功率は49.5%。平均8.6リバウンド、4.3アシストもマークしている。

ブルックリンでの昨季の彼は、まだチームの新顔だった。

グリフィンは「最初にチームに加わる時は、本当に不思議な感じなんだ。何かを言う権利を獲得したとは感じない。どれだけ長くプレイしてきても、どんなことをやってきたとしてもね」と述べている。

「いつでも周囲の敬意を勝ち取らなければいけないものだと思う。僕にとっては、ケビン(デュラント)のリーダーシップの役割を少し和らげる助けとなろうとするのが大切だ。その役割を彼から奪うのではなく、和らげるということだ。ケビンとジェームズ(ハーデン)だね。彼らはいつも話すからだ。スティーブ(ナッシュ・ヘッドコーチ)も同じだよ。ほかの人の話を聞くのが良いこともある。時には僕の出番かもしれない。みんなを盛り立て、けん引するんだ。それが今季の僕の目標かな。自分の場所を見つけて、どこで貢献できるかを見出すんだ」。

昨年の彼の役割は、長年培ってきた多才な攻撃スキルを生かし、異なるフロントコートの組み合わせにスムーズに溶け込む、頑丈な接着剤のような存在となることだった。最初の6シーズンで1試合平均3P試投数は1本に満たなかったグリフィンだが、キャリアの後半では3Pを打つようになった。昨季、ネッツでは1試合平均試投が3.1本の成功率38.3%だ。また、2018-19シーズンまでの5シーズン、彼は平均4.9アシストも記録している。

ネッツでの26試合で、グリフィンは平均21.5分間プレイし、10.0得点、4.7リバウンド、2.4アシスト、FG成功率49.2%を記録している。彼が出場した560分間で、ネッツは得失点差がプラス130を記録。1分間平均プラス0.23点は、チームでニコラス・クラクストンとデュラントに続く3番手だ。

最初の6週間はほとんどベンチスタートからパワーフォワードとセンターのポジションを行き来し、レギュラーシーズン残り6試合で先発センターとなり、プレイオフの12試合でその座を維持した。

それは、4月半ばにラマーカス・オルドリッジが突然引退を表明した結果でもあった。だが、そのベテランセンターは戻ってきた。さらにポール・ミルサップも加わった。昨季は層が薄いこともあったフロントコートの人数が今季は増している。グリフィンはチームの強化を歓迎した。

グリフィンは「ここは全員に共通の目標がある」と話している。

「一定のことを我慢しなければいけない状況もある。3月にここに来た時は、どれくらい出場時間があるのかはっきり分かっていなかった。でも、僕は喜んでその機会を受け入れることにしたんだ。ちょっと自分に賭けて、『オレはバスケットボールのやり方を知っている。出場するにふさわしければ、プレイタイムを勝ち取れるはずだ』と言い聞かせることも多いんだ。僕ら全員に共通する考え方だと思う。みんなでやっていくことになるはずさ」。

その共通の目標とは、NBA優勝だ。グリフィンやオルドリッジ、ハーデン、ミルサップといった選手たちが、オールスターに選ばれたキャリアの中で達成できていないことである。

グリフィンは「ここのみんなは同じ船に乗っているようなものだと思う」と話した。

「もちろん、ケビンとカイ(カイリー・アービング)は優勝したことがある。でも、僕らの大半は、個人の成功を収めても、優勝したことがないんだ。みんながこの共通の目標に向かって団結しているのは大きいと思う。同じことを考えているのさ。それこそが、僕らの本当の、唯一の目標なんだよ。僕らが狙うのは、優勝だけだ」。

原文:BLAKE GRIFFIN SETTLED IN FOR YEAR 2 WITH BROOKLYN NETS by TOM DOWD/Nets.com(抄訳)


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