スティーブ・カーHCやステフィン・カリーがトランプ前大統領銃撃に言及「恐ろしい、悲しい光景」

Steve Kerry, Stephen Curry
(NBA Entertainment)
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家にいなくても、たとえ地球の裏側で、しかもぐっすり眠っているような時間帯の出来事であったとしても、衝撃を受けるニュースというものがある。

代表活動でアラブ首長国連邦のアブダビに滞在中であるアメリカ代表のスティーブ・カー・ヘッドコーチは、ドナルド・トランプ前大統領の暗殺未遂について早朝に家族から聞いたとき、思ったことはひとつだった。

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「私たちの国にとって、これ以上とない失意の日だ」

カーHCは「恐ろしい、悲しい光景だ。現状の政治的分裂だけでなく、銃文化を表すような出来事だ」と付け加えた。

この出来事がカーHCにとって大きく響くのは、彼と彼の家族が過去に経験した悲劇が背景にあるからだ。ベイルート・アメリカン大学の学長を務めていた彼の父親であるマルコム・カーが、1984年に銃殺されたことはよく知られている。

それ以来、カーHCはマルコムの息子として銃規制の旗振り役となり、銃乱射事件が怒るたびに政治家たちに声を上げ続け、政治家たちの間で銃規制に関する話し合いを設けるように働きかけてきた。その頻度の多さから、カーHCの声もすでに枯れそうだ。

カーHCとアメリカ男子バスケットボール代表チームは、パリ五輪に向けてセルビア代表とオーストラリア代表との強化試合を行うために、現在アブダビに滞在している。このような状況下となったからこそ、チームの知名度とアンバサダーとしての役割が俄然高まることに言及した。

「USAの文字を胸に、国を代表することに誇りを感じている」と彼は話す。「選手たちには、人間として最高の姿を見せること、尊敬と尊厳を持って国を代表することがいかに重要なのかをいつも話している」

「その気持ちがあれば、もっとやりたいと思うようになる。我々がやっていることはバスケットボールをプレイするという、ささいなことだ。しかし、それを通して最高の自分を出すことで、我々の国がどのような国であるべきなのかというのを、人々に垣間見せることができると思う」

これに関して、ステフィン・カリーも賛同しており、「団結の瞬間として使うつもりだ」と語っている。「自分たちの持つこのプラットフォームと機会を利用し、自分自身、家族、そして国を代表して、できる限りのことをする。そしてそれが母国に正しいエナジーとして伝達することを願う」

「選挙や政治をめぐる話題が多くあるなか、このような事態が起きたことはとても悲しい。銃規制を筆頭に、国民として是正しなければならない事柄について、多くの感情を呼び起こす」

カーHCは、銃による暴力で命が失われることは、またしても不必要な痛みを引き起こしていると述べた。

「彼らの家族や友人がこの日感じていることは、想像することしかできない。トランプ氏が殺されなくて本当に良かった。とにかく、あらゆる意味で失意を感じる出来事だ」

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著者
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アメリカ・ニュージャージー州生まれ。国際基督教大学卒。NBA Japan / The Sporting Newsのシニアエディター。訳書には『コービー・ブライアント 失う勇気』『レイ・アレン自伝』『デリック・ローズ自伝』「ケビン・ガーネット自伝』『ヤニス 無一文からNBAの頂点へ』。
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