ケイトリン・クラーク旋風が止まらない。
現地4月15日に開催された北米女子プロバスケットボールリーグWNBAの新人ドラフトでインディアナ・フィーバーから全体1位指名を受けたケイトリン・クラークは、早くもナイキと数千万ドル級の契約を手にするだろうと米スポーツニュースサイト『ジ・アスレティック』のシャムズ・シャラニア記者が第一報を伝えている。
米経済紙『ウォール・ストリート・ジャーナル』によれば、クラークのナイキとの契約は8年2800万ドル(約43億4000万円/1ドル155円換算。以下同)に上り、本人の名を冠したいわゆるシグニチャーシューズも販売されるという。
アイオワ大学在籍時のクラークは、『NIL契約』の恩恵を最も受けた学生アスリートの1人だったが、WNBA入り後も多くのスポンサーから引っ張りだことなりそうだ。
NILとは "Name, Image, and Likeness"(名前、イメージ及び肖像)の頭文字をとったもので、NIL契約は学生アスリートが自身のパブリシティ権を活用して企業とのスポンサーシップを結ぶ契約のことを指す。2021年にNCAAがこのNIL契約を認めてから、クラークだけでなく、多くの学生アスリートが企業とのスポンサー契約を手にしてきた。
ここでは、噂されるクラークとナイキの契約の中身を見ていくとともに、ナイキに続くと目されるクラークのNIL契約のスポンサーを紹介する。
ケイトリン・クラークとナイキの契約
ケイトリン・クラークとナイキの契約は、アイオワ大時代から始まっている。
ナイキは、クラークがNIL契約を結んでいたスポンサーの一つであり、クラークの大学時代の活躍を通じて商品・広告展開を行なってきた。クラークのプロ入りとともにその契約もNIL契約からプロレベルの契約となる。
クラークはナイキとの契約について、「あらゆるスポーツでナイキの契約選手たちが活躍するのを見ながら育ってきた」ので、その一員となるのは「恐縮する思い」と2022年に語っていた。
ウォール・ストリート・ジャーナルによれば、契約内容は8年間2800万ドルになる模様。ジ・アスレティックのシャラニア記者によると、アディダス、そしてステフィン・カリーの『カリーブランド』を展開するアンダーアーマーを抑えてナイキを選んだという。
また、ナイキはこの契約でクラークのシグニチャーシューズをデビューさせると言われている。もし実現すれば、クラークはサブリナ・ヨネスクー(WNBAニューヨーク・リバティ)、レブロン・ジェームズ(NBAロサンゼルス・レイカーズ)、ケビン・デュラント(NBAフェニックス・サンズ)、デビン・ブッカー(NBAフェニックス・サンズ)といったそうそうたる面々と名を連ねることになる。
記者会見でフィーバーの22番のジャージー姿を披露したクラークは、ヨネスクーのシグニチャーシューズ『サブリナ1』を履いていた。
Caitlin Clark debuts her new @IndianaFever uniform look with the Nike Sabrina 1s. pic.twitter.com/MgV5KVPUmr
— Nick DePaula (@NickDePaula) April 17, 2024
クラークが加入するインディアナ・フィーバーの22番のジャージーはドラフト後から飛ぶように売れていて、クラークの人気、市場性には疑いの余地もない。ナイキとの契約が発表間近になる今、ナイキ同様、プロ契約へ切り替わっていくと想定されるクラークのNIL契約スポンサーは以下の通りだ。
ケイトリン・クラークのNIL契約スポンサー一覧
ゲータレード
クラークは2023年12月のスポーツドリンク・ブランドのゲータレードとNIL契約を締結。クラークはこの契約に「夢が叶った」と語っていた。
ビュイック
ビュイックは2023年のNCAAトーナメントの間、”See Her Greatness”(彼女の偉大さを見よ)キャンペーンを展開し、クラークをはじめとするカレッジ女子バスケ選手たちと契約を結んだ。
ステートファーム保険
ステートファーム保険は、クラークにとって新しい、高額のNIL契約となった。2023年10月の契約以来、クラークはいくつかの広告に登場している。ステートファーム保険の広告でお馴染みのキャラクターのジェイク(俳優のケビン・マイルズ)がWNBAドラフトに登場したのも記憶に新しいところだ。
ボーズ
2023年のNCAAトーナメント前、クラークはワイヤレスヘッドフォンのボーズの広告に登場した。
Shoot-A-Way(シュートアウェイ)
バスケットボールのシューティングマシンを製造する "Shoot-A-Way"(シュートアウェイ)とは2022年後半に契約した。
Hy-Vee(ハイビー)
米中西部のスーパーマーケットチェーン『ハイビー』との契約は、クラークのNIL契約で最も初期のものだ。2021年後半に契約し、そのパートナーシップは2024年まで続いている。
2024年1月には、クラークのオリジナル・シリアルブランド『ケイトリンズ・クランチタイム』がハイビーで限定発売された。
Kickstart your mornings with the irresistible crunch of Caitlin's Crunch Time Cereal!🥣🏀#Cereal #Breakfast #BasketBall pic.twitter.com/99Jxdu52H9
— St. Joseph Hy-Vee (@StJosephHyVee) March 16, 2024
H&R Block(エイチアンドアール・ブロック)
税務申告会社の『エイチアンドアール・ブロック』は、2022年4月にクラークと当時サウスカロライナ大所属のジア・クック(現WNBAロサンゼルス・スパーク)と契約。"A Fair Shot”(ア・フェアショット)キャンペーンを展開した。
パニーニ・アメリカ
4月1日時点でクラークはパニーニ・アメリカとトレーディングカード並びにサイン入りメモラビリアの独占契約を結んでいる。パニーニ社のリリースによれば、同社の歴史の中で女子アスリートとの独占契約は史上初となる。
ゴールドマンサックス
2023年、クラークとケイレブ・ラブ(ノースカロライナ大→アリゾナ大)はゴールドマンサックスとパートナー契約を締結。中小企業庁の近代化を提唱する広告に登場した。
The Vinyl Studio(ザ・ビニール・スタジオ)
クラークの最初のNIL契約が、アイオワ州発の女性経営によるアパレル会社『ザ・ビニールスタジオ』で、発表時にはオリジナルTシャツが発売された。
I am proud to drop my first merch with The Vinyl Studio; a homegrown, female owned company. More limited releases planned :)
— Caitlin Clark (@CaitlinClark22) August 18, 2021
This shirt is gold!🥇🇺🇸🏀#BackInGold #LimitedReleasehttps://t.co/iLBpQDcws6 pic.twitter.com/5Ev4BI02WT
※この記事はスポーティングニュース国際版の記事を翻訳し、日本向けに一部編集を加えたものとなります。翻訳・編集:石山修二