30チームを論理的な順番に並べることが不可能な時期がある。今回はまさにそれだ。
2022-23シーズンの第4週を終えて、勝率が5割(4チーム)、1勝だけ勝ち越し(2チーム)、1敗だけ負け越し(4チーム)であるチームが10チームも存在する。その10チームのなかには、素晴らしい週を送ったフィラデルフィア・76ersもいれば、厳しい週だったトロント・ラプターズもいるのだ。
その上には、4連勝をしながらもそのうちの3試合は一桁点差だったワシントン・ウィザーズがいる。そして下には、昨季覇者のゴールデンステイト・ウォリアーズ(5勝8敗)と、カイリー・アービングが離脱してから躍進を見せたブルックリン・ネッツ(5勝8敗)がいる。そしてその躍進中、ネッツはウィザーズに42点差で勝利している。
ここ数日、スター選手を欠くチームが多かったのも第4週の特徴だ。メンフィス・グリズリーズはベストプレイヤー2人が欠場し、先週の上位チームだったミルウォーキー・バックス、クリーブランド・キャバリアーズ、フェニックス・サンズもそれぞれ複数の先発選手が欠場している。
※11月13日(日本時間14日)までの試合消化時点。プレシーズンやスケジュールも考慮されたパワーランキングのため、純粋な成績順ではない。
注目チーム
ワシントン・ウィザーズ(4勝0敗):ブラッドリー・ビール抜きのウィザーズは、カイリー・アービング抜きのネッツより強いかもしれない。
シャーロット・ホーネッツ(0勝4敗):ラメロ・ボールがようやく現地土曜にシーズンデビューを果たしたものの、ホーネッツの連敗を止めることはできず。現在8連敗。
イースト vs ウェスト
ウェスタン・カンファレンスのチームはイースタン・カンファレンスのチーム相手にここまで33勝29敗(勝率 .532)だ。第3週はウェストが16勝15敗で勝ち越した。
ランキング変動
急上昇:IND(+11)、WAS(+8)、SAC(+8)
急降下:TOR(-11)、CHI(-8)、NYK(-7)
これまでのランキング
OffRtg(オフェンシブレーティング):100ポゼッション平均での得点(リーグ順位)
DefRtg(ディフェンシブレーティング):100ポゼッション平均での失点(リーグ順位)
NetRtg(ネットレーティング):100ポゼッション平均での得失点差(リーグ順位)
Pace(ペース):48分平均でのポゼッション数(リーグ順位)
今季はリーグ全体で100ポゼッション平均111.5得点で、48分平均で100.0ポゼッションが記録されている。
1位 ↑ |
ボストン・セルティックス |
成績:10勝3敗
OffRtg: 119.4 (1) DefRtg: 112.8 (22) NetRtg: +6.5 (3) Pace: 98.8 (22)
ジェイソン・テイタムは最も高いレベルのスーパースターへと進化した。ここ4試合全てで30得点以上を獲得し(現地土曜のピストンズ戦ではシーズン最多の43得点)、平均32.3得点、フィールドゴール成功率50%、3ポイント成功率39%、フリースロー成功率87%を記録している。
しかし、セルティックスのポゼッションのほとんどがテイタムによるオフェンスなのかと言えば、決してそうではない。彼の1試合平均でのポゼッション時間はリーグ48位の4.4分で、むしろ昨季の4.7分より減っている。2人目のディフェンダーが寄ってくればすぐに正しいパスを出すことができる。そして自身の得点の58%は味方のアシスト付きだ。
チームとしても、アシスト/ターンオーバー比率は昨季の1.82(リーグ11位)から2.06(同2位)まで上昇。オフェンシブレーティングは2位に3.4も差をつけている。
第5週:vs. OKC、@ATL、@NOP
2位 ↓ |
ミルウォーキー・バックス |
成績:10勝2敗
OffRtg: 109.7 (23) DefRtg: 103.8 (1) NetRtg: +6.0 (4) Pace: 100.3 (15)
シーズン初黒星を喫したホークス戦では、後半の53ポゼッションでわずか40得点しか獲得できないなど、オフェンスを生み出すことにバックスは苦労している。昨季からターンオーバー率が上昇しており、フリースロー率は下がっているのも問題だが、一番はペイント外からのエフェクティブフィールドゴール成功率(eFG率/3P成功数を1.5倍にして計算する、3Pの効率を考慮したFG成功率)が52%(昨季リーグ6位)から47.4%(今季リーグ25位)まで大幅に下落していることだ。
クリス・ミドルトンの不在が響いているのは間違いない。ドリュー・ホリデーの3P成功率は下がっており、バックスで最もミッドレンジショットを放っているヤニス・アデトクンボとボビー・ポーティスは、2人合わせて57本中17本(30%)しか決められていない。ジェボン・カーターがアデトクンボとホリデー不在時にオフェンスで活躍できたのはプラス材料となりそうだ。
第5週:vs. ATL、vs. CLE、@PHI
3位 ↑ |
ポートランド・トレイルブレイザーズ |
成績:9勝4敗
OffRtg: 111.6 (16) DefRtg: 109.7 (6) NetRtg: +1.9 (11) Pace: 97.1 (29)
ブレイザーズは13試合中10試合で相手に二桁リードを奪われているが、その10試合での成績は6勝4敗だ。第4週は、スターターが2人欠場していながらも、二桁リードを作られた3試合に勝利した。
シーズンを通して、ブレイザーズは前半がリーグ26位のチーム(100ポゼッション平均での得失点差がマイナス5.8)で、後半はリーグ2位のチーム(同プラス9.4)となる。より大きな差はオフェンスにあり、ジョシュ・ハート(35.9%→54.0%)とジャスティス・ウィンズロウ(27.6%→60.0%)の2人はeFG%が前半と比べて後半が大きく向上する。
第5週:vs. SAS、vs. BKN、vs. UTA
The final 8.5 seconds of Blazers/Heat leading up to Josh Hart's #TissotBuzzerBeater will have you on the edge of your seat 🔥 pic.twitter.com/6v92EExJ2A
— NBA (@NBA) November 8, 2022
4位 ↑ |
デンバー・ナゲッツ |
成績:9勝4敗
OffRtg: 115.9 (2) DefRtg: 113.3 (23) NetRtg: +2.6 (8) Pace: 101.2 (11)
ナゲッツは残り5分で5点差(クラッチ)になった試合で4勝0敗であり、そういった状況で負けていないリーグ最後の2チームのうちのひとつだ(もう1チームはバックス)。接戦に強く、その4勝のうち2勝が第4週のものだ。今季のニコラ・ヨキッチはクラッチタイムのFGが14本中4本しか決まっていないものの、この2勝ではどちらの試合でもビッグショットを決めた。
しかし負けるときは大敗している。クラッチ状況下では35ポゼッションに対して25失点しかしておらず、その時間帯はリーグトップの守備を誇るのだが、1試合で100ポゼッション平均140失点以上を記録したことがあるのは、今季はここまでナゲッツだけだ。しかも2回。
第5週:vs. NYK、@DAL、@DAL
5位 |
ユタ・ジャズ |
成績:10勝5敗
OffRtg: 114.7 (4) DefRtg: 110.2 (8) NetRtg: +4.6 (5) Pace: 100.7 (13)
ジャズは今季初めて連敗を喫した。ケリー・オリニク、ラウリ・マルカネン、ジャレッド・バンダービルトというフロントコート陣ではジョエル・エンビードを守ることができなかった。しかしエンビード以外の76ers選手はFG 55本中21本成功(38%)、3P 18本中3本成功に抑えている。
攻守ともにトップ10入りをしている5チームのうちの1チームであるジャズは、15試合中10試合がアウェイで、15試合中9試合が現在勝ち越しているチーム相手と、厳しいスケジュールを戦っている。
第5週:vs. NYK、vs. PHX、@POR
6位 ↓ |
フェニックス・サンズ |
成績:8勝4敗
OffRtg: 114.4 (5) DefRtg: 107.5 (2) NetRtg: +6.9 (1) Pace: 97.4 (27)
昨季のサンズは割と健康だった。トップ6選手(スターターとキャメロン・ジョンソン)は合わせて平均14.3試合しか欠場しておらず、82試合中75試合でその6人中4人が出場していた。今季はその6選手のうち、ひとりはチームと帯同しておらず(ジェイ・クラウダー)、ひとりはヒザの手術で長期離脱となり(ジョンソン)、もうひとりは踵(かかと)の痛みでここ2試合半を欠場している(クリス・ポール)。
しかし、デビン・ブッカーは昨季と同等の活躍を見せ続け、ミケル・ブリッジズも現地水曜のティンバーウルブズ戦で31得点、9リバウンド、5アシスト、4スティールと大活躍。ここでさらにベンチの層の厚さを見せられるかが勝負だ。キャメロン・ペインは昨季よりも良くなってきている。しかし、ポールとジョンソンの代わりにペインとトーリー・クレッグを先発させたラインナップは、ここ3試合での合計52分間で、相手に27点差もつけられている。
第5週:@MIA、vs. GSW、@UTA、vs. NYK
7位 ↑ |
ダラス・マーベリックス |
成績:7勝5敗
OffRtg: 113.9 (8) DefRtg: 110.3 (9) NetRtg: +3.6 (6) Pace: 95.4 (30)
38.0%と、ここ27シーズンで史上3番目に高いユーセージ率(ポゼッションを完了した割合、チームがどれだけその選手に頼っているかを示す)を記録しているルカ・ドンチッチだけに、彼の不調はチームに直結する。第4週はFG 50本中17本しか決まらず、マジックとウィザーズ相手に連敗。ドンチッチのトゥルーシューティング成功率(TS%|3PとFTも加味した成功率)が60%を超えた試合でマーベリックスは7勝1敗であるのに対して、下回った試合では0勝4敗。
現地土曜のブレイザーズ戦では42得点(FG 22本中13本成功、FT 18本中15本成功)、13リバウンド、10アシストを記録し、再び調子を取り戻した。しかし試合を決めたのは、終盤に3本連続で3Pを決めたスペンサー・ディンウィディーだった。
第5週:vs. LAC、vs. HOU、vs. DEN、vs. DEN
8位 ↓ |
クリーブランド・キャバリアーズ |
成績:8勝5敗
OffRtg: 115.5 (3) DefRtg: 108.7 (4) NetRtg: +6.8 (2) Pace: 98.0 (25)
8連勝を記録したキャバリアーズは、その直後に昨季の11月以来最長となる4連敗を喫した。その4敗の点差を合わせてもわずか19点で、接戦を落としている。29のクラッチポゼッションで50失点もしており(100ポゼッション平均172失点)、終盤に相手に圧倒されていたのがわかる。
逆に8勝のうち6勝は二桁勝利を記録しており、攻守でリーグトップ5入りしているのはキャバリアーズとサンズのみだ。ダリアス・ガーランドがウルブズ戦で51得点を記録するなど、強力なオフェンスは今も変わっていない。
第5週:@MIL、vs. CHA、vs. MIA
9位 |
メンフィス・グリズリーズ |
成績:9勝5敗
OffRtg: 113.2 (10) DefRtg: 112.4 (21) NetRtg: +0.9 (14) Pace: 99.7 (18)
グリズリーズは先発メンバーがフルに揃っている試合ではまだ無敗(7勝0敗)だ。スティーブン・アダムズ、ジャ・モラント、デズモンド・ベインなどがそれぞれ欠場した第4週は、ウィザーズへの敗戦では99ポゼッションでわずか92得点に終わるなど、オフェンス作ることに苦しんだ。
昨季のモラント不在時は、タイアス・ジョーンズが活躍を見せ、20勝5敗という成績を残している。しかし今季は、ジョーンズが出場した合計326分でのネットレーティングがマイナス10.6と良くない。昨季6位だったグリズリーズベンチは、今季27位まで落ちている。ディアンソニー・メルトンとカイル・アンダーソンの移籍が痛い。
第5週:@NOP、vs. OKC、@BKN
💪 Ja switches hands mid-air and finishes a SICK and-1 bucket! pic.twitter.com/4mCyKr9hGr
— NBA (@NBA) November 12, 2022
10位 ↓ |
フィラデルフィア・76ers |
成績:7勝7敗
OffRtg: 111.7 (15) DefRtg: 109.4 (5) NetRtg: +2.3 (10) Pace: 97.3 (28)
現地木曜のホークス戦で、76ersはジョエル・エンビードがベンチに下がっていた約16分で、19点も相手に得点で上回られ、最終的に9点差で敗れた。2日後、同じ相手にエンビードは40分出場。休んでいた8分間で10点上回られたものの、エンビードは42得点、FG 25本中14本成功、FT 16本中13本成功という圧倒的な活躍を見せてチームを勝利へと導いた。
その24時間後、エンビードはそれすらも超越した活躍を見せる。ウェスト首位のジャズ相手に37分の出場で自己最多となる59得点に加え、11リバウンド、8アシスト、7ブロックを記録。76ersが7点差で勝利したこの試合で、エンビードの出場時のチームの得失点差を示すプラスマイナスはプラス25という凄まじいものだった。
第5週:vs. MIL、vs. MIN
Joel Embiid followed up his 42-point performance last night with 59 points and a MASSIVE stat line! #BrotherlyLove@JoelEmbiid: 59 PTS (26 PTS in Q4), 11 REB, 8 AST, 7 BLK pic.twitter.com/7bar9acnG4
— NBA (@NBA) November 14, 2022
11位 ↓ |
ニューオーリンズ・ペリカンズ |
成績:7勝6敗
OffRtg: 113.7 (9) DefRtg: 110.5 (10) NetRtg: +3.2 (7) Pace: 100.0 (17)
3人のスター選手がオフェンスでどう噛み合うのかが開幕前から注目されていたペリカンズだが、ディフェンスがどれだけできるのかも同じくらい懸念されていた。現地月曜のペイサーズへの敗戦では、そんなディフェンスのほころびが見え隠れしていた。ペイサーズは22本の3Pを決め、第3クォーターにはわずか11ポゼッションで23得点を獲得し、23-11のランで試合の主導権を奪った。
ペリカンズの先発ラインナップはサイズがあるものの機動力がなく、一緒に出場した100分間でのディフェンシブレーティングは115だ。第4週の4試合では97ポゼッションで127失点(DefRtg 130.9)を喫している。
第5週:vs. MEM、vs. CHI、vs. BOS
12位 |
アトランタ・ホークス |
成績:8勝5敗
OffRtg: 111.7 (14) DefRtg: 110.5 (12) NetRtg: +1.2 (13) Pace: 102.1 (6)
ホークスはフリースローからの得点で平均4.0点相手を下回っており、3Pでも3.2点下回っている。その差を2ポイントショットで補うのは難しいものだが、ホークスはまさにそれをやっている。デジャンテ・マレーとディアンドレ・ハンターはミッドレンジから合わせて112本中56本を決めており(成功率50%)、トレイ・ヤングは2年連続でペイント内からのショットへのアシストがリーグトップだ。
若手の控え選手、オニエカ・オコングによる活躍が目覚ましいが、先発のクリント・カペラはまだその座を譲るつもりもない。カペラはここ5試合で平均14.6得点、17.0リバウンドを記録し、チームのリバウンド力に大きく貢献している。
第5週:@MIL、vs. BOS、vs. TOR
13位 ↑ |
インディアナ・ペイサーズ |
成績:6勝6敗
OffRtg: 114.1 (7) DefRtg: 114.2 (25) NetRtg: -0.1 (18) Pace: 102.7 (2)
ペイサーズが放つ全FGのうち、3Pが占める割合は45%(リーグ4位)で、昨季の39.5%(同15位)から大幅に上昇している。そして第4週のペリカンズとラプターズへの勝利ではその数値は50%を超えた。
開幕から1勝4敗スタートだったところから、7試合で5勝をあげ、敗れたネッツ戦とナゲッツ戦はどちらも最後の1分で3点差以内という接戦だった。
第5週:@CHA、@HOU、vs. ORL
14位 ↑ |
ブルックリン・ネッツ |
成績:6勝8敗
OffRtg: 112.1 (12) DefRtg: 110.5 (13) NetRtg: +1.5 (12) Pace: 97.6 (26)
ここ数日間、ネッツはケビン・デュラントというリーグ史上最高の選手のひとりを中心に作られたチームとして、普通にバスケットボールをプレイするという期間を味わうことができている。カイリー・アービングが出場停止となっているなか、ネッツはここ6試合で4勝し、その期間中のディフェンシブレーティングはリーグトップだ(100ポゼッション平均99.7失点)。10日間で、DefRtgは30位から13位まで上昇した。
しかし、その6試合のうち4試合はウィザーズ、ホーネッツ、クリッパーズ、レイカーズというディフェンスでリーグ下位にランクインしているチーム相手だ。そしてオフェンス面でも、やはりまだデュラントに頼りすぎな面がある。
第5週:@SAC、@POR、vs. MEM
15位 ↑ |
ワシントン・ウィザーズ |
成績:8勝6敗
OffRtg: 109.0 (25) DefRtg: 110.5 (11) NetRtg: -1.5 (21) Pace: 98.3 (24)
ブラッドリー・ビール抜きのウィザーズは、4連勝でイースト5位まで順位を上げた。その4試合、ウィザーズは100ポゼッション平均での失点を102.0に抑えている。しかも対戦した4チームのなかには、リーグのオフェンストップ10に入るマーベリックス、ジャズ、グリズリーズが含まれているのだ(グリズリーズはモラントとベインが不在ではあったが)。
オフェンスではクリスタプス・ポルジンギスの活躍が続いている。ジャズとグリズリーズ相手に合計56得点、eFG 69%を記録。連勝中、ポルジンギスがプレイした95分間で、ウィザーズは100ポゼッション平均で対戦相手よりも19.3点多く得点している。
第5週:vs. OKC、vs. MIA、vs. CHA
16位 ↓ |
マイアミ・ヒート |
成績:6勝7敗
OffRtg: 111.2 (19) DefRtg: 111.0 (16) NetRtg: +0.3 (15) Pace: 98.4 (23)
タイラー・ヒーローが不在の週となったが、ジミー・バトラーがホーネッツ相手の2勝で合計55得点(FG 27本中17本成功、FT 22本中20本成功)、17リバウンド、16アシスト、2ターンオーバーという素晴らしい活躍を見せた。実はペイント内とミッドレンジからの成功率が昨季よりも落ちているバトラーだが、代わりに3ポイント(27本中10本成功)とフリースロー(成功率89%)を高い確率で決めており、eFG 51.9%とTS 62.0%はどちらもキャリア最高値だ。
13試合中9試合が残り5分で5点差というクラッチの状況になっている。クラッチの状況でも、試合を通しても、ヒートは攻守がなかなか安定しておらず、ここまでホーム戦の多い優しいスケジュールでありながらも、成績を伸ばすことができていない。
第5週:vs. PHX、@TOR、@WAS、@CLE
17位 ↑ |
ロサンゼルス・クリッパーズ |
成績:7勝6敗
OffRtg: 104.6 (30) DefRtg: 107.5 (3) NetRtg: -2.8 (24) Pace: 99.5 (19)
11月最初の5試合で4勝したクリッパーズは、ようやくオフェンスが少しだけ機能し始めてきた。ポール・ジョージはその5試合で平均29.8得点、eFG 65%という活躍でチームを牽引。現地月曜のキャバリアーズ戦では、ジョージのほかに4選手が16得点以上を獲得し、勝利に貢献した。
しかし現地土曜のネッツ戦では再びオフェンスが機能停止。第4クォーター半ばで2点リードしていたクリッパーズは、7ポゼッション連続で無得点に終わるなどし、2-20のランをネッツに許してしまった。
第5週:@HOU、@DAL、vs. DET、vs. SAS
18位 ↑ |
サクラメント・キングス |
成績:6勝6敗
OffRtg: 114.4 (6) DefRtg: 114.3 (26) NetRtg: +0.1 (16) Pace: 101.2 (10)
キングスは12試合中11試合が残り5分で5点差以内という状況に直面している。そして直近の接戦となった8試合中6試合で勝利をあげ、成績を5割まで戻した。その期間中、ガードのディアロン・フォックス、マリーク・モンク、デイビオン・ミッチェルは合計38本中27本ものクラッチショットを決めている。
クラッチタイムの得点は40%しかアシストがついていないが(リーグ28位)、試合全体のアシスト率は65.3%でリーグ3位だ。昨季は58.5%でリーグ23位だったことから、大幅な上昇が見られている。
第5週:vs. BKN、vs. SAS、vs. DET
19位 ↓ |
ゴールデンステイト・ウォリアーズ |
成績:5勝8敗
OffRtg: 111.8 (13) DefRtg: 115.1 (27) NetRtg: -3.3 (25) Pace: 103.0 (1)
ステフィン・カリーは現在平均32.8得点を獲得しており、さらにTS 69.4%は平均30得点以上でのTS%としてはこれまでのリーグ記録である66.9%(これもカリーの記録)を凌駕する。そして、平均30得点以上を記録しながらもFG 50%、3P 40%、FT 90%をそれぞれ超えた選手は2015-16シーズンのカリーしかいないのだが、今季のカリーの成功率は53/43/92だ。
そんなカリーの活躍がありながらも、ウォリアーズは5勝8敗。ホームではようやくディフェンスの仕方を思い出せたようだが、アウェイでは今季なんと0勝7敗で、ウェスト13位と低迷している。ドンテ・ディビンチェンゾが復帰し、ジェームズ・ワイズマンとジャイマケル・グリーンを起用しないという変化を与えてみたものの、ベンチはいまだに機能していない。
第5週:vs. SAS、@PHX、vs. NYK、@HOU
20位 ↑ |
オクラホマシティ・サンダー |
成績:6勝7敗
OffRtg: 110.6 (20) DefRtg: 110.7 (15) NetRtg: -0.1 (17) Pace: 102.1 (7)
現地月曜の時点で、サンダーのオフェンスはリーグ27位だった(OffRtg 106.4)。しかし週末にはラプターズとニックスへの勝利で、100ポゼッション平均130得点を獲得し、一気に改善。ニックス戦で37得点を獲得したシェイ・ギルジャス・アレクサンダーが明らかなスターだが、ベンチ陣も2試合のあいだに10選手が2本以上3Pを決めるなど、バランス良く貢献した。
その2勝で、サンダーはオフェンシブレーティングでリーグのワースト10から脱出。過去2シーズンはリーグ30位だったことを考えると、向上していると捉えていいだろう。
第5週:@BOS、@WAS、@MEM
21位 ↓ |
シカゴ・ブルズ |
成績:6勝8敗
OffRtg: 109.5 (24) DefRtg: 109.8 (7) NetRtg: -0.2 (19) Pace: 101.1 (12)
昨季のブルズはクラッチタイムに突入した試合で25勝16敗と強かったのだが、今季は逆に0勝6敗で、クラッチタイムの攻守がどちらもワースト5入りしている唯一のチームだ。ゴラン・ドラギッチとアレックス・カルーソが一緒にプレイした178分間では、100ポゼッション平均20.8点も対戦相手を上回るという強さを見せているが、そのコンビを試合終盤に出場させても現地水曜のペリカンズとの接戦を制することはできなかった。
36歳のドラギッチは今季、3Pを47本中22本決めるなど好調だが(成功率47%)、ブルズの先発ラインナップのオフェンシブレーティングはわずか101.2と低迷している。時間帯によって、控えのドラギッチを先発ラインナップと一緒に起用することを検討しても良いかもしれない。
第5週:@NOP、vs. ORL
22位 ↓ |
トロント・ラプターズ |
成績:7勝7敗
OffRtg: 113.1 (11) DefRtg: 110.6 (14) NetRtg: +2.5 (9) Pace: 98.8 (21)
ここ4試合で3敗しており、唯一の勝利はホームで一桁差で、ロケッツ(2勝11敗)相手にだ。一時はリーグ6位だったディフェンスだが、週末のサンダーとペイサーズへの敗戦では、合わせて100ポゼッション平均121.4失点を喫した。
パスカル・シアカムがいてもいなくても、ラプターズが守備を改善しないといけないことは変わらない。
第5週:@DET、vs. MIA、@ATL
BEWARE OF BARNES 😤 pic.twitter.com/2yf3Km2nXV
— Toronto Raptors (@Raptors) November 8, 2022
23位 ↓ |
ニューヨーク・ニックス |
成績:6勝7敗
OffRtg: 111.3 (17) DefRtg: 113.5 (24) NetRtg: -2.3 (23) Pace: 101.4 (8)
RJ・バレットがピストンズ相手にシーズン最多となる30得点を記録、そしてキャム・レディッシュとイマニュエル・クイックリーはサンダー相手に合わせて50得点を獲得した。ニックスは、レディッシュがバレット、ジェイレン・ブランソン、ジュリアス・ランドルと一緒に出場した合計123分で、100ポゼッション平均118得点弱を記録している。
それでもニックスはサンダー相手に敗れている。第1Qに48得点も獲得しながら、第2、3Qでサンダーに56ポゼッションで86得点も取られており、145失点で敗戦。ニックスは今季いまだに1ポゼッション平均1失点以下という試合を記録しておらず(昨季は19回記録)、ディフェンスはリーグワースト10入りしてしまった。
第5週:@UTA、@DEN、@GSW、@PHX
24位 ↓ |
ミネソタ・ティンバーウルブズ |
成績:6勝8敗
OffRtg: 111.3 (18) DefRtg: 112.4 (19) NetRtg: -1.1 (20) Pace: 102.3 (4)
ウルブズは現地水曜のサンズへの敗戦がシーズンのどん底であることを願うしかない。ホームで2試合連続25点差以上のリードを作られた試合となった。この試合は、間違えてコート上に4人しかいない状態で1ポゼッション守るという珍事が発生したが、5人いたとしても上手く守れていないのが現状だ。
人手不足のキャバリアーズ相手になんとか連敗は3で止めている。キャブズはダリアス・ガーランドが51得点を獲得したが、ウルブズもディアンジェロ・ラッセル(30得点、12アシスト、FG 13本中11本成功)とカール・アンソニー・タウンズ(29得点、FG 16本中11本成功)が今季のベストオフェンスを見せた。
第5週:@ORL、@PHI
25位 ↓ |
サンアントニオ・スパーズ |
成績:6勝7敗
OffRtg: 110.2 (22) DefRtg: 115.2 (28) NetRtg: -5.1 (26) Pace: 102.2 (5)
ナゲッツとグリズリーズへの2敗で、スパーズはクラッチタイム以外の時間帯には100ポゼッション平均114.5得点を記録しながらも、肝心のクラッチタイムには23ポゼッションでわずか18得点しかできなかった上に、7回もターンオーバーを犯した。
現地金曜には、人手不足なバックス相手に勝利し、連敗を5で止めた。ケルドン・ジョンソンとデビン・バセルが2人合わせて51得点と活躍した。
第5週:@GSW、@POR、@SAC、@LAC、@LAL
26位 ↑ |
オーランド・マジック |
成績:4勝9敗
OffRtg: 110.5 (21) DefRtg: 112.4 (20) NetRtg: -1.9 (22) Pace: 99.2 (20)
開幕から最初の11試合で2勝9敗だったマジックだが、その9敗のうち8試合が残り5分で5点差以内という状況で、セルティックス、キャバリアーズ、マーベリックスという競合相手の敗戦だった。第4週はマーベリックスとサンズに勝利し、両チームを100ポゼッション平均98.4得点に抑えるディフェンスを見せた。
オフェンスではインサイドの得点が向上している。ペイント内の成功率は昨季の54.3%(リーグ24位)からリーグ首位の61.6%まで上昇。さらにフリースロー獲得率や、オフェンシブリバウンド率も大きく向上している。
第5週:vs. CHA、vs. MIA、@CHI、@IND
27位 ↓ |
ロサンゼルス・レイカーズ |
成績:3勝10敗
OffRtg: 105.4 (29) DefRtg: 111.4 (17) NetRtg: -6.0 (27) Pace: 102.6 (3)
レイカーズは現地月曜から木曜まで試合がない。内転筋の痛みを抱えているレブロン・ジェームズを週末のキングス戦とネッツ戦に欠場させたことで、存分に休ませることが可能となった。ジェームズ不在時、レイカーズはネッツ相手にアンソニー・デイビスが37得点と大活躍し、5連敗を止めた。
開幕から最初の7試合でリーグ2位だったディフェンスは、直近の6試合では100ポゼッション平均120失点以上を喫してしまっている。ここからスケジュールが少し楽になることもあり、どこまで成績を5割に近づけられるかが注目される。
第5週:vs. DET、vs. SAS
28位 ↑ |
デトロイト・ピストンズ |
成績:3勝11敗
OffRtg: 107.7 (27) DefRtg: 117.7 (30) NetRtg: -9.9 (30) Pace: 100.6 (14)
ピストンズは開幕から14試合全てで二桁のリードを作られている。現地月曜にはハーフタイムの時点で15点差だったサンダーとの試合を、後半に相手を48ポゼッションで40得点に抑え、逆転勝利を収めている。
しかし、ピストンズがハーフで1ポゼッション1失点以内に抑えられたのは今季これが唯一であり、ディフェンスは圧倒的にリーグ最下位だ。さらにケイド・カニングハムが脛(すね)の痛みで欠場していることで、オフェンスも低下している。
第5週:vs. TOR、@LAC、@LAL、@SAC
29位 ↓ |
シャーロット・ホーネッツ |
成績:3勝11敗
OffRtg: 106.1 (28) DefRtg: 112.2 (18) NetRtg: -6.2 (28) Pace: 100.1 (16)
現地土曜にラメロ・ボールがシーズンデビューを果たしたこともあり、ホーネッツに関しては一度リセットボタンを押しても良いだろう。しかし彼のデビュー戦は、ホーネッツにとって今季最低のディフェンスを記録する試合となってしまった。勝利したヒートはペイント内で成功率69%を記録し、103ポゼッションで132得点を獲得。
センターのメイソン・プラムリーが多用されているものの、彼の出場時のネットレーティングはマイナス12.1と良くなく、PJ・ワシントン、カイ・ジョーンズ、マーク・ウィリアムズなど若手の起用が待たれる。
第5週:@ORL、vs. IND、@CLE、@WAS
30位 |
ヒューストン・ロケッツ |
成績:2勝11敗
OffRtg: 108.4 (26) DefRtg: 116.5 (29) NetRtg: -8.1 (29) Pace: 101.3 (9)
マジックへの勝利で、ジェイレン・グリーンが34得点、FG 18本中12本成功とようやくスランプを脱した。その後の2試合(ラプターズとペリカンズ)でも、敗れてはいるものの合計54得点、FG 34本中19本成功と好調を維持している。
この夏にトレードを要求していたケニオン・マーティンJr.が実は最近好調で、3Pは47本中16本成功の成功率34%だが、そのうちコーナーからの3Pは12本中6本決めている。さらにペイント内では成功率65%を記録するなど、ベンチからしっかりと貢献している。
第5週:vs. LAC、@DAL、vs. IND、vs. GSW
原文:Power Rankings, Week 5: Celtics power past Bucks for No. 1 spot by John Schuhmann/NBA.com