ルクレール、"呪われた"地元モナコでのレースに向けて「プレッシャーはない」|F1第7戦モナコGP

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Carles Leclerc
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現地時間5月27日に開幕するFIA(国際自動車連盟)F1世界選手権の第7戦モナコGPに向け、フェラーリのシャルル・ルクレールが、今年こそ自身初、そしてモナコ人として初の同GP優勝への意気込みを語った。英国紙『The Guardian』などが伝えた。

スポーツ界全体においても珍しいモナコ公国出身者として、ルクレールは、まさしく地元であるモンテカルロ市街地コースでのチェッカーフラッグを渇望している。しかし、モナコでのレースはルクレールにとって相性が悪い。

ポールポジションをとれば優勝が確定的といわれるモンテカルロ市街地コースで、昨季のルクレールはポールを奪った。だが、Q3のセカンドランでバリアに接触。チームは問題無しと判断したが、グリッドに向かうフォーメーションラップ中に駆動系にトラブルが起き、母国での決勝レースを走ることなくリタイアに追い込まれた。レースは事実上ポールポジションとなった2番手のマックス・フェルスタッペンが優勝している。

今年も不運は続いた。スペインGP前の5月15日、モナコ・ヒストリックGPにおいて、伝説的ドライバーのニキ・ラウダらが乗ったクラシックマシン『312B3-74』でデモランを行なったが、最終ラップでのブレーキトラブルが発生。バリアにリヤをぶつけ、大破させてしまっている。その母国でのクラッシュのあと、スペインGP決勝ではトップ独走中にエンジントラブルによってリタイアとなった。

ドライバーズランキングではついに宿敵フェルスタッペンに6点差で追い抜かれ首位から陥落。チームもレッドブルにトップの座を引き渡した。もはやモナコに"呪われている"といっても過言ではなかった。

そんなルクレールだが、悲願のモナコ人初のモナコGP覇者へのプレッシャーはないという。

「正直、プレッシャーは感じてないんだ。この素晴らしいコースに戻ってこられたことは、僕がここで育ったということもあって、とても特別なことなんだ」とモンテカルロ市街地コースへの思い入れを語った。

ルクレールは今季、第1戦のバーレーンGP、第3戦のオーストラリアGPの2勝に留まっているが、フェラーリのマシン『F1-75』はコーナーに強い特性もあり、モナコGPではレッドブルに対して大きなアドバンテージがあると予想されている。スペインGPでは、ターボチャージャーとMGU-H(ハイブリッドシステム)の不具合によってリタイアとなったが、コーナーとアップダウンの多いモンテカルロでは、フェラーリに優位性があるという見立てだ。

ドライバーズランキングではフェルスタッペンとの差は、まだ逆転が容易な状況だ。自身初のモナコGP制覇で首位奪還を狙っているのは当然ながら、「リスクをとるつもりはない」とも話しており、F2時代からつきまとうモンテカルロでの不運に"なるようにしかならない"というフラットな心理状態で向き合うようだ。

英国紙の『The Guardian』はルクレールの言葉を伝えている。

「(モンテカルロ市街地コースは)僕にとって最も幸運なトラックではありませんでした。しかしそれもまた人生です。"そうしたこと"はいつだって起こりますし、それがモータースポーツの一部ですから。物事はうまくいかないこともあるけど、今年はうまくいくことを願いますよ」

27日、午後2時から始まったモナコGPフリープラクティス(FP)1回目では、ルクレールは1’14.531で見事トップタイムを飾った。午後5時からFP2が行われる。

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日本編集部所属。ボクシング・格闘技担当編集者。