ウォリアーズ王朝はいつまで続くのか? 主力の衰えと補強の可能性を分析

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ゴールデンステイト・ウォリアーズは過去8年の間に6度目のNBAファイナル進出と4度目の優勝を果たし、正式に『王朝』を築いたことに疑いの余地はない。

強豪ボストン・セルティックスに対する彼らの勝利は目を見張るものがあった。セルティックスはNBAトップクラスのディフェンスを誇り、シーズン最後の30試合をNBA史上最高の得失点差で終了しているチームだ。ケビン・デュラント(ブルックリン・ネッツ)、ヤニス・アデトクンボ(ミルウォーキー・バックス)、ジミー・バトラー(マイアミ・ヒート)を退けてきた彼らは本物だったのだ。

ここでは、そんな若き強豪を下して再び頂点に返り咲いたウォリアーズの王朝がいつまで続くかを検証してみたい。

ステフィン・カリー、クレイ・トンプソン、ドレイモンド・グリーンはいつ衰えるのか?

カリーは34歳で、グリーンとトンプソンはともに32歳だ。そして、ファイナルに進出した様々なチームに所属していながらその存在を忘れられているアンドレ・イグダーラは38歳。時の流れには勝てないものだ。いずれ、その中心メンバーではチームをファイナルに導けなくなるだろう。

多くの人(私も含めて)が最高の公開されたNBA予測モデルだと信じている『DARKO』は、この3人があとどれくらいプレイし続けられるかのある程度の目安を提供してくれる。それによると、彼らはあと3年から5年はNBAで十分な活躍が期待できるようだ。

選手 推定引退年齢 残り年数
カリー 39.1 4.9
トンプソン 35.7 3.5
グリーン 36.6 4.3

また、大規模なトレードがない限り、この3人は少なくともあと2年はウォリアーズのロスターに留まることになる。

カリーの契約はあと4年残っていて、2025-26シーズンに年俸5960万ドル(約80億4500万円 ※1ドル135円で換算。以下同)でピークに達する。トンプソンの契約はあと2年で8400万ドル(約113億6500万円)だ。そして、グリーンは2023-24シーズンのプレイヤーオプションをほぼ確実に行使し、次の2年間で5300万ドル(約71億5500万円)を手にする。

この3人は試合でどの程度の効果を挙げられるのだろうか? 『FiveThirtyEight RAPTOR』では、『RAPTOR Wins Above Replacement』(WAR)という指標(数値を総合的に評価して選手の貢献度を表す指標)を使って、彼らがどのように衰えていくのかを予測している。

今季開幕前時点の予測で、カリーは来季(2022-23シーズン)も良い成績を残すと予想されていた。彼の7.2WARという来季の予測数値は、今季の数値に当てはめた場合、リーグのトップ30周辺に位置する選手であり続けるということを示している。しかし、4年後の2025-26シーズンには今季のダンカン・ロビンソンに近いトップ150台まで落ち込むと推測されている。

トンプソンの評価は非常に低く、4年後には今季のエリック・ゴードンやデニス・シュルーダーといった選手と同等のトップ200以下の選手になると位置付けている。グリーンは来季、今季のケビン・ラブ(84位)のような選手と同じランクになり、4年後にはモー・バンバ(今季184位)あたりまで落ちると予測されている。

シーズン カリー トンプソン グリーン
2022-23 7.2 0.2 4.3
2023-24 6.2 0.1 3.2
2024-25 4.8 0.1 2.1
2025-26 2.5 0.0 1.1

これらの予測は確実なものではない。『RAPTOR』は必ずしも私が気に入っているモデルではなく、この3人については個人的にはずっと高く評価している。私はカリーは来季もトップ5の選手であり続けると予測しているし、ウォリアーズが再びウェスタン・カンファレンスで優勝すると見ている。しかし、この数字はどのような衰退が予想されるかを示すものであり、結局のところ、「もしも」という話ではなく、「いつ」そうなるかという問題なのだ。

また、厳密な統計分析をしなくても、レブロン・ジェームズやその他の少数の非常に稀な例外を除いて、ほとんどの選手は30代半ばから後半にかけて急速に衰え始めることは理解できる。カリーやトンプソン、グリーンにとっても、それぞれがどれだけポストシーズンに出場しているかを考慮すると、おそらく同じことが言えるだろう。

若手選手たちから期待できるチーム内の改善点は?

これからのウォリアーズが破滅と衰退に向かうだけだというわけではない。

アンドリュー・ウィギンズは27歳とまだ全盛期で、来季も契約が残っている。また、ジョーダン・プール、ジョナサン・クミンガ、ジェームズ・ワイズマン、モーゼス・ムーディーという23歳以下の選手も4人いる。これらの選手は成長を続けるはずであり、もしもウォリアーズがより優秀なベテランの助けを必要とした場合には、トレード要員としても役に立つだろう。

ウォリアーズはまた、NBAドラフト2022で全体1巡目28位指名、2巡目51位指名権、55位指名権と、2019年にメンフィス・グリズリーズに放出した2024年の指名権を除く、自前の指名権をすべて所有している。

フリーエージェント(FA)で補強する余裕も多少はあるが、サラリーキャップのルールのために、大規模トレードがない限りは大型契約の選手を加えることは不可能だろう。

ウォリアーズが実際にロスターでできることは?

ウォリアーズには来季の契約が保証されている選手が8人しかいない。カリー、トンプソン、グリーン、ウィギンズ、ワイズマン、クミンガ、プール、ムーディの8選手だ。今年のドラフトで少なくとももう1人選手を追加すると仮定しよう。そうすると、ロスターの空きは6枠だ(2ウェイ契約除く)。

残り6枠のスポットを埋める選手を見つけるのはチャレンジになるだろう。ウォリアーズは、2022年に1億7000万ドル(約229億5000万円)という莫大な贅沢税(ラグジュアリータックス=サラリーキャップ規定で許されている年俸総額の超過額の上限を超えた場合に課される追徴課税)を支払うことになっている。それは、ロスターに費やした金額に加えてリーグに支払わなければならない税金だ。すべてを足すと、今季のチームの選手人件費は3億5000万ドル(約472億5000万円)近くかかったことになる。

ウォリアーズは来季もまた、このようなとんでもない額の税金を払わなければならない。オーナーのジョー・レイコブはどこまでそれを受け入れられるだろうか?

NBAのサラリーキャップの仕組み上、超過上限を超えた場合のペナルティはチームがそのラインを超えるほど過酷になる。ウォリアーズは超過を繰り返しているため、さらに厳しい。たとえば、2000万ドル(約27億円)を超えた場合、1ドル(約135円)超える毎に贅沢税として4.75ドル(約641円)をリーグに支払うことになる。

数学は退屈が、このことが意味するのは、オットー・ポーターJr.やケボン・ルーニー、ギャリー・ペイトン二世のような満足のいくロールプレイヤーを呼び戻すには、それらの選手たちに実際に支払うサラリーの何倍もの費用がかかるということだ。

ウォリアーズは、FAになるペイトン二世、イグダーラ、ルーニー、ポーター、フアン・トスカーノ・アンダーソン、ネマニャ・ビエリツァ、デイミオン・リーについて難しい決断を迫られることになる。これらの選手と再契約しない選択をした場合には、その選手たちの代わりの選択肢はさらに制限される(前年度に所属していた選手と再契約するほうが例外枠が豊富なため)。新規FA選手獲得の際にウォリアーズが使えるのは原則としてミニマム契約(最低年俸契約)だけであり、タックスペイヤー・ミッドレベル例外条項(贅沢税課税チームに許される例外枠)を使っても少額の契約しか結ぶことはできないのだ。

今後数年にかけてのカリーやトンプソン、グリーンの衰退を補うためには、FAの補強だけでは十分とは言えないだろう。王朝を維持するためには、衰退のペースを上回るだけの成長をワイズマンやクミンガ、ムーディー、プールに求めるか、あるいはトレードマーケットを通じてチームを補強する方法を見つけなくてはならない。

原文:Stephen Curry and Warriors dynasty: Projecting Golden State's future and championship window after winning 4th NBA title
翻訳:YOKO B Twitter:@yoko_okc

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Stephen Noh is an NBA writer for The Sporting News.
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