プレイオフに向けてすべての瞬間を大切にするサンダー

Thunder Chris Paul Billy Donovan

オクラホマシティ・サンダーのプレイオフ1回戦の相手が確定した。サンダーは、8月18日(日本時間19日)から始まるシリーズで、ヒューストン・ロケッツと対戦する。

サンダーのヘッドコーチ、ビリー・ドノバン率いるチームは、プレイオフ前の週末に、引き続き、練習やフィルムスタディをこなし、リズムの構築に努める。

試合中も練習中も、すべての時間がサンダーには大切だ。8月12日(日本時間13日)のマイアミ・ヒートとの試合で、22点差を逆転して勝ったときもそうだ。第4クォーターには、すでに両チームのスターターはベンチに下がっていたが、サンダーの控え選手たちは、プレイオフで必要となる集中力をもって精力的にプレイしていた。

「どのチームも、本当に良くなるためには、信じる気持ちと希望を持っていなくてはならない」と、ドノバンHCは話す。

「この状況で、その信じる気持ちや希望が欠けていたら、おそらくかなり早い時点でシーズンを終えることになるだろうね」。

「精力的にプレイする準備ができていて、コート上で声を掛け合って、相手を止めて、ハードにプレイして、それができたらオフェンスがどんな結果になっても受け入れられる。そういうマインドセットを持っていなきゃだめだね」と、ベテランのフォワード、マイク・マスカーラは言う。

サンダーは、必須とされるその自信を持ってバブルにやってきた一方で、コート以外では、『何も期待せず、何も求めず』という感謝の姿勢ですべてに対処している。その考え方は、コート上のプレイがぎくしゃくする可能性があるという現実的な理解あってのものだ。観客席にはファンがおらず、アリーナでの声援は限られ、自分たちで場を盛り上げる必要があるという状況で、ゼロからどうチームを再構築するかはサンダーにかかっていた。

「誰もがゼロからのスタートだ。ほかのチームよりも、ほんの少し早くまとまっていくチームもあるだろう。今はみんな、それに向けて努力しているんだと思うよ」。

ドノバンHCは、サンダーのシーディングゲームが始まる前の7月31日の時点でそう話している。

「私たちは、全員をプレイできる状態に戻そうと努力していて、リーグ全体でもそれはみんな同じだと思う」と、ドノバンHCは付け加えた。

「おそらく、試合が少し雑になるときがあるだろうけどね」。

サンダーはバブルで、勝ち負けを交互に繰り返している。ユタ・ジャズを圧倒し、デンバー・ナゲッツにオーバータイムで負け、ウェスタン・カンファレンス首位のロサンゼルス・レイカーズを倒して、メンフィス・グリズリーズとの一戦を落とし、ワシントン・ウィザーズにきちんと勝って、灼熱のフェニックス・サンズにやられ、そしてヒートに対しては第4Qの魔法を使って勝利した。一貫して勝ち星をあげ、継続的に選手を出場させたいとチームも強く思っていたが、そう簡単に思い通りになるものではない。

シーズンを通して相手チームを支配してきた、トリプル・ポイントガードのラインナップが一緒にプレイしたのは、ユタに勝利した試合だけだ。その後、デニス・シュルーダーはバブルを離れ、妻と小さな息子と共に、第二子となる娘をこの世に迎えている。

スティーブン・アダムズは脚捻挫で3試合を、テレンス・ファーガソンとナーレンズ・ノエル、マスカーラは、それぞれ2試合欠場した。シェイ・ギルジャス・アレクサンダーとダニーロ・ガリナーリは、ともに1試合ずつ欠場している。さらに、サンダーのルーキー、ルーゲンツ・ドートは8月12日(日本時間13日)の試合中に膝を痛め、その後試合に戻ることはなく、チームは検査の結果を待って、彼の今後を決定することになっている。

一方で、アンドレ・ロバーソンは、2年半にわたる怪我のリハビリを終えてチームに合流した。そして、ダリアス・ベイズリーやハミドゥ・ディアロのような若手選手は、さらに良い選手になって戻ってきただけでなく、前とは違う選手になっている。

 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 

Grand theft basketball.

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「このために、僕らはすごく努力してきたんだ」と、サンダーのポイントガードであり、選手会会長としてバブル実現に一役買ったクリス・ポールは話す。

「彼らのシュートは中断前とは違う。彼らはさらに自信をつけて戻ってきた。どんなことに対しても、時間と労力を注ぎ込んでいたら、チームメイトにはわかるよ。僕たちのチームには、とにかく違うレベルの信頼があるんだ」。

結果的に、コート上では見慣れないラインナップや組み合わせが起きている。また、それがターンオーバーであれ、ゴールに攻めていく能力であれ、ディフェンスにおけるコミュニケーションであれ、遂行力のレベルに一貫性がなくなっている。

「プレイはちょっと途切れ途切れだね」と、ドノバンHCは言う。

「自分たちのリズムを取り戻すためにはこういう試合も必要だよ。自分たちのスタイルでプレイするためのペースや持久力を取り戻すためにね。選手たちのマインドセットは良いと思う。引き続き、良くなるように努力を続けなくてはいけないね」。

サンダーが最高の状態のときは、プレイオフの中でも大きな脅威とされる、レイカーズやジャズ、ヒートを倒し、王者のようにも見える。しかし、周りを見てみると、サンダーが悪戦苦闘しているときは、ほかのチームも非常に似た状況にあることがわかる。ウェスタン・カンファレンスの上位8チームの中に、3試合連続で勝ったチームは存在しない。実際、ウェスタン・カンファレンスの上位3チーム(レイカーズ、ロサンゼルス・クリッパーズ、ナゲッツ)のバブルでの成績は、全部合わせても10勝11敗だ(※記事が公開された8月13日時点。その後、シーディングゲームズが終了した地点でブレイザーズがバブルのウェスタン・カンファレンスのチームで唯一3連勝を果たした。レイカーズ、クリッパーズ、ナゲッツの勝敗は11勝13敗に)

「どのチームも、対処しなければならない、なんらかの困難を抱えているものだよ」と、ドノバンHCは話す。

「誰にでもチャレンジはあり、誰もが問題を抱えている。ここでみんながやろうとしているのは、自分の選手たちが良いリズムをキープできて、コンディショニングを維持できて、そして試合に出ることができて、翌日もまた試合に戻ることができるような、そんなレギュラーシーズンを、確実に最後までやりきれるようにすることだ」。

「ほかのみんなと同じように、僕たちは、3月にプレイしていたときと同じリズムを取り戻す努力をしているよ」と、ベテランフォワードのガリナーリは言う。

「それは、簡単にすぐできることじゃない。時間がかかるけれど、僕らは必ずそこにたどり着くよ」。

それでも、試合以外のサンダーのつながりは、これまでと変わらず良好だ。ポールは、タイムアウト中にサイドラインを行ったり来たりしながら、選手やコーチに声をかけている。その姿は、まるで会社の中で様々な部署をチェックして回る社長のようだ。

若手選手たちは、ベテランのアドバイスに注意深く耳を傾けている。ヒート戦でマスカーラが決勝点となる3Pを沈めたときや、厳しい試合のあとに仲間を元気づける必要があるときには、みんなが完全にチアリーダーのモードになっている。

 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 

MUSKY FOR THREE‼️‼️‼️

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「本当に特別なグループだと思う」と、フォワードのアブデル・ネイダーは言う。

「この結束は本物だね」。

プレイオフで重要になってくるのが、その種の繋がりだ。ポストシーズンとなるとよく言われるものに、「頼れるのは自分たちしかいない」という言葉がある。バブルの中で、家族と離れ、ファンもいない、不慣れな環境で、ラインナップを入れ替えてリズムを取り戻すことに費やした2週間を終え、その格言はこれまで以上に真実味を増していくだろう。

「僕らは、とにかく目の前のことに集中して、戦い続けるだけさ」と、ポールは言う。

「すべてのチームがこのレギュラーシーズンの間にやろうとしているのは、自分たちのチームを確実に、7試合のうち4回も倒すことができないと思えるチームにしておきたいってことだね」。

 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 

LANGSTON LIONS. @cp3 x @langstonuniversity

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keep grinding.

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原文: Every Moment Precious in Building Towards Round 1 by Nick Gallo/OKCThunder.com(現地8月13日掲載)
翻訳: YOKO B Twitter: @yoko_okc


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