サンダーはギディーをトレードすべきなのか?FIBAワールドカップ2023で活躍したギディーとギルジャス・アレクサンダーの相性は?

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Josh Giddey and Shai Gilgeous-Alexander
(Getty Images)

3年にわたり有望選手を選別してきたオクラホマシティ・サンダーは、オールNBAガードのシェイ・ギルジャス・アレクサンダー(SGA)が、彼を中心にチームを作るに値するスター選手だということをはっきりと認識している。

サンダーは昨シーズン、彼との相性がぴったりというわけではないメンバーで躍進し、40勝を記録した。サンダーは意外に早く、彼のスキルを最大限に生かせる選手の起用を優先する必要が出てくるだろう。そして、それは彼らが直面する最大の問題を浮き彫りにする。

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サンダーはジョシュ・ギディーをどうすべきなのか?

ギディーはそれなりに有望な選手へと成長している。昨シーズン、彼が記録した1試合平均16.6得点、7.9リバウンド、6.2アシストという数字は、20歳以下のNBA選手ではマジック・ジョンソンとルカ・ドンチッチの2人しか達成していない。

ギディーがその2人の足元にも及ばないのは明らかだが、自分のベストを発揮するためにはボールを持つ必要があるめずらしいタイプの選手という点では似ている。

そこで気になるのは、明らかにギディーより優れていて、リーグでもよりボールを保持するスーパースター選手の1人であるギルジャス・アレクサンダーと対立する可能性があることだ。はっきりさせておくが、2人がお互いに敵意を表明したことは一度もないし、サンダーがどちらかをトレードすることに興味を示したこともない。しかし、理論上は、彼らの相性はぴったりではないのだ。

SGAのためにまだカスタマイズされていないシステムで、SGAがここまで成功したという事実からわかるのは、彼がいかに優れた選手であるかということである。サンダーは彼のドライブのスペースを作るために、5人の選手を外に配置するファイブアウト・オフェンスに取り組んでいる。

ただし、対戦相手はサンダーのシューティング力を完全に信じているわけではない。バスケットボール・データアナリストのKishna Narsuによると、彼に与えられるスペーシングは367選手中296位だった。

シューティングはチーム全体の問題だ。昨シーズンのサンダーは、3ポイントショット成功率で17位3P試投率で18位だった。サンダーがギルジャス・アレクサンダーの周りに4人のシューターを置くことがあれば、彼はいつかMVP候補に躍り出るかもしれない。

スペーシングの問題に影響を及ぼしているのはギディーだけではないが、それでも彼の存在は大きい。

ギディーは昨シーズン、3Pを32.5%の確率で成功させるなど、シューターとしてそこそこの成長を遂げた。しかし、3Pはまだ彼の弱点だ。それは、FIBAワールドカップ2023での3P成功率16.7%という惨状を見てもわかる。これでは、ディフェンダーが通常のヘルプディフェンスの原則としては致命的とされる高確率のコーナーの守備を捨てても、SGAにもう1人ヘルプを付けることになる。

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ギディーとSGAのペアが機能しないことは数字に裏付けられている。昨シーズン、ギルジャス・アレクサンダーがギディーなしでプレイしたときには、サンダーはネットレーティング(100ポゼッション平均での得失点差)でプラス8.5という見事な数字を残した。ギディーと一緒のときは、この数字はマイナス1.5まで落ち込んでいる。

出場選手 出場時間(分) ネットレーティング
SGAとギディー 1411 -1.53
SGAのみ 1005 +8.51
ギディーのみ 957 -4.09
両選手がベンチ 599 +0.95

(出典:PBP Stats)

これほど多くの時間をともにプレイして、これほど成績が悪い2人組はめずらしい。NBA Statsによれば、昨シーズン、少なくとも1400分プレイした98組のうち、ギディーとSGAのネットレーティングは78位だった。

理想的には、ギルジャス・アレクサンダーの隣には、彼の仕事を楽にできる素晴らしいシュート力と優れたディフェンス力があるガードがほしい。ギディーはカットは上手だが、スペースを作れる選手ではない。また、キャリア初期の今の段階ではディフェンスも弱い。

しかし、ギディーが悪い選手だというわけではない。

FIBAワールドカップ2023では、彼がチームの主要なガードの際にどれだけ素晴らしい活躍ができるかを見せつけた。彼は1試合平均19.4得点、6.0アシスト、5.0リバウンドを記録して、オーストラリアのオフェンスを牽引した。

一方のギルジャス・アレクサンダーは、カナダ代表として1試合平均23.8得点、6.6リバウンド、5.2アシスト(9月7日時点)を記録し、ギディー抜きで大会全体のMVPになりうる活躍を見せている。

この2人は別々にプレイしたほうがいいのかもしれない。それは嬉しい悩みだ。ギディーは、トレードすれば多くの見返りが望める可能性のある確かな選手なのだ。

ギディーの一番のスキルはその卓越したパスの能力で、彼はすでにリーグ屈指のインバウンダー(インバウンドパスを出す選手)になっている。コート全体をくまなく見渡すチャンスがあれば完璧なパスを投げ入れることができるし、バウンスパスも完全にマスターしている

また、オーストラリア代表としてプレイしている間にギディーはドライビングとフィニッシュに対する自信を深めたようだ。Instatによると、6フィート(183cm)以内のフィールドゴール成功率は63%で、昨シーズンのサンダーでの53%から上昇した。サンダーでは1試合平均試投数が1.9本だったフリースローも、オーストラリア代表ではドライブの増加のおかげで5.2本に一気に増えている。

ギディーはドライブで上下左右の素早い動きをすることがない。飛び抜けた身体能力があるわけではなく、接触を避けてフローターに少し頼りすぎる。しかし、彼にはガードでありながら身長203cmという素晴らしいサイズがあるのだ。

彼はワールドカップ期間中に、肩を下げて自らコンタクトをしかけ、スペースを作ることに慣れていった。

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ギディーのそのドライブ力が、過去3シーズンの1試合あたりのドライブ数でリーグをリードしてきたSGAと並んでプレイしているときに輝くことはない。サンダーはドライブで相手を警戒させられる選手を複数ほしがってはいるが、SGAがチームをリードしているときのサンダーは、ボールを左右に動かす回数が減少するのだ。

また、オーストラリア代表のギディーはポストプレイをする機会も格段に増え、その状況で優れたプレイを見せた。自分より小柄なガードを相手にサイズを生かして押し込むことができていた。

彼は思っている以上にポストプレイに優れており、ジョージア戦では見事なダーク・ノビツキーばりのフェイダウェイを披露している。

サンダーでは、彼にそんなポストプレイのチャンスはない。NBA Statsによると、昨シーズンのギディーのポストアップはわずか15回しかなかった。

マーク・デイグノート・ヘッドコーチは、2人の若いガードの責任にする際に犠牲について語る。2人は別々のほうがうまくいくことも彼はわかっているようで、できる限り、片方がベンチに下がっているときにもう片方を試合に出すようにしている。

このペアが機能するのは、両選手がともにその犠牲を厭わないからだ。そして、優秀な彼らは、それぞれのスキルを最大限に発揮しきれないような状況でも貢献する方法を見つけることができる。しかし、この2人が最大限のポテンシャルを発揮するシナリオを描くのは難しい。

FIBAワールドカップ2023でギディーは、ギルジャス・アレクサンダーとともにプレイしているとき以上の能力があることを示した。ギディーのために、そしてサンダーのために、この才能ある若いガードと引き換えに何が得られるのかを、フロントオフィスが模索し始める日が将来やってくるのかもしれない。

原文:Should Thunder trade Josh Giddey? Why awkward fit with Shai Gilegous-Alexander could force OKC's hand
翻訳:YOKO B Twitter:@yoko_okc

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Stephen Noh is an NBA writer for The Sporting News.
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