レブロン引退ならレイカーズのサラリーキャップにどう影響? アービング獲得は可能か

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LeBron James 05182023
[NBA Getty Images]

NBAプレイオフ2023でロサンゼルス・レイカーズのウェスタン・カンファレンス・ファイナル敗退が決まり、レブロン・ジェームズが来季はリーグから去る可能性をほのめかした

ジェームズは「正直、考えるべきことがたくさんある」と話している。

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「とにかく個人的に、自分がバスケットボールを続けることについて、考えることがたくさんあるんだ」

レイカーズにとって、ジェームズが引退したら驚きだ。昨年夏に2年9710万ドル(約133億9980万円/1ドル=138円換算)の延長契約を結んだばかりで、2023-2024シーズンは4690万ドル(約64億7220万円)のサラリーと見られている。さらに2024-2025シーズンは5060万ドル(約69億8280万円)のプレイヤーオプションがつく。

引退はないと思われるが、もしも彼がその考えを貫いた場合は、チームづくりという観点から、レイカーズにとっては大惨事のシナリオとなるだろう。

レブロン・ジェームズが引退したらレイカーズにどう影響?

レブロンが引退しなかった場合のレイカーズの選択肢

レイカーズはこの夏、フリーエージェント(FA)で様々な選択肢がある。

キャップスペースを3000万ドル(約41億4000万円)ほど空けて、カイリー・アービング獲得を狙うこともできる。だがその場合、FAとなるディアンジェロ・ラッセル、八村塁、ロニー・ウォーカー四世を残す上で代償を払うことになるだろう。また、アービングが他チームとの契約で得られるかもしれない最高額サラリーの4700万ドル(約64億8600万円)にも及ばない。

キャップスペースのあるチームになろうとするには、いくつかの問題がある。確かに、西地区決勝第4戦を観戦していたアービングのようなハイレベルな選手を手に入れられるかもしれない。しかし、残りのロスターをどのように埋めるかが非常に制限される。それがどれほど大きな問題を引き起こすか、レイカーズは今季前半戦で直接体験したばかりだ。

もしもレイカーズがアービング獲得に動かないと決めた場合、八村やオースティン・リーブスを確実に残し、ラッセルやウォーカー四世のようなほかのFA選手たちにまずまずのオファーを出すことができるかもしれない。

このみちを選んだ場合、レイカーズはサラリーキャップを超過し、贅沢税を支払う必要のあるチームとなる。連続で贅沢税を支払うことになるため、支払額はこれまでよりも大幅に上昇するため、それはかなりの額になることだろう。

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レブロンが引退した場合の穴埋めにレイカーズができること

簡潔に答えるなら、できることはない。ジェームズが引退したら、レイカーズが深刻なトラブルに陥るのは明らかだろう。今季もジェームズは非常に優れた結果を残し、彼が不在時のレイカーズは13勝14敗だったのだ。

さらに、2023-24シーズンと2024-25シーズンのサラリーが帳簿上はキャップシートに残る。サラリーキャップの専門家ラリー・クーンの『FAQ』によると、「たとえ選手がもうプレイしていなかったり、引退したとしても、選手に支払われたお金はチームサラリーに含まれる」という。

それはつまり、ジェームズのサラリーの金額がレイカーズのキャップスペースに戻ることはないということだ。今後2年、サラリーキャップの35%が完全な死に金となる。

その場合、来季のレイカーズが良いチームをつくるのは非常に難しくなる。そして順位が下位になっても、良いドラフト指名権を得ることにもならない。アンソニー・デイビスのトレードの一環で、レイカーズの2024年又は2025年の1巡目指名権はニューオーリンズ・ペリカンズが手にする権利を持っている。

ジェームズのサラリーが死に金になれば、2024年夏のFAでもレイカーズの選択肢の多くに影響する。約4000万ドル(約55億2000万円)のキャップスペースがあるが、そのシーズンも契約しているのはデイビスだけであり、ロスター全体を埋めるためにお金を使わなければならないだろう。

レイカーズはジェームズをウェイブ(保有権放棄)し、残りの契約のサラリーを分割にすることで、一定のサラリーキャップを手にできる。約9700万ドル(約133億8600万円)の支払いが2年間でなく5年間となり、2023年に2750万ドル(約37億9500万円)、2024年に3120万ドル(約43億560万円)のキャップスペースにつながる。6000万ドル(約82億8000万円)近くのキャップスペースとなり、アービングのような選手を獲得するのに十分だ。だが、2027-2028シーズンまで1940万ドル(約26億7720万円)の死に金が帳簿に残り続ける。

ジェームズの状況がサラリーキャップにどう影響するかによらず、トレードを通じてチームを改善していく道もある。今年のドラフトで全体17位指名をしてからトレードすることも可能だ。2029年のプロテクトされていない1巡目指名権と、3つの2巡目指名権もある。カンファレンス・ファイナルに向けて株を落とした様子のラッセルと再契約するつもりがないのであれば、サイン&トレードを通して誰かしらを獲得することも可能だ。

ジェームズが戻ってくれば、レイカーズにはチームを改善させる方法がいくつかある。彼らにとっては、興味深い決断に満ちた夏となるだろう。

原文:What LeBron James potential retirement means for the Lakers' cap space & Kyrie Irving as NBA offseason looms(抄訳)

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Stephen Noh is an NBA writer for The Sporting News.
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