オーランド入りしたウィザーズの注目ポイント

Washington Wizards

7月7日(日本時間8日)にオーランド入りし、NBAのシーズン再開が近づいているワシントン・ウィザーズは、フロントスタッフ、コーチ、選手たちはここ1週間半ほどメディアに対してシーズン停止中の過ごし方、準備期間、オーランドでの生活などについて語ってきた。停止期間中を経て、チームがどういった状態なのかは多くのファンやメディアが知りたがっていることだ。

ここでは再開シーズンに向けたウィザーズの注目ポイントをチェックしてみよう。

選手たちのプレイはどう変わった?

リーグが停止したのは3月12日(同13日)、およそ4か月ほど前。それ以来、選手たちは自宅の限られた環境でトレーニングを続けることを強いられていた。ウィザーズのトレーニングスタッフは、全選手にウェイトやレジスタンスバンドなどの用具を提供し、できる限り選手たちのコンディショニングを維持するために、Zoomを使用したワークアウトやヨガセッションを開催してきた。

トロイ・ブラウンJr.は「みんなの身体がちゃんと仕上がっているのを見れたことが、チームメイトとして一番嬉しかった」と語る。

「自分はしっかりとトレーニングしていたからね。それぞれがしっかりと仕上げてきてくれたおかげで、わざわざ無駄に走らせたりしなくて良い」。

トーマス・ブライアントも、この停止期間中にフィジカル面を上昇させた選手のひとりだ。

ブライアントは「コート上だけでなく、特にウェイトルームでこそ、身体をしっかりと作ることに集中していた」と話している。

「下半身をしっかりと作り、上半身も体脂肪を落として筋肉をつける。まさにそれをやっていた」。

選手たちのストレングス&コンディショニングの成果は初日から明らかだった。八村塁はさらにコート上のスキルにも時間を費やしており、これの結果がわかるのはまだ少し先のことだろう。今の時点で、選手たちはまだチームスタッフとの個人ワークアウトに制限されている。ここから徐々にフルチームでのワークアウト、練習、スクリメージと続き、7月31日(同8月1日)に初戦となるフェニックス・サンズ戦を迎える。

複数のポジションでのプレイが今後のキャリアで要求される八村は、シュートタッチを維持しつつ、多様性のあるスタイルを育むことを目標にトレーニングしていたと話している。

「浅めの3ポイントショットと、ミッドレンジを重点的にやっていた。3Pとミッドレンジに対する自信は増している。しっかりとワークアウトしていたことがそれにつながっている。自信をつけることが大切だと思っている」。

「それ以外では、ボールハンドリングを鍛えている」と八村は続けた。

「チームは将来的に僕に3番と4番をやってほしいと考えているので、ボールハンドリングとコートビジョン向上に取り組んでいる」。

積極性とペイントに身を投じるその献身性で知られるモリッツ・バグナーは、コート上での自身の身体のコントロールに力を入れていると言う。

「一番力を入れていたのは、重心を低くして安定感を保つこと、そして試合全体をもっとゆっくりと見渡して、自分自身をコントロールすることだ」。

育成と競争のバランス

シーズンを通して、ウィザーズはチームの若手が毎日上達していくことに重きを置き、育成方針の重要性を説いてきた。そして今、13日間で8試合を行なわれるこのスケジュールのなかで、各カンファレンスの最後のプレイオフ枠をかけて戦うチームたちは、その育成方針とプレイオフに出場する可能性を天秤にかけながらプレイする状況に置かれている。

先週、ウィザーズのトミー・シェパード・ゼネラルマネジャーは、オーランド入りするチームの方針を明らかにしている。

シェパードGMは「勝ちに行く」と語った。

「プレイオフ出場を目指す。100%、それが我々の目標だ」。

ウィザーズは7月7日(同8日)に、チームのリーダでありシーズン停止時点で平均30.5得点を記録していたブラッドリー・ビールが、肩のけがを治療するためにチームと共にオーランド入りはしないことを発表した。しかしビールが不在でも、チームのアプローチは変わらないとシェパードGMは話している。むしろ若い選手たちと、リーグ2位のベンチ得点力を誇る層の厚さを駆使して、勝利を掴むチャンスであると考えている。

「トロイ・ブラウンJr.はNBA2シーズン目で、出場時間を増やしていく準備ができている。そして彼にとってそういう機会になるだろう」とシェパードGMは述べている。

「イシュ(スミス)、シャバズ(ネイピアー)、イアン・マヒンミはオーランドでの時間を育成に当てるなんて聞きたくないはずだ。彼らは勝ちたいから行くのだ。我々の選手たちはみんな勝ちたいと思っている。全員をプレイさせる必要がある。8試合、そして3試合のスクリメージを合わせると、短い期間で11試合を行なうことになる。全員の貢献が必要だ。もちろん終わった時点で、連れていく選手がどのようなプレイができたかしっかりと見極めていきたい。選手たちを成長させ、プレイさせるという考えはある。しかし目的は勝つこと。それは当初から言っていることだ。だからこそNBAでプレイするのだ。試合に勝つために」。

ディフェンス面での成長

シーズンを通して、チームを牽引していたのはウィザーズのオフェンス力だ。シーズン序盤、最初の24試合中13試合で120失点以上を記録するなど、チームのディフェンスは苦戦していた。今でもウィザーズの強みはそのオフェンス力だが、シーズン序盤に比べればディフェンス力も向上している。12月と1月に平均120.9失点を記録していたウィザーズだが、2月(116.1)と3月(115.8)には数字を落としてきている。

八村は「良いディフェンスができれば、プレイオフに出場する可能性が大幅に高まる」とコメントしている。

シーズン停止中にそれぞれのワークアウトを続けながらも、ディフェンス力向上にもチームは時間を費やしていたと八村は説明している。若い選手たちにとって、Zoom上で行なわれたコーチングスタッフとのフィルムセッションが特に助けになったとのことだ。

キャリアを通して11チームでプレイしてきたベテランのスミスは、チームのディフェンス面での苦戦はロスターの若さが起因していると説明する。そしてシーズンを通して安定して上達していることに驚きはなく、これからもそれが継続されることを望んでいる。

スミスは「このチームでベテランと言えば、ダービス(ベルターンス)、ブラッド(ビール)、僕、イアン(マヒンミ)などだ」と語る。

「ほかのみんなは全員若い。全員プレイ経験が浅い。1年目、2年目、3年目であろうと、コミュニケーションがとにかく大切だ。ディフェンスで一番重要なのはしっかりと連携が取れていることだ。コミュニケーションを取り、カバーを伝えたり、同じ考えを持ったり、何度も繰り返し努力したりすることだ。コミュニケーション部分が難しい。そこは今季コーチが強調しているところでもある。コミュケーションを取ることで、選手たちを正しい位置へと導ける」。

原文:Storylines to watch as the Wizards arrive in Orlando by Jackson Filyo/WashingtonWizards.com(抄訳)


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