メッシ移籍のインテル・マイアミとは? MLSクラブのオーナー・選手・監督・スタジアムなど

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Lionel Messi Inter Miami
SN Illustrations

リオネル・メッシがメジャーリーグサッカー(MLS)のインテル・マイアミに加わると明かし、多くのファンはメッシがこれから戦う場所やクラブのことを調べている。

MLSはその変わったルールや、時に複雑なフォーマットで知られるが、ファンは情熱的で、一部の地域では歴史が浅いかもしれないが、各チームに重要な文化がある。

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リーグは世界の大半のリーグと異なり、単一の団体という性質を持つ。MLSへの加盟は独占的で、各クラブは個々の企業ではなく、リーグそのもののフランチャイズだ。その結果として最も大きな特徴となるのが、MLSには昇格や降格がなく、クラブは契約上の許可を得てリーグに参入したり脱退するだけになる点だ。

メッシが加入することで、MLSでの新天地は大きなスポットライトを浴びている。インテル・マイアミに関するすべてをまとめた。

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リオネル・メッシのMLSの新天地インテル・マイアミとは

インテル・マイアミは比較的新しい球団だ。しかし、メッシがサウスビーチに来ることで、リーグの歴史でも非常に重要な存在となるだろう。

正式に誕生したのは2018年で、MLSでは2020年シーズンから戦っている。MLS通算27球団目で、同じ年にナッシュビルSCもリーグに加わった。

オフィシャルカラーは黒とピンク。メインカラーにピンクが含まれているのは、アメリカの主要スポーツ球団では唯一となる。だが、ピンクのウェアを着用するようになったのは、クラブ発足から2年が経ってからだった。独自のピンクの色合いがあったことや、アディダス社が独特な色合いのウェアを製造するのに時間を必要としたこと、リーグのウェアのサイクルが2年であることが理由だ。

エンブレムは、南フロリダ特有の鳥である大きな鷺が描かれているのが特徴だ。クラブは鷺を選んだ理由について、「陸海で粘り強いハンターであり、空の高貴な生物で、我々にとってアメリカ大陸への玄関口の守護神」で、「ストイックでインテリジェントだが、断固たる精度で襲う」と説明している。また、エンブレムの下部にはローマ数字で「MMXX」と描かれており、これはクラブが最初にリーグで戦うようになった年(2020)を意味している。

ソーシャルメディアは、それぞれこちらがインスタグラムツイッターのアカウントだ。メッシ加入の報道が浮上してから24時間でインスタグラムのフォロワー数は450万人増え、550万人となった。

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インテル・マイアミのスタジアム

インテル・マイアミが試合を行うのは、DRV PNK Stadium(ドライブ・ピンク・スタジアム)。マイアミ市街地から北に33マイル(約53キロ)のフォートローダーデールにある。約6000万ドル(約84億円/1ドル=140円換算)をかけてクラブのために建設されたサッカー専用スタジアムで、収容人数は約1万8000人だ。

ただ、ドライブ・ピンク・スタジアムは、収容人数2万5000人のフリーダム・パークが完成するまでのクラブの本拠地だ。現行の計画では、2025年シーズンにフリーダム・パークがオープンする予定となっている。

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インテル・マイアミのオーナー

インテル・マイアミのオーナー陣で最も知られているのは、元イングランド代表のデイビッド・ベッカムだ。

ベッカムはマイアミの地元実業家であるホルヘとホセのマス兄弟とともに、クラブの大株主となっている。マス兄弟はマイアミを拠点とする建設会社MasTecの創始者ホルヘ・マス・カノサの息子たちだ。ホルヘ・マスはスペインのレアル・サラゴサの会長でもある。

ただ、マイアミに新たなクラブを設立することを可能にしたのは、2007年にベッカムがロサンゼルス・ギャラクシーに移籍した際の契約に含まれた、2500万ドル(約35億円)でエクスパンションチームを保有できるとしたオプションだ。現在エクスパンションチームに必要なのが数億ドルであることと比べれば格安である。

David Beckham
(Gety Images)

ベッカムは2014年にそのオプションを行使し、マイアミにチームを設立する意向を表明した。そしてスタジアムの取引を確実にするための4年を経て、インテル・マイアミは2018年に正式に創設され、2020年に初の公式戦を戦っている。

ベッカムとマス兄弟がクラブ内で保有する株式の正確な数字は公になっていない。

インテル・マイアミの少数株式をメッシが直近、ないし引退後に取得する可能性もある。『ESPN』は、メッシへのインテル・マイアミのオファーに、オプションとしてクラブの一部株式が含まれていると報じた。ただ、ベッカムのような助成金の類は含まれていないとされている。

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インテル・マイアミの主力選手

今季はイースタン・カンファレンス最下位だが、インテル・マイアミには多くの才能ある選手が在籍している。2023年シーズンは負傷に泣いたが、健康であれば良いパフォーマンスを見せられるようなスカッドだ。

3人の特別指定選手は、レオナルド・カンパーナ、グレゴレ、ロドルフォ・ピサーロ。「特別指定選手とは、MLSのロスターの仕組みで、チームは全体のサラリーキャップに含めることなく、個人の上限を上回る額のサラリーを支払うことができる。

29歳のグレゴレはクラブのキャプテンで、中盤の守備の要だ。しかし、シーズン3試合目で足を骨折。残り試合の大半を欠場する見込みだ。代役を務める18歳のベンハミン・クレマスキは、グレゴレのような影響力を再現できていない。

同じく29歳のピサーロもフィットネスに苦しんでおり、5月の頭から筋肉のケガで離脱している。ウォルバーハンプトンから加わった現在22歳のカンパーナはリーグへの適応に苦しんだが、まだ大きく期待されている。

ほかには、アトランタ・ユナイテッドで長く活躍してきた30歳のFWホセフ・マルティネスがオフシーズンに加わった。環境を変える必要があると考えられていたが、シーズン開幕からの17試合で3ゴール、1アシストしか記録していない。

最終ラインの中心は、オフシーズンにトロントFCから加入したカナダ人センターバックのカマル・ミラーと、アメリカ代表で78キャップを記録しているサイドバックのデアンドレ・イェドリンだ。正守護神はドレイク・カレンダー。カリフォルニア大学バークレー校出身で4年前に加入したカリフォルニア出身の25歳だ。

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インテル・マイアミの監督

インテル・マイアミは元マンチェスター・ユナイテッドでベッカムのかつてチームメイトであり、友人でもあるフィル・ネビルが指揮を執っていた。だが、成績不振から5月下旬に退任している。

暫定指揮官として代わりを務めているのは、43歳のアルゼンチン監督ハビエル・モラレスだ。2019年にFCダラスのアカデミーからインテル・マイアミのアカデミーに加入したが、ネビル退陣で指揮を託された。

交渉中として広く報じられているのが、アトランタ・ユナイテッドやメキシコ代表を率いた「タタ」の愛称で知られるヘラルド・マルティーノだ。バルセロナやアルゼンチン代表でメッシを指導した経験もある。

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MLSの仕組み

MLSは東西の2つのカンファレンスに分かれ、各チームがそれぞれのカンファレンス内で順位を競う。2023年シーズンは両カンファレンスにそれぞれ9つのプレイオフ枠があり、1位から9位までのチームに与えられる。

イースタン・カンファレンスのインテル・マイアミは、メッシ加入が明らかになった時点でプレイオフ出場ラインに勝ち点6差の最下位。インテル・マイアミがプレイオフに進出するには、メッシの大きな助けが必要となるだろう。

MLSには2つのタイトルがある。ひとつはサポーターズ・シールドと呼ばれるレギュラーシーズンのタイトル。シーズンを通じて最も多くの勝ち点を獲得したチームが手にする。もうひとつのタイトルは、プレイオフ勝者に与えられるMLSカップだ。

長いレギュラーシーズンを通じてのベストチームが手にするため、理論的にはサポーターズ・シールドの方が価値あるトロフィーとなる。だが、大半のアメリカスポーツ同様、プレイオフ勝者がそのシーズンのリーグ王者とみなされるのが一般的なため、MLSカップのほうがはるかに貴重となる。

MLSのクラブが戦うその他の大会

世界中のリーグと同じように、MLSでも各クラブが競うのはレギュラーシーズンだけではない。

アメリカ国内のカップ戦はUSオープンカップとして知られる。MLSの各クラブは3回戦ないし4回戦からの出場で、序盤は地域的な制限も少なくない。より予算が小さなリーグ下位クラブの移動を制限するためだ。インテル・マイアミは2023年のUSオープンカップで準決勝に進出している。メッシ加入が明らかになった日に、準々決勝でバーミンガム・レギオンを1-0で下した。

MLSのクラブは北米の大会、CONCACAFチャンピオンズリーグにも出場できる。出場権を得るには、USオープンカップかMLSカップでの優勝、サポーターズ・シールド獲得が必要だ(カナダのクラブは別に出場権獲得の道がある)。

最後に、MLSのクラブはリーグカップにも出場できる。2021年に新たに創設されたが、COVID-19(新型コロナウイルス)のパンデミックによる延期で初の本格稼働が2023年になった大会だ。メキシコ、カナダ、アメリカのトップクラブのみの大会で、MLSとメキシコのリーガMXはすべてのクラブが出場する。大会は7月と8月に行われ、リーグは1か月の中断となる。

原文:Beginner's guide to Lionel Messi's new MLS team Inter Miami: Players, owners, jerseys, stadium & more to know(抄訳)
翻訳:スポーティングニュース日本版編集部

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Kyle Bonn is a soccer content producer for The Sporting News.
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