NBAは6月16日(日本時間17日)、リーグに有害な行為を働いたとして、メンフィス・グリズリーズのジャ・モラントに、無給での25試合の出場停止処分を科したことを発表した。
The following has been released by the NBA. pic.twitter.com/dzDSb4uCk3
— NBA Communications (@NBAPR) June 16, 2023
処分はすぐに適用され、2023-2024シーズンのレギュラーシーズン最初の25試合で有効。モラントは復帰までに一定の条件を満たす必要もあるとした。また、停止期間中はプレシーズンマッチを含め、リーグやチームの公的活動に参加できない。
モラントは3月にもソーシャルメディアでの動画で武器を見せたことにより、8試合の出場停止処分を科された。ここ3か月で2回目の処分となる。
NBAコミッショナーのアダム・シルバーは、公式リリースの中で、「3月に同様の行為ですでに8試合の処分を科されていたことを考えれば、再びソーシャルメディアで武器を振りかざすというモラントの決断は、憂慮すべきであり、当惑させられます」と話した。
「特に懸念されるのは、ジャの振る舞いをほかの若者がまねしようとする可能性です。こういった状況下で、25試合の出場停止処分は適切であり、銃に関する向こう見ずで無責任な行動は決して容認されないことを明確にすると考えます」
モラントは2023-2024シーズンに3350万ドル(約47億5700万円/1ドル=142円換算)のサラリーを手にする予定だった。処分期間中に1試合あたり30万ドル(約4億2600万円)、合計で約750万ドル(約10億6500万円)を失うことになる。
モラントは先月、友人のインスタグラムの生配信中に武器と思われるものを手にし、NBAが調査に乗り出していた。NBAの処分を前に、グリズリーズはすでにモラントにあらゆるチーム活動からの停止処分を科している。
モラントは6月16日(同17日)、「振り返ってみて、自分がどれだけ傷つけたのかを理解しました。NBA、グリズリーズ、チームメイトたち、メンフィスの街に謝りたい」と、公式リリースで謝罪した。モラントは多方面に謝罪した上で、「もっと良くなると約束します」と述べている。
「オフシーズンと処分期間に、自分のメンタルヘルスの問題や判断力の改善に取り組みます。コートに戻った時に準備を整えておけるように、トレーニングも行っていきます。チームメイトたちが踏ん張ってくれると知っています。シーズンの最初に一緒にいられないことを申し訳なく思います」
「これまで見せてきたよりも良い人間であることを、これから証明していく機会を与えていただければ幸いです」
Ja Morant statement: pic.twitter.com/KJCxTVEIRj
— Adrian Wojnarowski (@wojespn) June 16, 2023
NBPA(選手会)のエグゼクティブディレクターのタミカ・トレマリオは、公式リリースで次のように述べている。
「ジャは反省の意を示し、自らの行為に対する責任を負うことを受け入れました。彼が自分や選手たち、リーグを代表していくべく、できる限りで必要なことをすべて行っていく上で、我々は彼を明確に支えます。12月まで彼をコートから遠ざけ、復帰前に明示されていない条件を満たすことを求める今回の処分について、この特殊な兼に関する事実を含めた様々な理由から、我々は過剰かつ不適切で、公平でなく、リーグの過去の処分と一貫していないと考えます。ジャと一緒にあらゆる選択肢や今後のステップを検討します」
NBPA Executive Director Tamika Tremaglio's statement on the suspension of Ja Morant.https://t.co/Qg6CT1A90a pic.twitter.com/JBpvGy0m7A
— NBPA (@TheNBPA) June 16, 2023
一方、グリズリーズは公式リリースで、「リーグ、チームとして我々の基準は明確であり、チームの全関係者がそれらを遵守することを望みます」と、リーグの決定を尊重するとした。
Statement from Memphis Grizzlies pic.twitter.com/WBg9axfl2V
— Grizzlies PR (@GrizzliesPR) June 16, 2023
NBAは、5月13日(同14日)、モラントがメンフィスでの集会後に複数名と車に乗っていた際、意図的かつ目立つように銃を示したと把握。以前処分された行為を繰り返さないとNBAや公式リリースで約束したにもかかわらず、録画され、インスタグラムで生配信されていると知りながら武器をひけらかしたとしている。
シルバーは「今回はジャにとってバスケットボールを二の次とする必要があります」と述べた。
「プレイに復帰する前に、彼はこういった破壊的行為を行うに至った状況を直接解決するためのプログラムをリーグと考え、実行していくことが必要となります」
7月1日(同2日)から発効となる新労使協定では、個人賞の受賞に65試合の出場が必要とされており、モラントは今回の処分により、MVPやオールNBAチーム選出など、個人表彰の対象外となる。
原文:Ja Morant suspended 25 games by NBA(抄訳)