なぜ渡邊雄太は3ポイントコンテストに選ばれなかったのか|NBAオールスター2023

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Yuta Watanabe Brooklyn Nets
(Getty Images)

NBAオールスター2023の3ポイントコンテストに出場する選手たちのリストを見て、頭をかきむしった人は同志だ。

NBAは2月14日(日本時間15日)、3Pコンテストに出場する8選手を発表した。そこでいくつか真剣な疑問がある。まず、『Basketball-Reference』によれば成功率でリーグ上位10名に入っている選手が出場者にひとりもいない。ステフィン・カリーやスティーブ・カーといった面々も出場してきたコンテストの歴史からだけでなく、本質的で必要とされるスキルとして3Pの重要度が高まっていることからも、これは奇妙なことだ。

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そう、つまり、本来出場すべきだが選ばれなかった選手たちがたくさんいたのである。1試合平均の3P成功数でリーグトップなのにもかかわらず、スプラッシュブラザーズ(カリーとクレイ・トンプソン)のどちらも出場しない。アイザイア・ジョー、マルコム・ブログドン、ケンテイビアス・コールドウェル・ポープ、ルーク・ケナードと、いずれも3P成功率が45%前後の選手たちも不在となった。

だが、渡邊雄太の選外ほど大きなことはないだろう。今季の渡邊は3P成功率48.1%とリーグのトップを走る好調ぶりなのだ。

2023年のNBA3ポイントコンテスト出場者

名前 3P成功率
ジェイソン・テイタム 35.3%
タイラー・ヒーロー 36.9%
デイミアン・リラード 37.5%
アンファニー・サイモンズ 38.1%
ケビン・ハーター 39.0%
タイリース・ハリバートン 39.8%
ラウリ・マルカネン 41.2%
バディー・ヒールド 42.3%

※成績は現地2023年2月14日時点。

なぜ渡邊雄太は3ポイントコンテストに招かれなかったのか?

リーグは出場者の選考基準を公にしていない。だが、選手たちがそのシーズンでどれほどうまくショットを打っているかよりも、評判やスター性に基づいて選んでいるかのようだ。

例えば、テイタムはリーグ平均の35.9%を下回っているが、それでも選出された。Basketball-Referenceによれば、テイタムの成功率はリーグで102位という数字だ。ヒーローの3P成功率は77位となっている。

最終的に渡邊が選出されなかった理由のひとつは、ショットの試投数の少なさにあるかもしれない。今季の3P試投は108本のみ。ヒールド(500本)、サイモンズ(512本)、テイタム(502本)、リラード(496本)は、試投数がトップ4の選手たちだ。

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渡邊雄太は選出されるべきだったか?

3P試投数が多くないにしても、渡邊には選出されるだけの根拠があった。

オールスターブレイクを目前にして成功率48.1%という渡邊の数字は、試投数100本超の選手の中でリーグ最高なのだ。ケナードが記録した昨シーズン最高の3P成功率44.9%をも上回る。

今季ここまで、渡邊はショットに関して歴史的なシーズンを過ごしてきた。『Stathead』によれば、彼の成功率は試投数108本超の選手でNBA史上19位の数字だ。キャッチ&シュートではさらに優れた3Pシューターでもあり、NBAのスタッツによれば、成功率49.0%はリーグトップ。規定に到達した場合、実現すればリーグの歴史でもわずか7人目というシーズン成功率50%超を達成するチャンスがあるほどだ。

以前、渡邊は3Pコンテスト出場なら「光栄」と話していた。残念ながら、彼はその名誉を手にすることができない。

原文:Why Yuta Watanabe is the 2023 NBA All-Star 3-point contest's biggest snub

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Stephen Noh is an NBA writer for The Sporting News.
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