ロケッツのスティーブン・サイラスHCが語るルカ・ドンチッチ

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Luka Doncic Dallas Mavericks Stephen Silas

ヒューストン・ロケッツのスティーブン・サイラス・ヘッドコーチは、現在のNBAで最も活躍する選手たちの一部を、そのキャリアの序盤から最前列で目にしてきた。

レブロン・ジェームズがルーキーだった2003年、サイラスはクリーブランド・キャバリアーズでアシスタントコーチを務めていた。ステフィン・カリーが新人だった2009年は、ゴールデンステイト・ウォリアーズのアシスタントコーチだった。ケンバ・ウォーカーがルーキーだった2011年は、シャーロット・ホーネッツのアシスタントコーチ。そして、ルカ・ドンチッチが新人だった2018年は、ダラス・マーベリックスのアシスタントコートだった。

合計で30回ものオールスター選出を果たしている彼ら4人がそれぞれキャリアを始めた時に近くにいたのは、サイラスだけだ。

では、そのサイラスが気づいたドンチッチとカリー、ジェームズの共通点とは何だろうか?

ロケッツがマーベリックスに102-93で勝利した4月7日(日本時間8日)の試合前、サイラスは「インテリジェンスだ。バスケットボールの、そして全体的な知性だ。耳を傾け、すぐに学ぶ力。教えを聞いてすぐに生かせる能力だ」と述べた。

「彼らは1度言えば分かる。3人とも、その点が同じだった」

「3人とも、チームと映像を見ている時に、すでに分かっているんだ。ルカは、私と映像を見ている時に『ああ、どうなるか分かる。ここだ。分かる』という感じだった。ステフ(カリー)もレブロンも同じだ。彼らは事前に分かっていて、ミスをしたら、自分がミスをしたことも分かっているのさ」。

今季からロケッツを率いているサイラスは、「彼のような選手がコーチとして成長させてくれるのは確かだ。今の私のような状況に準備する助けとなってくれる」と、ドンチッチがいなければ、自分がロケッツのヘッドコーチになっていたか分からないとまで口にした。

「ルカがいなければ、今の私はロケッツのヘッドコーチじゃなかっただろう。そう思っている。新しい攻撃を導入したり、新たなプレイを取り入れる時に、彼は良い選手だ。ただ、繰り返すことで飽きるとまでは言わないが、彼はもう分かっているので、何度も何度もやり続ける必要はない。彼にとって、必ずしもあまり意味があることじゃなかったんだ」

「『なんでこれをしているんだ?もう習ったよ』となる下級生みたいだが、チームのためには導入し、繰り返さなければいけない。チームメイトたちがどうということじゃないよ。彼には素晴らしいチームメイトたちがおり、彼らの進化は見てのとおりだ。だが、バスケットボールに関して、彼は知性のレベルが違うんだ。バスケットボールに関してはすべて分かるのさ」。

そして、それだけではない。

サイラスはドンチッチについて「彼はこの上なく自信を持っており、思っている以上に速く、大きく、強い。まるでバスケットボールの学者みたいなんだ」と述べた。

「誰がどこにいるかとか、どこにいるべきか、どこからヘルプが来るか、自分の得点チャンスなのか、パスのチャンスなのか、彼は非常に知的なんだ」

「今の彼はシュートも非常にうまい。だから、どの選手にとっても彼を守るのはより難しくなる。ただ私は、肉体的な才能に加えてバスケットボールの知性が彼を際立たせていると思う」。

サイラスはカリーやジェームズにも同じ哲学が当てはまるとし、「賢くて仕事熱心な選手たちを指導するのはとても楽しい」と話している。

「彼らはみんな、毎年本当に向上する。仕事をしなかったり、突然うまくなると期待しているだけでは、そうやって向上できないものだ」

「だから、まずは知性なんだよ。それが、これらの選手を他と分け隔てる。ただ、それから仕事熱心であることも必要だ。ルカのシュートや、ステフの体を見てごらん。(カリーは)ぶつかっても大丈夫だし、新人時代よりもずっと強くなった。レブロンはシュートから体、すべてにおいて全般的に向上したと思う。こういった選手たちとの経験が、私がキャリアを進めていく上で役立ったのは確かだ」。

原文:STEPHEN SILAS WAS THERE AT THE BEGINNING WITH LEBRON, CURRY, KEMBA AND LUKA by DWAIN PRICE/mavs.com(抄訳)


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