サンズと契約報道の渡邊雄太 デュラントの再タッグは完璧なフィット

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Yuta Watanabe and Kevin Durant
(Getty Images)

渡邊雄太はチームを必要としていた。そしてフェニックス・サンズという理想的なチームを見つけた。

2022-2023シーズン、渡邊はすでにブルックリン・ネッツでスター選手たちと一緒にロールプレイヤーとして活躍できることを証明していた。サンズはその役割をこなすのにさらに良い機会を渡邊に与えるだろう。両者にとって完璧にマッチするはずだ。

ケビン・デュラント、デビン・ブッカー、ブラッドリー・ビール、ディアンドレ・エイトンを主軸とするサンズに、渡邊は何をもたらすだろうか。『スポーティングニュース』が分析する。

 

渡邊雄太の弱点をカバーするケビン・デュラントとサンズのロスター

渡邊は素晴らしい強みを持った優れたバスケットボール選手だが、いくつかの弱点もある。そのひとつが、自分でショットをつくり出すことに苦戦している点だ。

その弱点を隠すのに、これ以上ない環境を渡邊は見つけた。デュラント、ブッカー、そしてビールは、リーグ有数のショットクリエイターたちだ。彼らがいれば、渡邊が自分で攻撃をつくり出す必要はないだろう。

同様に、守備でも渡邊には強みと弱点がある。サイズに恵まれたタフな選手で、複数のポジションをスイッチすることができる。必要なら体を投げ出すこともいとわない。だが、リーグの中でもより速い一部のガードを抑えるのに苦しむことがある。それをエイトンとデュラントがヘルプでカバーしてくれるだろう。もしもマークしていた相手に抜かれても、そのミスを帳消しにしてくれる素晴らしいリムプロテクションがあるはずだ。

Yuta Watanabe
(NBA Entertainment)

サンズに欠けていたものを満たす渡邊雄太の強み

渡邊はネッツのローテーションから外れてシーズンを終えた。だがそれは、彼自身の責任ではまったくなかった。ネッツがトレードデッドライン(トレード期限)でロスターを再編成し、ウィングの選手を増やしたことで、渡邊の役割が減ってしまったのだ。

ネッツのジャック・ボーン・ヘッドコーチは、出場時間が減ったことを渡邊に謝罪した。スポーティングニュースで、ボーンHCは「雄太は質の高い出場時間を得た時、1試合あたり20分ほどの出場時間だった時に、我々にとって素晴らしいプレイをしてくれた。今の我々にはラインナップに含まれていて健康な選手がほかに10人いる。それで今の彼は外から見ているんだ」と話している。

渡邊はウィングの人材が過剰になっていたチームから、そのウィングの層を厚くしたがっていたサンズに移籍する。新たに加わるケイタ・ベイツ・ジョップとは出場時間を競うことになるだろう。再契約を結べば、トーリー・クレッグもいる。だが、どちらも渡邊ほどのショット力はもたらさないはずだ。

その渡邊のショット力は非常に貴重なものとなる。デュラント、ビール、あるいはブッカーがボールを持っている時のサンズは、対戦相手にできるだけ中央を固めようとされるはずだからだ。キャッチ&シュートで3ポイントショットを沈められるエリートクラスのスペシャリストが必要となる。そしてこの点で渡邊は文字どおり、2022-23シーズンのNBAで最も優れたひとりだった。『NBA Stats』によれば、成功率46%は試投100本超でリーグ4位の数字だ。

渡邊はサンズで素晴らしい一年とする準備を整えている。優勝を狙えるチームで全米での露出も増すはずだ。デンバー・ナゲッツにおけるブルース・ブラウンのような役割を容易にこなし、来年夏に報われる貴重なロールプレイヤーとなるかもしれない。サンズに行くという渡邊の決断は、フリーエージェント初日のベストムーブのひとつだった。

原文:Yuta Watanabe's reunion with Kevin Durant is a perfect fit for him and the Suns(抄訳)

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Stephen Noh is an NBA writer for The Sporting News.
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