NBA記者の戦力分析:西地区で急浮上の可能性を秘めたサンダー|NBA 2023-2024シーズン

 Josh GIddey / Jalen Williams / Shai Gilgeous-Alexander
(NBA Entertainment)

オールNBA選手になったシェイ・ギルジャス・アレクサンダー率いるオクラホマシティ・サンダーは、昨シーズンをケガで全休したチェット・ホルムグレンの復帰でさらなる飛躍が期待される。

ウェスタン・カンファレンスで急浮上する可能性のあるサンダーの2023-2024シーズンの戦力について、『NBA.com』のショーン・パウエル記者が分析する。

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主な新戦力

  • ダービス・ベルターンス(フォワード/トレード)
  • ビクター・オラディポ(ガード/トレード)
  • ケイソン・ウォレス(ガード/ドラフト)

主な退団選手

  • 特になし

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昨シーズン

不吉な前兆が必ずしも暗雲となってつきまとってくるとは限らない。2022年のドラフトでサンダーから全体2位指名を受けたチェット・ホルムグレンが、開幕前にシーズン終了を告げられた後のサンダーがそうだった。昨年の夏の足の負傷によってホルムグレンは凍結状態となり、彼のルーキーシーズンは2023-24シーズンまで延期されることになった。

それでも、サンダーは成長途中のチームでありながら、強豪ぞろいで競争の激しいウェスタン・カンファレンスで十分に躍進した。チームは40勝をあげ、若手選手がステップアップし、全体的に進歩が見られた。なかでもジョシュ・ギディー、ジェイレン・ウィリアムズ、ルー・ドート、アイザイア・ジョーなどが成長を見せていた。

加えて、シェイ・ギルジャス・アレクサンダーはオールスター選手からほぼスーパースターの仲間入りを果たし、1試合平均31.4得点で得点ランキング4位を記録。リーグで最も守るのが難しい選手の1人となった。

しかし、サンダーはプレイイン・トーナメントで敗退し、プレイオフ進出を逃した。それでも、総合的に考えれば、サンダーの再建計画は予定通りに進んでいる。

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夏の総括

2019年から、ドラフト当日に必ず起こることがひとつある。それは、サンダーのゼネラルマネジャーのサム・プレスティがトレードをすることだ。ビジネス界屈指の1人としてサンダーの人事を仕切るボスは、チャンスがあるなら常に1巡目に上がりたいと考えていると話す。

今年6月にもプレスティGMはスワップ(指名権の交換)を成立させ、1巡目指名権(12位)をダラス・マーベリックスに送り、2つ順位を上げて10位指名権を獲得。その「罰」としてマーベリックスからベルターンスの契約を引き受けている。

これは、ベルターンスという評価が落ち始めた3ポイントシューターを獲得するためというよりも、サンダーが確実にケイソン・ウォレスを選ぶための動きであることは明らかだった。12位までウォレスが残っている可能性はあったかといえばそうかもしれない。しかし、ゼネラルマネジャーのハンドブックの最初のページには、太字でこう書かれているのだ。「欲しい選手を獲得せよ」と。

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こうしてサンダーは、有望な若手選手をまた1人、膨れ上がるロスターに加えた。ケンタッキー大出身のウォレスは身長193cmのコンボガードで、堅実なディフェンス力がある。むらのあるシューターでシュートレンジもそこそこだが、まだ19歳で20歳の誕生日を迎えるのは11月だ。サンダーでの彼の育成についてはこれまでのほかの選手と同じ待遇が期待される。

それ以外は、サンダーのオフシーズンは比較的静かだった。ベルターンスには今後2シーズンで3,300万ドル(約48.8億円/1ドル=148円換算、以下同)の報酬を払うことになり、彼は来シーズン、サンダーでギルジャス・アレクサンダーに次いで2番目に高額な選手となる。しかし、まだルーキー契約のままの選手が多いサンダーにとってベルターンスの年俸は問題ではない。 どちらかといえば、彼の年俸はサンダーの最低報酬金額に達する助けになる。

オラディポを呼び戻すのも同じ理由だ。このところの負傷歴から考えると彼のサンダーでの在籍は短いと予想されるが、サンダーはマイアミ・ヒートから2巡目指名権も2つ獲得し、オラディポの契約900万ドル(約13.3億円)はサラリーキャップを埋めるために充てられる。 

この夏、サンダーに大型トレードはなく、彼らは近道をするために若手選手をトレードするという誘惑に屈することはなかった。一番のニュースは、ホルムグレンが再び負傷することなくこの夏を乗り切ったことと、この夏の様子から彼が堅調に見えたことだ。

原文:30 teams in 30 days: Thunder's sudden ascent puts West on notice
翻訳:YOKO B Twitter:@yoko_okc

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フリーランスライター。NBAオクラホマシティ・サンダーを中心に取材するかたわら、英語発音コーチも務める。
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