ゴールデンステイト・ウォリアーズは、今オフシーズンで最も注目を集めた動きのひとつを見せた。新星ジョーダン・プール、ライアン・ロリンズ、将来のドラフト指名権2つと引き換えに、ワシントン・ウィザーズから殿堂入り確実なクリス・ポールを獲得したのだ。
ポールとウォリアーズの間には、前者がロサンゼルス・クリッパーズに所属していた時からの因縁がある。ウォリアーズにとってウェスタン・カンファレンスで最も手ごわい競争相手がヒューストン・ロケッツだった期間に、その関係は激しさを増した。
ドレイモンド・グリーンは以前、「CP（ポール）のことがまったく好きじゃない」とはっきり認めていた。スティーブ・カー・ヘッドコーチは『NBA Today』で「我々みんなが彼を嫌いだったのは、我々が競っていたからだ。そして彼が優れていたからだ」と述べている。
「今はその彼がウチの選手になったから、大好きだよ」
オールスター選出12回のポールは、かつて敵だった選手たちと一緒に、NBA初優勝を追い求め続ける。ウォリアーズの主軸は、そのポールが自分たちのチームにいることに慣れなければいけないだろう。
ポールはこの週末、今月開幕するFIBAバスケットボールワールドカップに向け、トレーニングキャンプを行っているカーHCのアメリカ代表を訪れた。
Look who stopped by USA FIBA World Cup Training Camp 👋 @usabasketball || #DubNation pic.twitter.com/rOvhrgE6Tw
— Golden State Warriors (@warriors) August 7, 2023
カーHCは「クリスは本当に素晴らしい競技者なんだ。歴代最高のひとりだと思う」と述べている。
「本当に賢い。試合をコントロールする。常に3歩先を考えているんだ。ミッドレンジでどんなショットも自分が望むように決める」
指揮官は「昨年の我々には別の攻撃のかたちが必要だった」と続けた。
「ステフ（ステフィン・カリー）と高い位置でのスクリーンで、やや一面的になりすぎていたんだ。違う面を見せるために、別のプレイメーカーが必要だった」
『NBA.com』のスタッツによると、カリーは1試合あたりのピック＆ロールのポゼッションが平均8.9回。プレイオフでファーストラウンドを突破したチームの中では、ニューヨーク・ニックスのジェイレン・ブランソン（10.8）に続き、マイアミ・ヒートのジミー・バトラーと並ぶ2位タイだった。
カーHCは「知ってのとおり、クリスはピック＆ロールで歴代最高のひとりだ」と話している。
「彼はテンポのコントロールの仕方を知っているのだろう。特にプレイオフでそういう選手がいることは非常に重要だ。そしてそういう選手はなかなか見つからない」
「クリスがウチに加わって、我々は本当にうれしく思っている。来季、何ができるか見てみよう」
"Our team last year needed another way to attack. We became a little too one dimensional with Steph [Curry] in high ball screens. We needed another playmaker to give us a different look."
— ClutchPoints (@ClutchPoints) August 6, 2023
Steve Kerr on the Warriors adding Chris Paul.
(via @SInow)pic.twitter.com/0o5ae6zfjt
ポールという信頼できるボールハンドラーが新たに加わることで、ウォリアーズはカリーやグリーンの負担を減らすことができるだろう。ポールはいまだNBA有数のミッドレンジスコアラーであり、カーHCも言ったように、ピック＆ロールに関しては史上最高のマエストロのひとりとみなされている。
それぞれボールを支配するガードであるカリーとポールが共存し、やりやすくプレイするのには、時間がかかるかもしれない。しかし、ポイントゴッド（ポールの愛称）のようなプレイメーカーとのプレイで、史上最高シューターが恩恵を受けられることは疑いない。
ポールが攻撃面でウォリアーズに違うかたちをもたらせることにカーHCが興奮しているのを見る限り、機能させるための方法を指揮官が見つけることは間違いなさそうだ。
