昨季の3P記録が見事だったペリカンズ、今季のシュート力は?

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JJ Redick New Orleans Pelicans

ニューオーリンズ・ペリカンズのファンならば、以前にこう聞いたことがあるかもしれない。「ペリカンズは3ポイントショットが弱い」。

もしそれが耳馴染みなのであれば、それは2シーズン連続でプレシーズンによく言われている全般的な意見だからだ。

JJ・レディックをフリーエージェントで獲得したにもかかわらず、2019-20シーズン開幕前も、ペリカンズはプレビューやポッドキャストで3ポイントショットの力が全般的に欠けていることが大きな問題になると言われていた。

しかし、スターターのブランドン・イングラムとロンゾ・ボールがそれぞれキャリア最高の3P成功率を記録するなど様々な理由から、この評価は覆された。

昨季のペリカンズは、3P成功率37.0%で30チーム中7位、1試合平均の3P成功13.6本で5位だった。どちらも7位以内だったのは、ペリカンズを含めてわずか4チームだ(残り3チームはプレイオフに進出したユタ・ジャズ、マイアミ・ヒート、トロント・ラプターズ)。72試合で120本超の3Pを決めた選手は5名おり、ペリカンズはリーグ有数の層の厚さを誇る3Pチームだった。

その5名のうち、2020-21シーズンのロスターに戻らなかったのは、ミルウォーキー・バックスにトレードされたドリュー・ホリデー(成功122本、成功率35%)のみ。イングラム(成功150本)、ボール(同148本)、レディック(同180本)、ジョシュ・ハート(同121本)はチームに戻ってきた。ニコロ・メッリ(同69本)も同様だ。そしてバックスとのホリデーの取引で、エリック・ブレッドソー(同74本)が新たに加わった。

ペリカンズのスタン・バンガンディ新ヘッドコーチは、「正直、我々には十分なシュート力がある」と話しつつ、2020-21シーズンの数字は少し異なるかもしれないと指摘した。

「我々が同じくらいのシュートを打つとは思わない。(昨季は)ザイオン(ウィリアムソン)が24試合にしか出場しなかったからだ。シーズンの大半で、ペリメーター選手が4名おり、(パワーフォワードを)務めていたのはイングラムだった」。

「今季は同じようにコートが広くならない。まだウチにはうまくシュートを打ち、決めることができる選手が多いものの、昨季よりも3Pシューターがひとり少ない時間帯が増えるだろう。少なくとも成功数の点で、その分野に関してはおそらく同じような数字にならないはずだ」。

3Pの数は多くならないかもしれないが、ウィリアムソンがもっと頻繁にコートに立つことで、シュートの質は向上するかもしれない。3Pの高い成功率を保つことができ、さらにウィリアムソンが59.0%のショット成功率を記録するインサイドでの効率を高められれば、ペリカンズが平均以上のオフェンス力を誇るチームに引き続きなれるはずだ。チーム2位の得点を記録した選手が48試合を欠場したにもかかわらず、昨季のオフェンシブ効率(110.5)は15位だったのだ。

昨季の成功本数順に、ペリカンズで最も重要な3Pシューターたちを見てみよう。

JJ・レディック

成功率: 昨季45.3%、通算41.6%

ペリカンズでの1年目で、当時バックスのジョージ・ヒル(46.0%)に続くリーグ2位の成功率を記録した。過去5年で最も安定した3Pシューターであることは確かだ。過去6シーズンのうち5シーズンで成功率40%超をマークしている(唯一の例外はフィラデルフィア・76erでプレイした2018-19シーズンの39.7%)。

ブランドン・イングラム

成功率: 昨季39.1%、通算36.0%

2019-20シーズンのNBA最優秀躍進選手(MIP)は、ペリカンズで150本の3P成功を記録。ロサンゼルス・レイカーズでプレイした3シーズン通算(127本)の数字を上回った。NBAでの2年目に成功率39.0%と将来性を示していたもののその時は平均試投1.8本と本数が少なかった。昨季は平均試投6.2本を記録している。マイアミ・ヒートとの今季プレシーズン初戦では、5本中2本成功だった。

ロンゾ・ボール

成功率: 昨季37.5%、通算34.1%

成功率はルーキーシーズンが30.5%、2年目が32.9%、昨季は自己最高の37.5%。シーズン中にも大きな成長を遂げ、3月にはミネソタ・ティンバーウルブズとの2試合やダラス・マーベリックス、マイアミ・ヒートと対戦した4試合で36本中21本成功を記録した。5試合で5本超の3P成功をマークしている。

ジョシュ・ハート

成功率: 昨季34.2%、通算35.3%

3シーズン連続で3P試投数を増やしており、2019-20シーズンはペリカンズで自己最多の平均試投5.4本を記録した。3月やオーランドのバブルでは落ちたが、昨季はそれまで30%超の成功率をマークしている。彼がプレイし、チームが勝利した26試合での成功率は40.2%だが、チームが敗れた39試合での成功率は30.8%だ。

エリック・ブレッドソー

成功率: 昨季34.4%、通算33.6%

リーグ最高の56勝17敗を記録した昨季のバックスの勝敗記録を統計的に切り分ける方法はたくさんあるが、ブレッドソーが3本以上の3Pを沈めた試合で、バックスは8勝0敗であることを指摘しておこう。3Pに関する昨季の彼のベストゲームも、チームがファイサーブ・フォーラムでペリカンズに大勝した12月11日(日本時間12日)の試合。ブレッドソーは3P6本中5本成功だった。

ニコロ・メッリ

成功率: 昨季33.5%(新人)

昨季NBAデビューしたイタリア人フォワードは、NBAの3Pラインに適応するのに一定の時間を要した。役割が頻繁に変わったオーランドのバブルでは、26本中4本成功に終わっている。だが、それまでは見事な精度を見せていた。プレイ時間が増えた1月と2月、メッリは77本中37本の3Pを成功させている。ハイライトは、7本中6本成功だった2月23日(同24日)のゴールデンステイト・ウォリアーズ戦。バンガンディHCは「彼は去年よりもかなりうまくシュートを打てるだろうと思う」と話している。

原文:Pelicans expect to have ‘plenty of shooting’ after impressive 2019-20 from three-point arc by Jim Eichenhofer/Pelicans.com(抄訳)


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