レブロン・ジェームズも絶賛、第4戦で重要な働きを見せた“野獣”ドワイト・ハワード

LeBron James Dwight Howard Los Angeles Lakers

ずっと昔、この街でドワイト・ハワードを優勝への道のりの中心にするという考えは、大いに納得のいくものだった。当時の彼はリーグで最も支配的なビッグマンであり、オーランド・マジックの顔で、バスケットボール界最高のビッグマンと考える人が多かったのだ。

それから月日が流れ、彼のプロフィールは大きく変わった。だが、9月24日(日本時間25日)、ロサンゼルス・レイカーズがデンバー・ナゲッツに114-108で勝利し、NBAファイナル進出まであと1勝としたアドベントヘルス・アリーナでの試合で、ハワードはレイカーズの中心にいた。

レイカーズがシリーズを3勝1敗とリードし、26日(同27日)の第5戦で勝負を決めるチャンスを手にした理由はたくさんある。序盤はアンソニー・デイビス(34得点、5リバウンド)が支配し、足首をひねった痛みに耐えてプレイし、力強くフィニッシュした。レブロン・ジェームズは攻守両面で優れ、終盤は守備でナゲッツの得点マシンだったジャマール・マレーを封じている。

だが、レイカーズにとって違いとなったのは、スターターとしてオールNBAのセンター、ニコラ・ヨキッチに対峙したハワードのエネルギーと活発さだった。

スモールボールで攻撃するヒューストン・ロケッツとのカンファレンス・セミファイナルで出番がなかったハワードが、ナゲッツとの第4戦では試合開始からフランク・ボーゲル・ヘッドコーチが採用したフロントラインの主軸となったのだ。

ハワードのオフェンシブリバウンドやヨキッチに対するフィジカルなプレイは、レイカーズが調子を定めるのに役立った。

レブロン・ジェームズは「ドワイトは野獣だった」と話している。

「僕らが何度かショットを外したときに、チャンスを与えてくれた。AD(デイビス)は外さなかったけど、チームとして僕らは何度か外していた。彼が攻守両面でリバウンドを拾って僕らを押し戻してくれ、ペイントを支配できたんだ。第3戦ではリバウンドでやられたから、そこでもっと良い仕事をしたかった。ハワードがあのフィジカルさをもたらしてくれたんだ。素晴らしかった」。

今季のハワードは控えのロールプレイヤーだったが、このタイミングを理解している選手らしいプレイだった。12得点、11アシストをマークし、2017年以来となるプレイオフでのダブルダブルを達成。レイカーズはオフェンシブリバウンドで12-6と上回り、セカンドチャンスからの得点はナゲッツの6得点に対して25得点だった。

デイビスも「このシリーズ全体におけるドワイトのインパクトは非常に大きい」と、ハワードに感謝している。

「前半だけで彼は6オフェンシブリバウンドだ。厄介なヨキッチと勝負してくれた。前回のシリーズでプレイしていない選手が、大きなインパクトを残したんだ。彼は準備を整えていた。今夜は先発出場し、僕らのために良いプレイをしてくれた」。

ジャベール・マギーに代えてハワードをスターター起用することを、ボーゲルHCはあまり迷わなかった。ヨキッチを苦しめたハワードの力は、それまでにプレイした時間で明確だったのだ。彼のインパクトは紛れもないものだった。

ボーゲルHCは「ドワイトはエネルギーをもたらしてくれるんだ」と話している。

「すべての試合で相手よりもハードにプレイするチームになるという点で、我々が具現化したいと望んでいることに、彼はフィットする。非常にハードに、フィジカルにプレイする。今夜は我々が波に乗るのに大きく貢献してくれた」。

ヨキッチは序盤からファウルトラブルに陥り、16得点、7リバウンド、4アシストと苦しんだ。レイカーズにとって最大の問題だったのはマレー(32得点、8アシスト)だ。

だが、最後の5分間はジェームズがマレーを守った。レイカーズが勝利を決める上で重要だった守備において、ジェームズが見せたNBAトップレベルの長さ、強さ、タイミングは決定的だった。

ボーゲルHCは「レブロンが(マレーの守備を)やらせてくれと求めてきたんだ。もちろん、認めた」と話している。

「終盤の彼は素晴らしい仕事をし、1on1で抑えようとした。今夜のマレーは素晴らしかったんだ。レブロンがやってくれるまで、彼をスローダウンさせようとしても、うまくいっていなかった」。

それは、勝負所を分かっている、優勝経験3回の17年目のベテランに期待する働きだった。

ジェームズは「どこで勝てるかは分かっているし、ジャマールは好調だった」と述べている。

「彼は特別な選手だよ。いろいろなショットがある。3ポイントショットも、ミドルレンジも、ペイント内からでも打てる。自分の守備力を信じるだけだった。映像で研究してきたことを信じたんだ。チームメイトたちに、僕がやると言った。何度か止めることができ、僕らはリバウンドを拾えた。それが最も大切なことだ」。

ナゲッツのシリーズを仕上げるのが、レイカーズにとって最も重要なことだ。これまでのラウンドでは、ユタ・ジャズとロサンゼルス・クリッパーズがその任務に失敗した。それぞれ3勝1敗とシリーズをリードしてからナゲッツに敗れている。

同一シーズンのプレイオフの複数シリーズで1勝3敗から逆転したのは、NBAプレイオフの歴史でナゲッツが初めてのチームだ。シーズンが懸かる一戦で、ナゲッツは最も危険で最高のチームだったのだ。

ボーゲルHCは「もちろんそうだ。今季の彼らは(1勝3敗からの逆転勝利を)2回やってきている。攻守両面で非常に難しい相手だ」と話した。

「彼らは守備でよく鍛えられている。スピードとフィジカルが素晴らしい。もちろん、ジャマールとヨキッチは攻撃で極めて高いレベルのプレイをしているよ。サポーティングキャストたちもだ。ベンチもファンタスティックだ。彼らに大きな敬意を払っている。このシリーズを終わらせるために、やるべきことがたくさんあるのは確かだ」。

また、レイカーズはデイビスが健康で準備を整えられるようにしなければいけない。第4戦で彼は痛みをこらえてプレイした。デイビスは「このチームが相手では、決して気楽にはなれない」と話している。

「彼らはこの状況を2回経験している。僕らも2回だ。両チームともこれらの状況に慣れている。でも、このチームが消えることはない。前回の試合で言ったように、僕らは彼らを倒さなければいけないんだ。彼らは戦い続けるだろう。どんなスコアでも、どんな状況でもね。僕らは彼らがやるすべてに対抗しなければいけない」。

原文:Dwight Howard rebounds, fights for championship contention by Sekou Smith/NBA.com(抄訳)​


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